開業8年で在籍税理士17名! 「専門性×人材力」で急成長
『資産税日本一』を目指す成長戦略とは

円満相続税理士法人

円満相続税理士法人 統括代表社員税理士 橘 慶太 先生 × 株式会社ビズアップ総研 代表取締役・税理士 吉岡 高広 

2017年の創業からわずか8年で、売上4億円超を達成。驚異的なスピードで成長を遂げているのが、港区南青山に本社を構える円満相続税理士法人だ。大阪・名古屋・大宮にも拠点を持ち、広域で質の高い相続サービスを展開。顧客一人ひとりの事情に深く寄り添う対応力と、専門性の高さが支持を集めている。「日本一の相続専門税理士法人」を掲げる同法人には、26名中17名が税理士という高い資格保有率を誇り、独立志向が強いとされる業界において、優秀な人材の定着にも成功している。急成長と人材確保を両立させた背景には、どのような戦略があったのか。その秘密について、統括代表社員税理士の橘慶太先生にお伺いした。【BIZUP 2025年6月号掲載】

勤務時代から“相続漬け”のキャリアを歩み、
29歳で相続専門事務所をスタート

吉岡 高広(以下吉岡)橘先生が税理士になることを志した理由は何だったのでしょうか。最初のきっかけを教えてください。

橘 慶太先生(以下橘)中学時代からギターに熱中し、一時は音楽の道を志していました。当時はグリーン・デイが大好きで、ミュージシャンに憧れていたのです。実をいうと、ギターの専門学校に進学するつもりで見学にも行ったのですが、そこで自分よりもはるかに演奏技術の高い人たちを見て、「音楽で食べていくのは現実的ではないな」と感じ、進路を見直すことにしました。
その後は専修大学に進学したのですが、そこで受けた簿記の授業が「税理士になろう」と思った最初のきっかけです。それまで全く興味のない分野でしたが、受けてみると本当に面白くて、演習の時間になると、誰よりも先に問題を解くことができました。それで、「自分に向いているかも」と。いちどそう思うと自信もついてくるもので、本格的に税理士を志すようになったのです。また、大学に入学してからは「将来は独立して自分の事業を持ちたい」という思いが徐々に強くなっていったのですが、祖父や曾祖父が経営者だったので、自然とそのような志向が育まれていたのかもしれません。

吉岡会計士という選択肢もあったのではありませんか。

橘:税理士を目指すか、公認会計士を目指すかで悩んだ時期もありました。実際、当時、大学内では会計士志望の学生が多かったのですが、自分はあえて税理士の道を選択しました。そこから猛勉強をして、大学在学中に4科目の合格を果たしたものの、勉強に集中しすぎたため留年する羽目になってしまいました。

吉岡とはいえ、在学中に4科目合格は本当にすごいと思います。当時はまだリーマンショックの影響が残る時代だったと思いますが、卒業後はどのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか。

橘:ありがたいことに、山田&パートナーズに内定をいただくことができました。

円満相続税理士法人


吉岡その頃から相続税の仕事に興味があったのでしょうか。

橘:いえ、はじめは法人の税務をしっかりやっていきたいと思っていました。ただ、面接でお会いした役員の方から、「まだ所得税も相続税も学んでいないのなら、まずはすべての科目を経験してから絞ったほうがいい」とアドバイスをいただきました。その時に「相続の部署に配属されても問題ありませんか?」と聞かれたので、「もちろん何でもやります」とお答えしたら、本当に相続税の部署に配属されたのです。最初はまったく知識もなく、右も左もわからない状態でしたが、そこでとても多くの経験を積ませていただきました。入社した年の夏、4回目のチャレンジでようやく固定資産税に合格し、税理士資格を取得。すぐにTACの相続税法講座も受講して、体系的に相続税を学び直しました。この頃の経験が、今の私の相続専門の基盤になっていると思います。

吉岡では、山田時代は相続に“ドップリ浸かった”というわけですね。

橘:はい、それはもう。実は私、消費税の申告書は一度も作ったことがありません。相続だと資産管理会社が出てくるので、法人税の申告書はあるのですが、勤務時代は、最後の最後まで消費税申告は一度も経験できませんでした。

