キャリアアップ助成金の正社員化コースについて<President’s Report vol.14>

株式会社ビズアップ総研 代表取締役
吉岡 高広

いつも弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
今回は、労働者の意欲向上や優秀な人材の確保などにつながるとされるキャリアアップ助成金の正社員化コースについてお話したいと思います。

キャリアアップ助成金は、非正規労働者の企業内でのキャリアアップ促進を目的とした厚生労働省の助成金制度です。全部で5コースあり、そのうち正社員化コースは、就業規則や労働協約などに規定した制度に基づき、有期雇用労働者を正社員化した企業に対して助成する制度です。

正社員化コースでは、助成を最大2回受けられる機会があります。具体的には、非正規労働者として雇用した人を正社員として6カ月雇用した後に1回、さらに正社員として6カ月雇用した後にもう1回、受けられます。

1人当たりの助成額は正社員化前の雇用形態が有期雇用の場合に最大80万円、無期雇用の場合に最大40万円です。

ただし、助成額は所定の条件を満たすと増額することが可能です。
例えば、派遣労働者を派遣先で正社員として直接雇用する場合は雇用契約に問わず、28万5,000円が加算されます。全部で5つの加算条件があるので、厚労省のホームページや所定のリーフレットで確認しましょう。

対象労働者は、有期雇用労働者・無期雇用労働者や、正社員として雇用することを約束して雇用された有期雇用労働者ではないことなど、9つの条件にすべて当てはまる方です。
一方、対象事業主は、正社員後6カ月間の賃金を、正社員前6カ月間の賃金より3%以上増額させていることをはじめ、14の条件にすべて当てはまる事業主です。

いずれも詳細は厚労省のホームページや所定のリーフレットに掲載されているので、確認しましょう。支給申請期間は、1回目の助成にあたる第1期が正社員化した対象労働者に対し、正社員としての賃金を6カ月分支給した日の翌日から起算して2カ月以内です。
一方、第2期は正社員化した対象労働者に対し、正社員としての賃金を12カ月分支給した日の翌日から起算して2カ月以内となっています。

一見すると正社員化コースは手続きが簡素なように見えますが、実際は提出書類が膨大です。その上、正社員へ転換した場合でも合理的な理由なく処遇を低下させた場合、支給対象から外れる場合もあります。
このように正社員化コースの申請にあたってはいくつかの留意点がありますので、申請書類の提出前に管轄の労働局や顧問社労士によく相談するとよいでしょう。

当社のe-JINZAIの動画コンテンツでも、キャリアアップ助成金の正社員化コースに関する
情報をご用意していますので、ぜひご活用いただければと思います。

今後も変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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