NFTと税務

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AIwant株式会社 代表・早稲田大学 招聘研究員
松村 雄太

(2024/4/22)

仮想通貨(暗号資産)とともに税務上の取り扱いに疑問が生じやすいNFT。この記事では、NFTとはどういうものか、NFTの税務上の取り扱いはどのように考えられているか解説します。

目次

NFTとは?

NFTの基礎知識

NFT(Non-Fungible Token、ノンファンジブルトークン、非代替性トークン)は、ブロックチェーン技術を活用したデジタル資産の一種です。それぞれに固有の識別情報を持ち、他のデジタル資産で代替できないという特性を持っています。

従来の通貨やビットコインのような「代替可能な」デジタルアセット(仮想通貨、暗号資産)とは異なり、NFTは一つ一つが独特なものとなっています。例えば、デジタルアート、音楽、ゲーム内アイテムなど、様々な形態のデジタルコンテンツと紐づけられて活用されています。

クリエイターエコノミーの追い風に

NFTの最大の特徴は、所有権とその履歴がブロックチェーン上に記録されることです。そのため、紐づいているデジタルコンテンツ自体がコピーされても、どのデジタルコンテンツが本物であるか証明することができます。

これにより、デジタル世界における希少性と所有権の概念が強化されます。クリエイターは自分の作品の真正性と希少性を保証し、ファンと直接取引する新たな方法を手に入れたのです。

NFTの課題と展望

しかし、NFT市場はまだ新しく、価格の変動が激しいこと、慣れていない人にとっては取り扱いが難しいことなど、課題も存在します。それでも、デジタルコンテンツの新時代を切り開く可能性を秘めており、今後さらなる進化と普及が期待されています。

NFTに関する税務上の取り扱い

NFT売却で得た利益は課税対象

日本では、NFTの売却で得た利益は所得税の課税対象となります。具体的には、以下のように分類されます。

  • 雑所得: 頻繁に取引する場合など
  • 譲渡所得: 長期間保有してから売却する場合など
  • 事業所得: NFTの売買を事業として行う場合など

所得区分によって課税の方法が異なる

それぞれの所得区分によって、課税の方法が異なります。

  • 雑所得: 総合課税で、他の所得と合算して課税されます。
  • 譲渡所得: 短期譲渡所得と長期譲渡所得に分けられます。短期譲渡所得の場合は雑所得と同じく総合課税です。
  • 事業所得: 事業所得は、事業の収益から必要経費を差し引いた金額が課税対象となります。

消費税も課税される場合がある

NFTの販売で消費税が課税される場合もあります。例えば、事業者がNFTを販売する場合は、消費税が課税されます。

まとめ

今回は、NFTの基礎知識と初歩的な税務上の取り扱いについて簡単にまとめました。NFTへの理解が少しでも深まりましたら幸いです。

松村 雄太

AIwant株式会社 代表。早稲田大学 招聘研究員。 新卒で外資系IT企業に入社後、インドに1 年間駐在。その後、外資系コンサルティングファームを 経て、メディア系ベンチャー企業にて日本の大手企業向けに、 国内外のスタートアップやテクノロジートレンドのリサーチ・レポート作成を担当。 近年はNFTをはじめとするWeb3分野、ChatGPTをはじめとする生成AI分野に注目している。

Web3、メタバース、生成AIの教育事業のほか、書籍の執筆や監修、講演、寄稿などの活動にも 力を入れている。 著書に『NFTがよくわかる本』、『メタバースがよくわかる本』(秀和システム)、 『一歩目からのブロックチェーンとWeb3サービス入門』(マイナビ出版)、 『ビジネス・暮らしに活かせるChatGPT・生成AI活用アイデア大全』(イースト・プレス)など、 監修書に『知識ゼロから2時間でわかる&使える! ChatGPT見るだけノート』(宝島社)など多数。

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