【初心者向け】経理になったらまず何をする?失敗しない学習の順番とおすすめ勉強法
経理未経験者や新任担当者が業務をスムーズに進めるために、真っ先に身につけるべき知識とは何でしょうか?
結論から言うと、簿記3級レベルの会計の基礎、Excelの基本操作、自社のビジネス理解、この3点です。基礎ルールとツール、そして自社のお金の流れを押さえることで、実務への適応スピードが大幅にアップします。
本記事では、初心者が最短でスキルを身につけるための学習ロードマップと、実際の業務で気をつけるべきポイントを凝縮してご紹介します。効率よく知識を吸収し、頼られる経理担当者を目指しましょう。
経理の仕事を始める人がまず勉強すべき3つのこと

これから経理の仕事を始める人が、まず身につけたい重要項目は以下の3点です。それぞれの項目について詳しく説明します。
- 会計の基礎知識を身につける
- Excelの基本的な操作や関数、ショートカットキーを覚える
- 自社のビジネスとお金の流れを熟知する
会計の基礎知識を身につける
経理業務のベースとなるのが日商簿記3級レベルの会計の基礎知識です。経理の仕事を始めるにあたって、日々の取引を記録する仕訳、お金の出入りを表す損益計算書、現在の資産状況を示す貸借対照表の仕組みを理解することが最優先となります。
基礎知識がないと「借方・貸方」などの専門用語や勘定科目が理解できず、先輩からの指示や会計ソフトの画面の意味すら把握できません。なぜその勘定科目で処理をするのか、と言う根本的な理解が求められます。
Excelの基本的な操作や関数、ショートカットキーを覚える
経理実務の現場において、Excelは使用することが多いツールのひとつです。まずは基本的な計算処理やデータ集計を効率化するために、基本操作と関数の活用法をマスターしましょう。
特に、合計を出すSUM、条件に合うデータを抽出・検索するVLOOKUP、条件によって処理を変えるIFなどの関数は実務で必須です。
また、コピー・ペーストや集計作業を素早く行うショートカットキーを覚えておくことで、手入力を減らし、打ち間違いや桁数の入力ミスといった致命的なエラーを大幅に削減できます。正確性とスピードを両立させるための不可欠なスキルです。
自社のビジネスとお金の流れを熟知する
経理の仕事は、帳簿へ数字を入力するだけの単純作業ではありません。自社が「誰に・何を・どのように販売し、どう代金が入金されるのか」というビジネスモデルとお金の流れを正しく把握することが不可欠です。
自社の事業構造を理解していれば、「この取引はなぜこの勘定科目になるのか」「売掛金の回収が遅れていないか」といった数字の背景が見えるようになります。
また、現場から提出された請求書や領収書に記載漏れや不自然な点がないかをいち早く察知できるため、入力ミスや不正の防止にも繋がります。数字と実際の業務を結びつけて捉える姿勢こそが、単なる作業者にとどまらない信頼される経理への第一歩です。
経理初心者はまず日商簿記3級の勉強から
経理の業務に携わるには、基本的な会計の知識は必須です。日商簿記3級で得る知識は、日々の会計業務を根底から支えてくれます。
ここでは、日商簿記3級を勉強するメリットを3つのポイントにて詳しく説明します。
- メリット1:経理共通の「共通言語」が身につく
- メリット2:実務で使う会計ソフトの操作がスムーズになる
- メリット3:未経験からのキャリア形成・転職で評価されやすい
メリット1:経理共通の「共通言語」が身につく
経理の現場では、「借方・貸方」「売掛金」「減価償却」といった簿記独特の専門用語が日常会話のように飛び交います。最低でも日商簿記3級レベルの知識は必要です。言葉の意味や基本的なルールを知らなければ、上司や先輩からの指示を正確に理解できず、質問することすら難しくなってしまいます。
簿記3級レベルの基礎知識を身につけておけば、社内でのコミュニケーションがスムーズになり、迷わずに作業を進められるようになります。未経験者が経理チームの一員として活躍するために欠かせない、最も土台となる知識です。
メリット2:実務で使う会計ソフトの操作がスムーズになる
現在の経理実務では会計ソフトの活用が一般的です。ソフトは自動で答えを出してくれる魔法の道具ではありません。入力作業やエラーチェックを行うのは人間です。
簿記3級の知識があれば、「どの勘定科目を選ぶべきか」「借方と貸方のどちらにいくら入力するか」といったソフトの画面に出てくる項目の意味が直感的に理解できるようになります。また、入力ミスやデータの不整合が発生した際も、原因に目星をつけて自力で修正できます。
ソフトを使って、正確かつスピーディーに実務をこなすには簿記3級レベルの知識が必要です。
メリット3:未経験からのキャリア形成・転職で評価されやすい
経理の仕事は専門性が高いため、採用や人事評価において客観的なスキル証明が重視されます。日商簿記3級は、未経験者であっても「経理に必要な基礎知識と意欲を備えていること」を証明できる信頼性の高い資格です。
履歴書に記載できることで、未経験からの転職活動時に強いアピール材料となり、ポテンシャルや熱意を説得力をもって伝えられます。また、配属や異動の場面でも「数字を扱う基本素養がある」と評価されやすく、実務を通じたキャリアアップの足がかりになります。
自らの市場価値を高めつつ、経理としての第一歩を確実に踏み出すためには、保有しておきたい資格の一つです。
経理の勉強を継続するためのポイントと注意点
経理の勉強では日頃聞きなれない専門的な用語を覚える必要があります。とっつきにくく、勉強をやめてしまう人が多いのも事実です。
ここでは、できる限り挫折しないためのポイントや注意点を3点紹介します。
