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スポット依頼は可能?税務調査の立会いを税理士に依頼する場合のポイント

スポット依頼は可能?税務調査の立会いを税理士に依頼する場合のポイント

税務署から「税務調査を行いたい」と連絡が来たものの、顧問税理士がいない。そんなとき、「税務調査だけ税理士にお願いすることはできるのだろうか」と不安になる経営者や経理担当者もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、税務調査への対応を税理士にスポットで依頼することは可能です。ですが、税理士に依頼すれば会社側が何もしなくてよいわけではありません。元から顧問税理士がいる場合と違い、短期間で税理士を見つけ、情報共有や準備を行う必要があるため、スポット依頼ならではの注意点もあります。

この記事では、税務調査の立会いを税理士へスポット依頼するときの流れやメリット、費用を確認するときのポイント、依頼前に準備しておきたい資料について解説します。

税務調査の立会いは税理士にスポット依頼できる?

普段は自社で申告している会社や、以前依頼していた税理士との契約が終了している会社でも、税務調査が決まってから税理士へ対応を依頼することはできます。

国税庁のFAQでも、納税者への事前通知後に新たに税務代理を受任した税理士について、調査開始日時より前に税務代理権限証書が提出されれば、新たな税務代理人にも事前通知を行うとしています。合理的な理由があれば、調査開始日時などの変更について協議を求めることも可能です。(参照:税務調査手続に関するFAQ(税理士向け)|国税庁)

したがって、税務署から連絡を受けた時点で顧問税理士がいなくても、「自分たちだけで対応しなければならない」というわけではありません。

顧問税理士でなくても依頼できる?

税務調査に立ち会う税理士は、必ずしも対象年度の申告書を作成した税理士である必要はありません。新たに依頼を受けた税理士でも、税務代理人として調査に対応できます。

ただし、スポットで依頼された税理士は、その会社の過去の取引や経理処理、申告に至った経緯を把握していません。数年分の申告書や帳簿を確認し、会社側から取引の背景を聞いたうえで調査に臨むことになります。ここが以前から会社の会計や申告を見ている顧問税理士との大きな違いです。税務調査の連絡が来たら、調査日の直前まで待つのではなく、依頼するかどうかを早めに検討した方が準備時間を確保できます。

税務代理権限証書の提出が必要

税理士が納税者の代理人として税務調査に対応する場合には、「税務代理権限証書」を税務署へ提出します。

税務代理権限証書には、対象となる税目や年分など、税理士へ委任する範囲を記載します。国税庁は、過去の年分について新たに税務代理を委任する場合も、税務代理権限証書の「過年分に関する税務代理」欄を利用して委任できると案内しています。法人の調査では法人税だけでなく、消費税や源泉所得税などが同時に調査対象となることもあるため、どこまで依頼するのかを税理士と確認しておきましょう。

納税者が希望し、税務代理権限証書に所定の同意を記載している場合には、事前通知を税務代理人である税理士に対して行う仕組みもあります。

税理士に立会いを依頼するメリット

税務調査は申告内容が正しいかを帳簿などで確認する手続きです。税務調査の経験がない経営者にとって、調査官から何を聞かれるのか、どの資料を確認されるのかは分かりにくいものです。税理士に依頼することで、過去の申告内容を税務の観点から事前に確認し、質問されそうな項目を整理したうえで調査に臨みやすくなります。

当日も、調査官の質問がどのような税務上の論点に関係しているのかを踏まえて対応できます。会社側の説明だけでは伝わりにくい取引について、会計処理や申告内容との関係を税理士から補足してもらえることもあります。

税務調査で税理士に依頼できること

税務調査の「立会い」というと、調査当日に隣に座ってもらう姿をイメージしがちですが、実際の税務調査対応では、その前後の準備も重要です。

スポット依頼を受ける税理士によってサービス範囲は異なりますが、事前準備から調査当日、調査後まで対応している事務所もあります。

税務署との事前のやり取り・日程調整

実地の税務調査では、原則として調査開始日時、開始場所、対象となる税目や期間などが事前に通知されます。国税庁は、合理的な理由がある場合には調査日時の変更について協議を求められるとしています。

