国内旅行をもっと楽しもう（小宮一慶先生 経営コラムVol.64）

株式会社小宮コンサルタンツ　代表取締役CEO
小宮 一慶 先生

2023/3/24
本コラムでは『小宮一慶の「日経新聞」深読み講座』等の著書を持ち、日経セミナーにも登壇する小宮一慶先生が経営コンサルタントとしての心得やノウハウを惜しみなくお伝えします。

新聞を読んでいると、旅行の広告が多くなりました。コロナの最盛期にはまったくなくなったのですが、まず国内旅行が復活し、今では海外旅行もずいぶん増えました。海外に再び行くことを楽しみにしておられる方も多いと思いますが、私はこの際はまず国内旅行を十分に楽しむべき時ではないかなと思っています。国内も魅力が多いからです。

私も、コロナ前には仕事や休暇で、毎年5、6回は海外に行っていました。私にとっては海外に行くのは結構日常茶飯事でしたが、コロナでばったりとそれが止まりました。その後、コロナの影響が和らいで、昨年末に仕事でベトナムに行き、3年ぶりの海外を経験しましたが、今はできるだけ国内旅行を楽しむようにしています。

ひとつはコストのせいです。

当社では、コロナ前には、毎年経営計画策定セミナーを14年連続でグアムで行っていました。コロナがはじまりかけた2020年まで行っていました。

そして、今年はコロナもだいぶん収まったので、グアムでのセミナー復活を画策しましたが断念しました。

毎年セミナーを開催していたホテルの料金は、インフレと円安が重なり5割以上の高騰、レストランも同様でした。また、飛行機も減便しており、かつ料金も高いのです。

そこで私たちは、グアムでなく沖縄読谷村で合宿を開催することにしました。

会場としたホテルの前に広がる青い海はグアムと同じ。ホテルやレストランの人たちも親切で、英語を話す必要もありません。飛行機の便も多く、搭乗手続きも楽です。

一夜は、地元のバンドの歌を聞きましたが、皆さんとても感動されていました。毎年グアムに来られていたお客さまの中には「沖縄もいいですね」と言われた方もたくさんいらっしゃいました。

一方、ホテルの外では、ときどき米軍機が爆音をたてて飛びますが、これもグアムと同じです。沖縄にいれば、米軍や基地問題を考えざるをえません。

いずれにしても、グアムにはグアムの良さがあり、沖縄には沖縄の良さがあります。それに気づいたことが大きな収穫だと思います。沖縄に限らず、国内でも良いところがたくさんあるのです。

さらには、先日講演で奄美大島を訪ねましたが、とても魅力的でした。自然や歴史に触れ、仕事とはいえかなりリラックスできました。ハブ退治のために海外から連れてこられたマングースが激減したという話も興味深いものでした。日本でも知らないことが多いとつくづく思います。

もちろん、国内の各地もその魅力を磨き、それを伝える努力を怠ってはいけないことはいうまでもありません。