吉岡ということは、独立後も「相続でやっていく」ことを決めていたのですよね。周囲から止められたりはしませんでしたか。

橘:当時、まだ29歳だったので、「若くて実績もない人が、いきなり相続専門で独立しても仕事は獲れない」とはよく言われました。

吉岡でも、ご自身の中には「いけるな」という感覚があったのですね。

橘:はい。今の時代は特化したほうが“突き抜けやすいだろうな”という感覚はありました。「何でも出来ます」より、「これは負けない」と言える方が強いだろうな、と。

吉岡現在の成長ぶりをみると、その時の感覚は確かだったわけですね。まずは東京に事務所を立ち上げられたそうですが、完全におひとりでスタートされたのでしょうか。

橘:最初は、友人の司法書士事務所に間借りする形を考えていたのですが、守秘義務の関係で、しっかりと囲いがないとNGなんですよね。結局、シェアオフィスを借りて、その彼と隣り合わせの部屋でスタートしました。

高付加価値サービス提供で
相続の「対策から申告まで」を一気通貫で強力に支援

吉岡主力業務は「相続税申告」と「生前対策コンサルティング」の2本柱ということですが、より注力されているのはどちらでしょうか。

橘:現在は売上の約8割が相続税申告によるものです。申告業務は、「いつまでに申告書を作成し、税務署に提出する」というゴールが明確ですし、当法人ではそのプロセスを一連の流れとして定型化できているので、自然と収益性が高くなっています。一方、コンサルティングは完全にオーダーメイドです。お客様一人ひとりの事情を決まった流れに落とし込むのは難しいですし、ゴールも申告ほど明確ではありません。ただ、そういった難しさはありますが、ここで信頼関係をしっかりと築けると、申告や他のご依頼、ご相談といった展開も期待できます。理想としては、生前対策から積極的にご支援をさせていただき、それが将来の相続税申告につながる。ふたつを連動させながら、ご支援の輪を広げていければと考えています。

吉岡費用は70万円からスタート。他の法人だと、30万円からといった安価な数字も見受けられますが、少し高めの設定も戦略の一環なのでしょうか。

橘:現在一番多く対応しているのは、1億円規模の財産をお持ちの方です。当法人では、お客様対応は必ず税理士が行います。だからこそ、節税提案力にも確かな実績と自信を持っています。また、二次相続対策や書面添付をはじめとした税務調査対応も基本料金に含めています。こうした高付加価値なサービスが好評を賜り、多くのご相談を寄せていただけています。今後は財産規模が5億円以上、10億円、100億円といった、いわゆる「富裕層」と呼ばれる方々にもリーチできるよう、ますます品質の向上に努めていきたいです。

吉岡橘先生が考える「付加価値」について、もう少し具体的にお教えいただけますか。

橘:ひとつは、「税負担を可能な限り抑えた申告をする」ということ。それと併せて重視しているのが「税務調査の対象とされない。されたとしても追徴課税のない適正な申告をつくる」ということです。そのバランスが取れた申告を行い、お客様に安心していただける申告を志しています。

吉岡その高付加価値なサービスを、代表と共に支えているのがスタッフの皆さんだと思います。貴法人では全従業員26名中、税理士が17名。大変ハイスペックな人材が集まっていますね。

橘:勤務税理士時代の話になりますが、ある顧客の担当を非資格者スタッフが担当しており、彼はその顧客のことを誰よりも深く理解していました。しかし、非資格者であるが故に税務調査の際、現場から退席を命じられたのです。いざという時に、非資格者ではお客様を守れないことがある。「実力があれば、資格なんて」という考え方もあるかもしれませんが、それこそ医師に置き換えて考えてみたら「医師免許は持っていないけど…」という訳にはいかないですよね。この経験から、顧客対応は全て税理士が行うことに決めました。一方で、所内には税理士以外にも「秘書」という職種で働いてくれているスタッフがいます。彼らには、お客様との面談以外の業務全体を下支えする重要な役割を担ってもらっています。

お客様を守るための研鑽
最良の提案のために譲れないこと

吉岡サービスの品質を守るため、ひいてはお客様を守るために、所内で対策や準備などは何か行われているのでしょうか。

橘:研修には注力していまして、現在292本の研修用動画を独自に制作し、蓄積しています。1本あたり平均30分ほどの動画をスタッフに観てもらい、その後ミニテストを受けてもらう。これを繰り返すことで、知識を定着させています。また当法人では、相続未経験で入所された方も多数活躍しています。彼らは「育成税理士」と呼ばれており、所内で取り決めた内容の学習をした後に、試験を受けて合格しないと、顧客対応が許されません。勉強は、まず課題となる専門書をテキストとして、各自学習を進めてもらいます。合格に自信が持てるようになったら、受験したい旨を申し出てもらう。課題図書1冊ごとに私自ら口頭試問を行い、10問のうち8問正解できたら合格となります。それを8冊分クリアして、初めて顧客を担当できるようになります。

