進化を続ける経営教育ツールの決定版 バランス経営の概念を取り入れ100年企業が100年続く理由を学べる 新型「戦略MGマネジメントゲーム」

戦略MGグループ 代表 小林 静史

ゲームで経営の疑似体験をしながら、経営戦略思考や実務に役立つ会計思考を学ぶことができる経営教育ツール「戦略MGマネジメントゲーム」(登録商標。以下「戦略MG」)は、開発から48年を迎えた現在、第3次ブームを迎えている。ブームの鍵となっているのは、幅広い世代の心をつかむ面白さと、eラーニングを凌駕する教育体験の深さにある。今回の取材では、「戦略MG」のツール及びサービスを提供している、戦略MGグループ代表の小林静史氏にお話を伺った。

500万人以上が体験した人生ゲームの経営版

戦略MGの普及に向けて、提供されているサービスについて教えていただけますか。

大きく分けて7つあり、第1は、「戦略MG」のメーカーとして、ゲーム盤の販売及びレンタル、研修で使用する各種シート類及びチャート類の販売です。
第2は、戦略MGインストラクター養成セミナーの開催です。これは毎月1回2日間で開催しています。
第3は、戦略MG講師派遣プログラムで、各企業様の社員研修開催をお引き受けしています。こちらは1日研修または2日間研修として、ご要望に合わせて行っています。尚、弊社では研修終了後に「戦略MG研修報告書」を作成し、各企業様へ提供しています。
第4は、業種別戦略MGの開発で、飲食業、理美容院、歯科医院、トラック業、カーディーラー業、農業経営等50業種の企業様と共同で行っています。

第5は、「戦略MG」に関して、大学の先生、公認会計士・税理士・中小企業診断士等の士業の先生、企業経営者、経営コンサルタント、戦略MGインストラクター認定者の方々が参加する「日本戦略MG教育学会」があるのですが、その運営等のサポートを行っています。
第6は、「戦略MG100年企業の会」運営等のサポートを行っています。この「戦略MG100年企業の会」会員の先生方には、「モーカルくん」ソフトを導入していただき、戦略会計STRACを基に、顧問先の目標(計画)達成状況のデータ収集・分析を行い、問題の早期発見と改善及び目標(計画)の修正など、顧問先との伴走支援を行っていただいています。
第7は、個々の適性を見極める適性能力総合診断テスト「進路くん」を提供しています。この適性診断で「リーダー適性、対人的適性、創造的適性など」を点数で可視化することができます。
弊社では戦略MG研修プログラムの中で、適性診断の実施を推奨しています。研修の中で適性診断を実施された企業様からは次のような声が届いています。
「適性診断での個々の強みの可視化と戦略MG研修での学びの相乗効果により、現場の業務改善成果が迅速に上がっている」「社員が『自分の特性』と『会社の数字』の相関を理解し、自律的に行動する組織へと変化している」


「戦略MG」について、具体的なプレイ方法を教えてください。

「戦略MG」は、経営者が行う様々な意思決定をゲーム形式で体験できる研修用ツールです。4~6名が1グループとなってゲーム盤を囲み、各プレイヤーが社長としてそれぞれ自分の会社を経営します。ゲームを通して様々な経営判断を行うことで、他のプレイヤーと会社の発展(自己資本の高さ)を競います。ゲームのなかでは1期が終わるごとに決算を行い、決算書を作成します。そして3期目以降は経営計画を作成し、ゲーム終了後の結果が計画に対してどうだったかの評価・振り返りを行います。これを研修コースに応じて、3期~5期行います。こうした体験を通して、会計や財務分析、経営計画の基礎、損益分岐点経営やキャッシュフロー経営の実践など、実際の会社経営に応用できる高度な知識を身につけることができます。



会計には財務会計と管理会計がある
戦略MG研修で何が学べる?