- 「なぜその勘定科目なのか」の理由を考える
- 法改正のトレンドにアンテナを張る
- 勉強で完璧を目指さない
「なぜその勘定科目なのか」の理由を考える
勘定科目の丸暗記は挫折のもとです。「なぜその勘定科目で処理するのか」という取引の背景や理由の意識が、学習を長続きさせる大切なポイントです。
たとえば「会議用のカフェ代は会議費」「手土産代は交際費」というように、支出の目的や性質を理解して分類する癖をつけると、単なる作業ではなく会計の仕組みとして理解が深まります。
理由まで理解していれば、類似の新しい取引に出会っても処理に戸惑うことはありません。丸暗記の丸付け作業から脱却し、数字の裏にある意味を紐解く楽しさを感じることが、継続的なスキルアップにつながります。
法改正のトレンドにアンテナを張る
経理の仕事は、税制や法律の改正によって処理ルールが大きく変わる分野です。近年のインボイス制度や電子帳簿保存法のように、実務に直結します。日頃から最新のトレンドにアンテナを張る意識が欠かせません。
ニュースや国税庁のウェブサイト、業界の専門情報に定期的に目を通し、変化に対応する柔軟性を持つことが大切です。
法律が変われば、これまでの処理手順や必要な書類の保存方法も変更になります。過去の慣習だけに頼って処理していると、知らず知らずのうちに法令違反や税務上のミスを引き起こすリスクがあります。
勉強で完璧を目指さない
経理の勉強を始めると、細かい例外処理や専門的な用語に惑わされ、完璧を求めて挫折してしまう人が少なくありません。学習を継続するには、最初から100点を目指さない心構えが重要です。
まずは全体像や基本の流れを7割程度理解できたら、どんどん先へ進みましょう。経理の知識は、実務で実際の伝票やデータに触れて初めて「こういうことか!」と腑に落ちる場面が多くあります。
実際の業務や問題を解く中で徐々に理解を深めていけば問題ありません。走りながら足りない知識を補うスタンスで臨むことが、途中で折れずに学び続けるコツです。
経理の実務で気をつけるべきポイント

いざ経理の実務をスタートする際に、気をつけるべき大切なポイントを3点紹介します。
- 入力・処理における正確性とスピード
- 書類・証憑(しょうひょう)管理の注意点
- コミュニケーションとスケジュール管理
入力・処理における正確性とスピード
経理の実務において、入力や処理の正確性とスピードは重要です。日々の実務の中で意識して正確性とスピードを磨き上げなければいけません。
経理ではたった1円のズレが、処理ミスや確認漏れが存在することを意味します。違和感を覚えたらその場で原因を調べる癖をつけ、数値の入力ミスや0の桁数間違いを防ぐことが重要です。
スピードを高めつつミスを減らすには、Excelの関数(VLOOKUPやSUMなど)やショートカットキーを活用し、手入力をできる限り減らす仕組みを作りましょう。また、ダブルチェックを徹底し、作業の自動化とルール化を進めることが、正確で素早い処理を実現する鍵となります。
書類・証憑(しょうひょう)管理の注意点
経理の実務において、領収書や請求書などの証憑(しょうひょう)管理は、会社の信頼や税務に直結する非常に重要な業務です。
帳簿に記載したデータは、正しい証憑があって初めて公式な取引として認められます。受け取った書類に「発行元・日付・宛名・取引内容・金額」が正しく記載されているかを必ず確認し、不備があれば速やかに再発行を依頼しましょう。
電子帳簿保存法やインボイス制度への対応も必須です。適格請求書の登録番号の有無をチェックし、電子取引のデータは決められた要件を満たす形で適切に保存する必要があります。税務調査で指摘を受けないよう、ルールに基づいた厳格な保存・管理を徹底しましょう。
コミュニケーションとスケジュール管理
コミュニケーションとスケジュールの管理はスムーズな業務遂行のカギです。
経理の仕事は、他部署から提出される経費精算書や請求書がないと進みません。しかし、書類の提出遅れや記載ミスは日常茶飯事です。締め切り直前になって慌てないよう、余裕を持って事前リマインドを行いましょう。修正依頼を出す際は、どこをどう直せばよいかを具体的に伝える心配りが欠かせません。
また、判断に迷う取引があれば独断で処理せず、過去の処理履歴を確認した上で上司や先輩へ早めに報連相を行いましょう。周囲と良好な関係を築き、期日を守る姿勢がミスを防ぐ第一歩です。
まとめ:まずは入門書や動画で経理の勉強を始めてみましょう
未経験から経理の世界に入るとなると、不安に襲われるのは当然です。しかし、今回ご紹介した簿記3級レベルの基礎と、実務での注意点をしっかり頭に入れておけば、必要以上に怖がる必要はありません。
勉強し始めの頃は専門用語や複雑な数字に圧倒されるかもしれませんが、まずは7割程度の理解を目指しましょう。基礎知識という土台を作り、実務と結びつけながら少しずつ理解を深めていけば大丈夫です。
最初は1冊の入門書を手に取るか、無料の解説動画を見ることから始めてみてはいかがでしょうか。正しい順番で学びを進めて、自信を持って業務に取り組める「頼られる経理」を目指しましょう。
オンライン研修・eラーニング
e-JINZAIで
社員スキルUP!
- e-JINZAI for account(会計事務所向け)
- e-JINZAI for business(一般企業・団体向け)
- 今ならe-JINZAIを2週間無料でお試しいただけます!
税理士.ch 編集部
税理士チャンネルでは、業界のプロフェッショナルによる連載から
最新の税制まで、税理士・会計士のためのお役立ち情報を多数掲載しています。
運営会社:株式会社ビズアップ総研
公式HP:https://www.bmc-net.jp/