吉岡記述式ではなく、口頭試問にする理由はあるのでしょうか。

橘:単なる知識の回答だけでなく、お客様へ説明するシーンを想定した試験にするためです。たとえば、「〇〇という特例について説明してください」と問いかけます。その際、迅速かつ的確に論点を挙げて説明できるかを見ています。そうした点までスキルを磨いてもらえるようにと考えています。

吉岡こうした品質管理と高付加価値なサービスの提供が、貴法人の急激な成長を支えているわけですね。集客の手段としてはご紹介が多いのでしょうか。

橘:いえ、ご紹介は1割ほどで、残り9割がホームページを経由してお問い合わせいただく直接集客です。そしてそのホームページへの誘導に大きく貢献しているのが、YouTubeチャンネル『円満相続ちゃんねる』の存在です。さらに私が執筆し、累計21万部を売り上げている『ぶっちゃけ相続』という書籍から当法人を知ったという方も少なくありません。こうしたホームページやYouTube、書籍などからの直接集客を重視して拡大戦略を進めてきました。

吉岡橘先生が、そのように「直接集客にこだわる理由」とは何なのでしょう。

橘:勤務税理士時代には、いわゆる金融機関営業、銀行や証券会社とのお付き合いを通じて相続や事業承継の案件をご紹介いただくことが多くありました。しかし、ある意味そうした「しがらみ」の中で仕事をするとなると、紹介者のビジネスも考える必要が出てきてしまう。たとえば事業承継支援のご相談で、紹介元の金融機関から、本来必要のない融資を提案に含めてほしいと要求されたことも実際に経験しました。このように、外的な配慮を挟まず、純粋にお客様のための提案を考えたい。そう考え、独立後は余計なしがらみが一切ない直接集客を重視するようになったのです。

吉岡先ほどお話に出たYouTubeチャンネルや書籍の刊行もそうですが、直接集客を広げるために工夫されていることはありますか。

橘:お客様が当然抱くであろう、「この税理士は信用できるのか」という不安や疑問の声に真摯に向き合うことが何よりも大切です。当法人では、ひとつのご依頼が完了するごとに、アンケートをお願いし、お客様の満足度をしっかりと認識するようにしています。
目の前の課題に対して、しっかりと満足いただける仕事をする。そして、その姿勢に対して、感謝や労いの声をかけてくださるお客様は必ずいらっしゃいます。そうした評価の輪は、これまで私たちをご存じなかった方にも広がっていくのです。この好循環を大切にしています。

吉岡躍進のきっかけともなった『円満相続ちゃんねる』の活動について、もう少し詳しく教えてください。この活動はいつ頃から始められたのでしょうか。

橘:本格的に始めたのは、開業してちょうど1年ほど経った頃です。開業して半年ほどはほとんど仕事がない状態で、非常に厳しい時期でした。ただ、私は開業前からマーケティングを学び、WEB集客に力を入れていこうと決めていたので、異業種交流会などには出向かず、日々ブログを書いて発信を続けていたのです。

吉岡その活動が、後のYouTubeにもつながっていくわけですね。

橘:はい。2019年頃からYouTubeでの情報発信も始め、ありがたいことに、そこから多くのお問い合わせをいただくようになりました。文章中心のブログとはまた違い、映像による発信は、より広く、わかりやすく伝える力があると実感しています。ただ一方で「橘さんに直接担当してほしい」というご要望も増えました。その時点で事務所には複数名の税理士が在籍していたのですが、「橘さんではないのであれば…」というお声も多く、個人への依存の強さを痛感しました。

吉岡そこから、組織としての信頼へと軸を移されたのですね。

橘:そうですね。YouTubeや書籍などで私を知ってくださった方が、事務所のホームページにアクセスした際に、各税理士の顔が見え、人となりが伝わるように構成を工夫しています。お客様の声も豊富に掲載し、今では「どの税理士でも安心してお願いできる」と感じていただけるようになったと実感しています。今後も、私自身が前面に立ちつつも、組織としての信頼と安心をしっかりと築いていくことが、事務所としての成長につながると考えています。