新しく税理士へ依頼した場合でも、調査開始前に税務代理権限証書が提出されていれば、その税理士にも事前通知が行われます。準備に必要な時間や税理士の日程などを踏まえ、必要に応じて税務署との調整を相談できます。

調査前の帳簿・申告内容の確認

スポット依頼では、この事前確認が特に重要です。

顧問税理士であれば日頃の経理処理を把握していますが、初めて依頼する税理士には会社の状況を一から共有しなければなりません。対象期間の申告書や決算書、総勘定元帳などを確認し、申告内容と実際の取引に食い違いがないかを整理します。たとえば、多額の外注費が計上されていれば誰にどのような業務を依頼したのか、役員貸付金が増えていればその経緯は何か、といったように、数字だけでは分からない事情を確認していきます。

ここで大切なのは「税務署に聞かれそうな答えを作る」ことではなく、実際の取引や処理の経緯を正確に把握することです。

税務調査当日の立会い

調査当日は、税理士が税務代理人として立ち会い、調査官とのやり取りをサポートします。

専門的な税務処理について説明したり、質問の意味が分かりにくい場合に内容を確認したりすることができます。ただし、「この取引先を選んだ理由」「実際に誰が業務を行ったのか」など、経営者や担当者本人にしか分からない事実については、本人が説明する必要があります。

税理士が同席していても、経営者や経理担当者が一切話さずに調査を終えられるとは限りません。

調査後の対応

調査当日が終わった後に、追加資料の提出や説明を求められることもあります。調査結果によっては、申告内容の修正を検討するケースもあります。

この段階でも税理士に相談できれば、税務署から指摘された内容を整理し、会社としてどのように対応するかを検討しやすくなります。

スポット契約では、当日の立会いまでを基本料金とし、その後の追加対応や修正申告を別料金としている場合もあります。依頼する時点で「調査終了まで何が含まれているか」を確認しておくことが重要です。

税理士に頼んでも税務調査を「丸投げ」はできない

税務調査を税理士へ依頼すると専門的な部分をサポートしてもらえますが、会社側の準備が不要になるわけではありません。帳簿を作ったのも、取引を行ったのも会社です。税理士はその内容を確認して税務上の説明を行えますが、実際の取引について知らされていない情報まで説明することはできません。

特にスポット依頼では、初対面の税理士に過去数年分の会社の状況を短期間で理解してもらう必要があります。「税理士に任せたから大丈夫」と考えるのではなく、会社側も資料整理や事実関係の確認に協力することが、スムーズな調査対応につながります。

税務調査の立会いをスポット依頼するときの流れ

税務署から連絡を受けたら、まず調査日時や対象税目、対象期間など、伝えられた内容を記録しておきましょう。その情報を税理士へ伝え、対応可能かを確認します。

依頼することが決まったら、税務代理権限証書を提出し、申告書や帳簿などを共有して事前確認を行います。そこで取引内容や気になる処理を整理したうえで調査当日を迎え、必要に応じて調査後の追加資料提出や修正申告などにも対応します。

税務調査まで時間がないほど、確認できる範囲も限られます。税務署から連絡を受けた段階で、税理士に依頼する可能性があるなら早めに動くのがよいでしょう。

税理士へ相談する前に準備しておきたいもの

最初の相談では、税務署からいつ、誰から、どのような連絡を受けたのかを伝えられるようにしておきます。対象税目や期間、予定されている調査日時が分かれば、税理士も必要な準備を判断しやすくなります。

会社側で用意する資料は案件によって異なりますが、過去の申告書・決算書や総勘定元帳などは基本的な確認資料になります。そこから必要に応じて請求書、領収書、契約書、給与関係資料などを確認していくことになります。

資料の中に「見られたくない」「処理が間違っているかもしれない」と感じるものがあっても、税理士には早い段階で伝えておくことが大切です。調査当日に初めて問題が分かるより、事前に確認できた方が対応を検討できます。