「戦略MG」はどのような目的で開発されたものなのでしょうか。
特徴も含めあらためて教えてください。

会計には法律で作成義務のある「財務会計」と会社経営に役立てる「管理会計」があります。
「財務会計」は税務署・株主・銀行等のための財務諸表を作成しますので、会社経営には役立ちません。そこで会社経営に役立つ会計として「管理会計」が誕生しました。「戦略MG」の決算は「管理会計」で決算書を作成します。
しかし、「管理会計」を座学で学ぶのは難しく理解するのに時間を要します。そこで、経営の疑似体験をゲームで行い、会計の知識が無くても自分で決算ができる仕組みを目的に開発されたのが「戦略MG」です。

戦略MG教材の特徴は次の3つです。
① 全ての意思決定を一人でする=一人経営
② ゲーム盤・チップ・帳票等を使う=研修用ツールを使う
③ 結果を自分で出す=決算をする


戦略MG研修で得られる知識と研修効果について教えてください。

戦略MG研修で得られるのは次の4つの知識です。
①会計の仕組と管理会計の基礎知識
②利益構造の理解
③戦略思考と計数能力
④経営全体を俯瞰する視点

また、研修効果としては次の4つが挙げられます。
①経営者感覚が身につく
②実務に活かせる戦略力
③コスト意識・投資判断力の向上
④経営幹部候補の育成に有効


利益管理で重要な損益分岐点の公式
管理会計から戦略会計への進化

管理会計で使われる損益分岐点の公式について教えてください。

利益管理で重要な公式の一つに損益分岐点があります。
それは「損益分岐点 = 固定費 ÷ {1-(変動費÷売上高)}」です。
費用を変動費と固定費に分けるのは、原価計算の一つで直接原価計算と言います。ちなみに財務会計で行う原価計算は全部原価計算と言います。
変動費は、外部から仕入した金額(商品仕入高・材料費・外注費)とし、それ以外の費用は固定費とします。
直接原価計算により作成される損益計算書を変動損益計算書とよび、これを「戦略MG」では戦略会計STRAC(ストラック)に進化させて表現しています。


変動損益計算書と戦略会計STRACの違いについて教えてください。

変動損益計算書とは次の2つの点で違いがあります。
①変動損益計算書のエッセンス(売上高・変動費等)を記号化しました。 
②変動損益計算書を図解化で表現しました。

1.大文字=金額または数量を表す
P = Price 売価・客単価
V = Variable cost 変動単価
M = Margin 粗利単価
Q = Quantity 売上数量・顧客数
F = Fixed cost 固定費
G = Gain 経常利益

2.小文字=比率(売価または売上高に対する比)
v = variable cost ratio 変動費率
m = marginal ratio 粗利率
f = fixed cost ratio 固定費率
g = gain ratio 経常利益率




戦略会計STRACを記号化・図解化したことによるメリット・効果を教えてください。

戦略会計STRACのメリット・効果は次の通りです。

1.記号化により経営戦略の幅が大きくなる
・売上高(PQ)を上げるには、売価(P)を上げるのか、売上数(Q)を上げるのか。
・経常利益(G)を上げるには、売上高(PQ)を上げるのか、固定費(F)を下げるのか。
・粗利高(mPQ)を上げるには、vP(変動単価)を下げるのか、売上数(Q)を上げるのか。

2.記号化により利益感度分析・損益分岐点分析の経営シミュレーションが可能となる
利益感度分析で、各構成要素の売価(P)、売上数(Q)、変動費率(v)、固定費(F)がそれぞれX%上下したら、経常利益(G)がどのように変化するかシミュレーションができます。

3.図解化により損益分岐点比率が簡単に計算できる
損益分岐点は粗利高(mPQ)に対する固定費(F)の割合ですから、下記の3つのタイプに分かれます。



バランス経営とは、収益性、安全性、生産性、成長性の
バランスを取りつつ戦略を実行する経営のこと

強い会社づくりに不可欠である「バランス会計MFLAC」の開発経緯について教えてください。

「バランス会計MFLAC」は、日本戦略MG教育学会の前会長で、日本大学商学部教授の川野克典先生が開発されたものです。川野先生は長年にわたり、「強い会社とはどのような会社か」をテーマに研究を続け、それは「寿命の長い会社」であるという結論に至りました。
日本には、100年以上の歴史をもつ企業が約3万3千社あると言われています。日本戦略MG教育学会は、こうした長寿企業のデータに基づいて強い会社を定義し、貸借対照表とキャッシュフロー計算書をもとに、収益性、安全性、生産性、成長性などから経営を分析しました。そうして生まれたのが、経営のバランスを見極める手法である「バランス会計MFLAC」です。



バランス会計MFLAC5つの視点

バランス会計MFLACの概要について教えてください。

経営管理における5つの視点とは、限界利益(Marginal profit)、固定費(Fixed cost)、負債(Liability)、資産(Asset)、資金(Cash)です。「MFLAC」は、これらの頭文字を並べたものですが、その他にもうひとつ意味があります。「Money-Focused Lucrative ACcounting(資金に着目したもうかる会計)」です。