円満相続税理士法人
円満相続税理士法人
円満相続税理士法人

どうすれば税理士が「ここで働き続けたい」と考えるか
その中から生まれた、最低保証額つき歩合制度

吉岡橘先生は設立から8年で売上4億円を超えたわけですが、売上1億円前後からその先にブレイクスルーしていく際、気を付けたことや心がけたことなどありましたか。

橘:私自身、売上1億円くらいまでは、自ら現場でお客様対応をしていました。ですが今は、基本的に一歩下がった位置から全体を見て、スタッフの相談に乗ったり、現場がうまく回る仕組みを作ったりというポジションに変えました。私の好きなサッカーで言えば、選手から監督に変わったという感じでしょうか。今でもお客様を担当し、直接お話しする機会がゼロになったわけではありません。ですが基本スタンスとして、スタッフと情報を共有し、一緒に最適な提案を考えるスタイルに移行しました。

吉岡東京以外にも大阪(税理士3名/秘書1名)・名古屋(税理士2名/秘書1名)・大宮(税理士1名/秘書1名)と複数拠点を展開されていますね。各拠点の税理士さんは、その地域に元々基盤をお持ちの方が入所される形で支店展開が進んだのでしょうか。

橘:いえ、実はそうではないのです。2017年1月に東京で当法人を開業したのですが、2019年ごろに前職の後輩税理士が結婚を機に退職し、地元の大阪に帰ると耳にしました。ちょうどその頃、私自身も「大阪に住んでみたい」という願望があったので、「じゃあ大阪事務所をオープンするから一緒に働こう」と後輩に声をかけたのです。そうして大阪に住んで働いていたら、また仲間が周囲にたくさん集まってきて、その中のひとりが片道2時間かけて通勤していたのです。「名古屋に事務所があれば1時間で通えます」と聞いたので、働きやすい環境整備の一環として名古屋への進出を決断しました。大宮事務所の展開も、似たような理由からでした。

吉岡その決断のスピードはすごいですね!背景には、やはり人材への想いがあったのでしょうか。

橘:手前味噌ですが、名古屋の税理士も大宮の税理士も、大阪の代表を任せている税理士たちも本当に優秀で、お客様からの評判も大変良い人材ばかりです。彼らに仲間として長く活躍してほしいと思っていますし、彼らだからこそ今も安心して各拠点を任せられています。私自身至らないところが多いので、創業当時から残ってくれているメンバーや長く働いてくれているスタッフの存在は、本当にありがたい限りですね。
現実的には離職率をゼロにすることはできていませんが、できる限り離職率を下げて、スタッフたちに長く活躍してもらうことを一番大事なポイントにしています。

吉岡そのためにも、密なコミュニケーションは欠かせないと思うのですが、各拠点の連携などは、どのように行われているのでしょうか。

橘:月2回ずつ、隔週で「全体会議」と「税理士勉強会」を行っています。結果として、週1回程度の頻度で、オンラインではありますが顔を合わせる機会があります。そうした場を活用しながら、連携を深めることができていると考えています。
また、当法人では「相談chat」と呼ばれるチャット機能を日常的に使用しています。わからないことがあれば、お互いにチャットで気軽に質問し合い、誰かわかる人が回答する、という形式で知識や知恵を互いに補い合う体制を整えました。
結果、物理的に離れてはいますが、濃密なコミュニケーションを図れていますので、不安や寂しさはあまりないのではないでしょうか。

吉岡人材を大切にする風土がある職場だと感じましたが、長く勤めてもらうためは、どんなことが大切だとお考えですか。

橘:現在は税理士全体の70%が独立開業をしており、残りの30%が社員税理士、所属税理士として勤務しています。もともと独立志向の強い税理士の人たちに、「独立するよりも、円満相続税理士法人で働き続けた方がいい」と考えてもらえる環境づくりができるか。それがポイントだと考えています。
恐らく、日々の仕事の目的が組織貢献に偏りすぎると、やりがいを感じづらくなってしまい、独立したほうがいいと考えてしまう方が多いのではないでしょうか。ですから、当法人ではむしろ集客や採用、運営に関わることは代表が責任を持ってやる。だから、税理士の皆さんは専門性を高めて、お客様を喜ばせることにコミットしてください、という環境づくりを進めています。

吉岡給与を歩合制にされているのも、そうした「長く働き続けたい」と考えてもらう施策のひとつでしょうか。

橘:そうですね。当法人では担当のお客様を持つ税理士は歩合制に移行します。一年の中で自らが責任者として計上した売上の3割から5割が給与となるシステムです。また、売上がどれだけ少なくても、年俸500万円は必ず支給しています。
この最低保証額・500万円という金額も、働きがいと安心のバランスを考えた金額です。個人事業の税理士より給与水準を高めに設定し、当法人に所属するインセンティブを感じてもらえるよう気を配っています。

