子供のいる家庭は皆対象?子育て支援に関する政策税制の内容とは

ビズアップ総研 編集部

(2024/4/1)

2024年度は子育て支援として、主に、住宅に関する税制改正が見られました。
住宅購入やリフォームにおいて、子供のいる世帯なら控除が受けられるなど優遇してもらえます。
ですが、それぞれに条件があり、必ずしもすべての子育て世帯が恩恵を受けられるとは限りません。
そこで今回は、そんな子育て支援に関する政策税制の内容についてご紹介します。

2024年度の子育て支援に関する政策税制は主に2つ

子育て支援に関する政策税制として、2024年度に決定したのは以下の2つです。

・住宅ローン控除
・住宅リフォーム税制

子育て支援に関しては、ほかにも生命保険料控除等がありますが、それらは2025年度以降に検討されています。
元々子育て支援の政策税制は2025年度から施行の予定でしたが、上記の2つが先行した形です。
次から、それぞれの政策税制について具体的に見ていきましょう。

住宅ローン控除は前年維持

まずは住宅控除です。
住宅控除については2024年度、以前よりも控除額が減少する予定でした。
しかし今回の政策税制により、子育て世帯は以前と同じだけの控除額が適用されています。
具体的な金額は以下の通りです。

・認定住宅は5000万円(当初予定していた4500万+500万円)
・ZEH水準省エネ住宅は4500万円(当初の3500万+1,000万円)
・省エネ基準適合住宅は4000万円(当初の3500万+1,000万円)

加えて、世帯の合計所得が1000万円以下であれば、建物の床面積が40平方m以上から対象にできます。
ただし2024年の政策ゆえ、同年12月31日以前に建築が確認されている物件であることが条件です。
ちなみに合計所得が1000万を超える世帯でも、2000万以下の範囲であれば、50平方m以上の建物を控除の対象にできます。

住宅リフォーム税制は子供のための対処なら適用

続いては住宅リフォーム税制です。
こちらは簡単に言うと、子供が過ごしやすい家に改築する場合に控除が発生します。
例えば、次のようなリフォームが対象です。

・小さな子供が落下しないよう柵を設置
・子供がはしゃいでも周辺に迷惑をかけないよう防音性の高い壁や床にする
・常に子供を視界に収められる対面式キッチン
・子供の成長に合わせてスペース調節ができる可動式の間仕切り

このようなリフォームを行った子育て世帯に対し、工事費用相当額の10%を所得税から控除してくれます。
ただし対象となる工事費の最大額を250万円としているため、控除額もその10%=25万円が上限です。
それ以上の費用が発生した場合も、控除される額が25万円を超えることはありません。

子育て世帯の条件

子育て世帯と一口に言っても、今回ご紹介している政策税制は、以下の条件をクリアした家庭が対象です。

・19歳未満の子供がいる、あるいは夫婦のいずれかが40歳未満
・同年の合計所得が2000万以下
・2024年度中の入居(住宅ローンのみ)
・購入するのが新築物件(住宅ローンのみ)
・該当住宅に2024年4月から12月まで居住(リフォームのみ)

これらの条件を満たしていない場合は、控除も発生しません。
例えば住宅ローンで中古物件を購入した場合、年齢や収入が当てはまる世帯であっても控除の対象外です。
加えて住宅ローン控除の項目でも少し触れていますが、合計所得が2000万を超える場合は、リフォームを含めて今回の控除を受けられません。

また条件にある年齢は、具体的にどのタイミングで判定するのか不明です。
ゆえに子供が2024年度中に19歳になる、あるいは夫婦が共に40歳となる場合は、いつを基点とするかで対象か否かが変化します。
ただほかの控除等では、対象となる年の12月31日を基にしているケースが多いです。
そのため今回の政策税制も、2024年12月31日時点での年齢を基点とする可能性があります。

2025年度以降の継続は未定

2025年度は「こども・子育て支援特別会計」の創設など、本格的な子育て支援が計画されています。
冒頭で触れた生命保険料控除等もあり、今回ご紹介した2つの政策税制も継続が検討されていますが、決定ではありません。
そのため、認定住宅のローンなら4500万まで等、増額前の控除額に戻る可能性もあります。

まとめ

2024年度は、子育て支援に関する政策税制として、住宅ローン控除及び住宅リフォーム税制が適用されます。
住宅ローン控除は本来前年度からの減額でしたが、今回の改正により以前と同じ額に変更されました。
また、あくまで子育て支援ということから、住宅リフォーム税制は子供に関係する改築を対象としています。
しかし、子育てをしやすくするための政策税制でも、全ての家庭が対象ではありません。
控除の対象となるには、年齢や収入などの条件を満たす必要があります。
特に年齢は、基点となる日によって対象か否かが変わるため、子供が19歳になるなど境にあたる世帯は注意が必要です。

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