感情コントロールで生産性アップ!会計事務所のためのアンガーマネジメント

アンガーマネジメント税理士.ch

職場の環境をより良くするには、感情のコントロールが欠かせません。特に、正確さが求められ、プレッシャーの大きい会計事務所では、ストレス管理が業務効率や人間関係に影響します。

怒りと向き合い、適切にコントロールするアンガーマネジメントは、職場の雰囲気を良くし、業務の質を高める鍵。本記事では、メンタルヘルスやハラスメント対策の専門家である涌井美和子先生に、会計事務所での研修の必要性についてお話を伺いました。

涌井 美和子

合同会社オフィスプリズム(http://office-prism.com)・オフィスプリズムシンガポール代表。臨床心理士・社会保険労務士・1級キャリアコンサルティング技能士・公認心理師。メンタルヘルス・ハラスメント対応、異文化コンサルティングなどを専門とする。ハラスメント国際学会日本人会員第1号。著書、講演多数。国際学会発表多数。

なぜ、職場においてアンガーマネジメントが必要なのでしょうか?

アンガーマネジメントは、職場でのトラブル防止やチームワーク向上に欠かせません。
適切に感情をコントロールできると、暴言や衝突が減り、心理的安全性の高い組織づくりに貢献します。コミュニケーションが円滑になり、業務効率や生産性向上につながるのです。また、ハラスメント防止の観点からも重視されます。イライラや怒りが放置されると、言動が攻撃的になりやすく、職場のトラブルにつながるためです。

アンガーマネジメントが必要とされる、会計事務所特有の課題はありますか?

まず、正確性が求められる業務なため、プレッシャーが大きいことが挙げられます。ミスが許されない環境ではストレスが高まりやすいうえ、感情を適切にコントロールし、冷静さを保つ必要があります。また、顧客対応などで強いストレスを抱えたまま過ごすと、心身の不調につながるリスクが高まります。これらの理由から、会計事務所ではアンガーマネジメントが特に重要だと言えます。

アンガーマネジメント研修では、どのような内容を扱うのですか?

まずはアンガーマネジメントの必要性をお伝えし、続いて、怒りの生まれる背景やリスクについて解説します。
特にポイントになるのは、怒りの裏にある考え方の癖です。たとえば「こうすべき」「絶対にこうでなければならない」といった思い込みが、イライラを強めることがあります。研修では、こうした癖に気づくためのワークも行います。怒り自体は自然な感情なので、無理に抑え込むのではなく、適切にコントロールする方法を学ぶことが大切です。また、研修後も実践を続けられるよう、日常で活用できる工夫も紹介します。たとえば、イライラを感じた場面をメモして振り返るなど、習慣化のコツもお伝えしています。

感情のコントロールができないことで、業務上どのようなリスクがありますか?

怒りによって集中力や注意力が低下し、ミスが起きたり、仕事の質が落ちたりする恐れが出てきます。特に、危険を伴う作業では、注意の欠如が重大な事故につながりかねないため、いっそうの用心が必要です。また、周囲との関係にも影響を及ぼします。たとえば、怒りに任せた言動がパワーハラスメントにつながったり、顧客対応時の表情や態度に出てしまい、クレームを招いたりすることも考えられます。

会計事務所のような繁忙期のある業界では、ストレスが高まりやすい傾向があります。そのような環境におけるアンガーマネジメントの活用法について教えてください。

繁忙期のある仕事は、どうしてもストレスがたまりやすくなります。特に、睡眠不足や疲れがたまると、怒りやイライラが出やすくなってしまいますよね。そうした状態が続くと、さらなる疲れやミスにつながりかねません。本来はしっかり食べて眠るなど生活リズムを整えるのが理想ですが、忙しいとそれが難しいことがあると思います。
そんなときは、呼吸法やリラクゼーションほか、すぐ実践できるアンガーマネジメントが役立ちます。これらをうまく活用することで、繁忙期のストレスやミスを少しでも減らせるのではないでしょうか。

会計業界は「数字の正確性」が求められ、ミスに対するプレッシャーが強い環境です。このような環境において、アンガーマネジメントはどのように役立ちますか?

ミスの許されない環境では、管理職が部下に対して厳しい言葉をかけてしまうことも少なくありません。そうしたやり取りが重なると、職場の雰囲気がピリピリとし、ストレスも高まりやすくなります。こうした場面では、アンガーマネジメントによって自分のイライラに気づき、感情を上手に整えることで、冷静に対応できるようになるでしょう。怒りをゼロにするのは難しくても、ぶつけずにコントロールする力を身につけることが大切です。

感情のコントロールができていない組織には、どのようなリスクがありますか?

アンガーマネジメントができていない組織では、コミュニケーションのトラブルが増え、人間関係の悪化が離職の要因となるでしょう。心理的安全性が低くなることで人間関係がギクシャクし、ハラスメント問題も発生しやすくなると思われます。
海外の研究でも、心理的安全性の低さがハラスメントの発生やメンタルヘルスの悪化につながることが指摘されています。アンガーマネジメントによってコミュニケーションのトラブルを防ぎ、人間関係を良好に保つことが重要です。

「怒りの問題はない」と考えている組織でも、研修を受ける必要はあるのでしょうか?

アンガーマネジメント研修はどんな組織にも必要と考えます。
たとえ「怒りの問題はない」と感じていても、職場には見えないリスクが潜んでいることが少なくありません。仕事中にイライラした経験が一度もない人はほぼいないと思います。特に会計事務所をはじめとした顧客と関わる仕事では、怒りを感じる場面もあるでしょう。さらに、家庭などプライベートのストレスが職場に影響し、集中力やパフォーマンスの低下につながることもあります。

アンガーマネジメント研修は、こうした問題を未然に防ぐために役立ちます。問題が表面化してからではなく、あらかじめ対策を講じることが、健全な職場環境を維持する鍵となるのです。

登録後送られる認証用メールをクリックすると、登録完了となります。

売上アップの秘訣や事務所経営に役立つ情報が満載
税理士.chの最新記事をメールでお知らせ