38年ぶりの阪神日本一に思う(小宮一慶先生 経営コラムVol.72)

株式会社小宮コンサルタンツ 代表取締役CEO
小宮 一慶 先生

2023/11/24
本コラムでは『小宮一慶の「日経新聞」深読み講座』等の著書を持ち、日経セミナーにも登壇する小宮一慶先生が経営コンサルタントとしての心得やノウハウを惜しみなくお伝えします。

今年は阪神タイガースが38年ぶりに日本一に輝きました。

私は個人的には住んでいた地域の関係で小学生の頃から近鉄バッファローズのファンで、近鉄がなくなってからしばらくはどこのファンでもありませんでしたが、高齢者になり昔が懐かしいのか、最近ではオリックスファンを自認しています。オリックスは、以前はそれほど強いチームではありませんでしたが、最近では3年連続でリーグ優勝など、かなりの好成績を残しています。

そのオリックスに阪神が日本シリーズ最終戦で見事に勝ち、日本一となったのです。
38年前に阪神が日本一になった時には、掛布、バース、岡田の3主砲がいてチームをけん引しましたが、その中の一人の岡田監督がチームを優勝に導いたのにも感慨があります。今回は、その1985年について少し述べてみたいと思います。

阪神が前回優勝した1985年も多くのことがあった年でした。私は、留学のために米国の北東部に住んでいたのですが、日本では驚くべきことが起こりました。8月に日航ジャンボ機が墜落したのです。お盆前で羽田から伊丹に向かうジャンボ機が墜落したのです。米国でも毎日のようにテレビで大きく放映されました。米国にいても心がとても痛んだことを覚えています。

経済的には9月にプラザ合意があった年です。主要5か国の蔵相・中央銀行総裁がニューヨークのプラザホテルに集まって会議を開いたのです。会議のテーマは、円安がメインでした。それにより米国の貿易赤字が急拡大していたのです。プラザ合意直前には240円くらいだったドル・円レートが、合意後は数年で100円ほど円高に振れたのです。

その後、日本では円高対策もあり、金利を下げ資金供給量を増やしたため、その後のバブルにつながったのですが、日本経済の大きな転換点になった年でもありました。
それから38年、日本経済は伸び悩んでおり、今年はドイツに名目GDPで抜かれるまでになりました。

一時は80円を切る水準まで円高が進んだのですが、現在の150円前後という為替レートは、1985年のプラザ合意後と変わらないというのは歴史の偶然でしょうか。

阪神もオリックスも若い選手が比較的多いので、今後がとても楽しみです。来年以降も、プロ野球ファンの方は、ごひいきの球団からは目が離せないでしょう。

ここで述べたように、前回阪神が日本一になった時には、その直後にバブル経済が始まり、そして、その後、経済が長期間にわたり低迷しました。今後の日本経済にも注目です。

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