吉岡一方で、急激に案件が増えたりすると、先ほどお話しされていた品質を守る面に不安が生じませんか。

橘:「もっと稼ぎたい」とスタッフ本人が思って伝えてもらえれば、任せる業務を増やします。ですが同時に、「これ以上担当が増えると、対応品質に問題が出る」とスタッフ自身が判断したときは、自らの案件増加にストップを宣言し、担当数の調整が可能です。当法人では直接集客によるお問い合わせ対応については、ローテーションで担当を決めています。誰かがそのローテーションで自らにストップをかけると、当然他の人のローテーションは早まりますよね。それで担当を持てる税理士全員がストップということになれば、事務所として受注を停止するという措置を取っています。
ご依頼が増えるのはやはり嬉しいものですが、同時にお客様への信頼にお応えできる品質を担保することは並大抵のことではありません。ですから今は、受注停止といった状況にならぬよう採用も強化しています。

将来を見据えた採用戦略
そして円満相続税理士法人が描く、次なる飛躍とは

吉岡採用戦略は、どのような形で進める予定ですか。

橘:最近ではTikTokやYouTubeショートなど、短尺動画を活用した採用施策にも挑戦しています。自社リクルートサイトのブラッシュアップも検討中です。媒体やエージェントにお金をかけるよりも、資産性のあるものに注力したいと考えています。

吉岡どんな人材を迎えたいと考えているのでしょうか。

橘:先ほどもお話ししたように、当法人では「相続未経験」で入所して活躍している人材が多数在籍しています。もちろん、業務経験があるに越したことはありませんが、技術的なことは入所後でも十分に何とかなるものだと考えています。
それよりはやはり、腰を据えて相続分野に取り組みたいと考える方を歓迎します。一通りの税務は見てきたけれど、その中でも相続案件に腰を据えて取り組んでみたい。そんな風にお考えの方がマッチするのではないかと思っています。
ただ、意欲を大事にするとはいえ、高品質なサービスを守るため、面談は有資格者に限定。さらに所定の試験をクリアした方のみが顧客対応にあたります。お客様を守る観点から、このルールは今後も徹底していきたいです。

円満相続税理士法人

吉岡組織として今後の展開をどのようにお考えでしょうか。

橘:他の相続特化事務所のように、自ら不動産業を始めるつもりはありません。しかし、不動産に強いコンサルタントとの連携を強めたり、IFAのような資産運用アドバイスなどを行ったりするのは面白そうだと所内で話しています。事業承継支援についても、経営者の方から直接ご相談いただければ、というルールの下で今後も対応していきたいですね。そのためにも事業承継支援サービスの情報発信も強化しなくてはと考えています。
また、今後はもっと、国際的な相続業務に注力したいですね。その第一歩として日米の相続に関するサービスについて、自信を持って提供できる所内態勢を整えたいと考えています。それは新たな人材の採用もですが、今いる「日本の税務ができる人材」を米国資産や居住者が関わる相続に対応できるよう育成することも大切です。
私自身が米国税理士の勉強を始めたところです。まだまだ学ぶべきことが多いですが、並行して行動も始めています。昨年はハワイへ行き、現地の公認会計士や金融機関の方と面談してきました。連携できる仕組みづくりができないか、これからも意見交換を続けていきます。
私が独立開業をした際、相続税だけで税理士事務所を経営するというのは「普通では考えられない選択だ」と言われました。しかし、たとえその選択が少数派であったとしても、自分の決めた道を貫き通す。そして将来的な大きな目標も大事ですが、目の前の一歩を大切にしたいと考えています。その一歩はとても小さいかもしれませんが、その積み重ねこそが、未来を切り拓く力になると信じています。これは税理士受験生のころから、税理士法人経営者となった今も変わらない、私の信念です。この先にきっと、私たちの目標である「日本一の相続専門税理士法人」を実現できると信じています。

プロフィール
たちばな・けいた
たちばな・けいた
大学在学中に税理士試験の4科目に合格し、税理士法人山田&パートナーズに入社。相続担当の部署で6年間勤務し、2017年1月に円満相続税理士法人を開業。現在では東京のほか、大阪、名古屋、大宮にも拠点を構える。著書に『ぶっちゃけ相続増補改訂版』(ダイヤモンド社)など。相続関連の複雑な制度などを平易に解説するYouTubeのチャンネル『円満相続ちゃんねる』の登録者数は15万人を超える。

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