スポット依頼する税理士を選ぶポイント

スポットで依頼するときは、料金だけでなく対応範囲を確認しましょう。同じ「税務調査立会い」でも、調査当日だけ立ち会うサービスと、事前の帳簿確認から税務署との連絡、調査後の対応まで含むサービスでは内容が大きく異なります。

自社と同じ業種や近い規模の企業について税務調査対応の経験があるかも確認材料になります。そのうえで、事前打ち合わせの回数、複数日にわたった場合の追加料金、調査後の税務署対応、修正申告の料金などを確認しておくと、依頼後の認識違いを防ぎやすくなります。

よくある疑問

税務調査の立会い費用はいくら?

税理士による税務調査立会いには、一律の料金が定められているわけではありません。1日あたりの日当を設定する事務所もあれば、事前確認から調査後までを一式料金としている事務所もあります。

特にスポット依頼では、税理士が過去の申告内容を一から確認する必要があるため、当日の立会い以外に事前準備の費用がかかることがあります。修正申告が必要になった場合も別料金となることがあります。

そのため、見積もりを見るときは「立会いはいくらか」だけでなく、その金額でどこまで対応してもらえるのかを確認しましょう。

税務署から連絡が来てから探しても間に合う?

事前通知を受けてから税理士へ依頼することは可能です。国税庁も、納税者への事前通知後に税務代理を受任した税理士について、調査開始日時より前に税務代理権限証書が提出されれば、新しい税務代理人にも事前通知を行うとしています。

ただし、「依頼できる」ことと「十分な準備ができる」ことは別です。数年分の帳簿や申告書を短期間で確認する必要があるため、調査日が迫ってからでは確認できる範囲が限られる可能性があります。税務署から連絡が来た時点で顧問税理士がおらず、不安を感じているのであれば、まず相談先を探すところから早めに始めることが大切です。

なお、税務調査は常に事前通知されるとは限りません。国税庁は、事前通知をすると正確な事実把握を困難にするおそれがある場合などには、事前通知を行わないことがあるとしています。

税務調査を依頼するときの注意点は?

税理士には、自社にとって不利に見える事情も含めて正確に共有することが重要です。

たとえば、領収書が残っていない取引や、処理方法に自信がない支出、個人と会社のお金が混在している部分などがあれば、事前に伝えておいた方が税理士も対応を検討できます。

税務調査が決まった後に帳簿を書き換えたり、資料を意図的に処分したりするのは避けなければなりません。分からないことや誤りの可能性があるものは、その状態を含めて税理士へ相談しましょう。

顧問税理士とスポット依頼、どちらを選ぶ?

今回の税務調査だけ専門家に対応してもらいたいのであれば、スポット依頼は現実的な選択肢です。日常の経理は社内で問題なく行えており、税務調査のような特殊な場面だけ専門家の力を借りたい会社にも向いています。

顧問契約には、日頃から会社の決算や税務処理を税理士が把握できるメリットがあります。税務調査が入ったときも、過去の処理を一から説明する必要が少なく、普段から気になる税務処理について相談できます。

どちらがよいかは、税務調査の有無だけでは決まりません。会社の規模や取引の複雑さ、経理担当者の経験、日常的に税務相談が発生するかなどを考えて判断するとよいでしょう。

まとめ

税務調査は、顧問税理士がいない会社でも税理士へスポットで立会いや対応を依頼できます。すでに税務署から事前通知を受けている場合でも、調査開始前に新たな税理士へ税務代理を依頼することは可能です。

スポット依頼で特に意識したいのは、税理士がこれまでの会社の経理や申告内容を知らないことです。過去の申告書や帳簿、取引の背景を短期間で共有する必要があるため、税務調査の連絡を受けたら早めに相談した方が準備を進めやすくなります。

税理士に依頼すれば、事前の申告内容の確認から税務署とのやり取り、調査当日の立会い、調査後の対応まで相談できます。ただし、どこまで含まれるかは税理士事務所によって異なります。料金だけを見るのではなく、事前準備や調査後の対応まで含めたサービス範囲を確認してから依頼しましょう。

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