「バランス会計MFLAC」では先ほど申し上げた5つの視点に対応して、限界利益率、損益分岐点比率、有利子負債対キャッシュフロー比率、運転資金比率の5つの業績評価指標を用います。
高度成長時代に生まれた「戦略MG」は、利益重視が目的とされてきました。しかし時代は変わり、利益はもちろん大事ですが、企業を倒産させず継続していくためには、資金も極めて重要です。これからの会計教育では「貸借対照表」、資金重視の考え方を「戦略MG」に取り入れることも必要だと思います。



【戦略会計STRACⅡ理論】の
一考察

企業の収益性と資本効率の関係を、
ROICとWACCを使い「企業価値の創造・破壊」の可視化を実現

株式会社戦略MG研究所 取締役研修部長 
浜田 精造

【1】ROIC(投下資本利益率)と WACC(加重平均資本コスト)の基礎知識

貸借対照表(B/S)の右側(貸方)には、企業資金の調達を表す、負債と自己資本(純資産)があります。その負債には、社債や借入金のようにコスト(金利)がかかる負債と、買掛金や未払金のようにコスト(金利)のかからない負債があります。このコスト(金利)のかかる負債を「有利子負債」と言います。
また、自己資本(純資産)にも株主への配当金などのコストがかかります。負債コストと資本コストは、どちらも企業が「お金を調達するために支払う手数料」のようなものです。しかしその性質は大きく異なり、負債コストは「契約で決まった利息」、資本コストは「株主が期待しているリターン」です。
この有利子負債(Debt)と自己資本(Equity)の合計を投下資本(Invested Capital)と言います。

※(注) 投下資本の捉え方には2つの方法があります。
調達サイドから見る(資金源泉)方法
運用サイドから見る(資産構成)方法
ここでは①の資金源泉の捉え方を採用しています。


【2】ROIC(投下資本利益率):Return On Invested Capital

事業に投資した資本(有利子負債+自己資本)に対して、どれだけ効率的に利益(営業利益)を上げたかを示す指標です。

公式は投下資本(有利子負債+自己資本)分の税引後営業利益(NOPAT)×100、意味は資金の調達源泉(借入か自己資本か)に左右されず、事業そのものの「稼ぐ力」を評価。

【3】WACC(加重平均資本コスト):Weighted Average Cost of Capital

企業が資金を調達するのにかかる「コスト」の平均値で、銀行の利息(負債コスト)と株主が期待する配当・値上がり益(株主資本コスト)を、それぞれの構成比で加重平均した指標です。

公式は{負債コスト×(1-実効税率)} ×投下資本分の有利子負債+資本コスト×投下資本分の自己資本、意味は企業にとっての「最低限クリアすべきハードル
(利回り)」を示します。

【4】ROICとWACCの関連性:エクセス·リターン(超過収益)=ROIC-WACC

ROICとWACCは、セットで考えることで「企業価値を創造しているか」を判断する材料となります。

◎ROIC>WACCの状態
事業で稼いだ利回りが資金調達コストを上回っており「価値を創造している」状態です。投資をすればするほど企業の価値が高まります。

◎ROIC<WACCの状態
事業で利益を上げていても、調達コストの方が高くついている状態です。この状態は「価値を破壊している」と見なされます。

【5】経営における活用法

企業価値を高める「ROICWACC」を経営目標に掲げる。
1.ROICを高める:無駄な資産を減らす(棚卸資産の削減など)、または営業利益率を上げる。
2.WACCを最適化する:負債と自己資本のバランスを整え、調達コストを抑える。
「コストに見合った利益を出せているか」で経営効率を測る。

投下資本利益率と加重平均資本コスト
計算式


企業価値評価表 戦略会計STRACⅡ 業務卸酒類販売会社 企業価値評価基準
プロフィール
戦略MGグループ 代表 小林 静史
明治大学商学部産業経営学科を卒業後、現在戦略MGグループ代表。日本戦略MG教育学会専務理事、戦略MG100年企業の会専務理事。(日本戦略MG教育学会は、戦略MGを活用した経営学や会計学の教育に関する、学術研究及び水準向上ならびに会員相互交流を行う。戦略MG100年企業の会は、戦略MG新研修及び新MASツールの共同開発と普及を行う。)

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