令和6年度の補助額や対象は?高度安全機械等導入助成金を解説

高度安全機械等導入助成金は、労災防止を目的とした機械を導入した場合、費用の一部を補助してもらえます。しかし申請には審査があり、様々な条件を満たさないと通りません。

そこで今回は、令和6年度の内容を中心に補助額や対象になる機械など、高度安全機械等導入助成金の条件についてご紹介します。

目次

高度安全機械等導入助成金とは

高度安全機械等導入助成金は、建設業労働災害防止協会にて指定された機械を採用した場合に、かかった費用の半分を支給します。ただし費用は200万円を上限としているため、補助額自体は100万円以下と考えましょう。

また建設業労働災害防止協会指定の機械を導入していても、申請時に審査があります。審査に通らなければ、高度安全機械等導入助成金も受けられません。

高度安全機械等導入助成金を申請する条件

まずは、高度安全機械等導入助成金の申請期間や、対象機械などの条件についてご紹介します。

申請の締め切りは年度末より早い

高度安全機械等導入助成金の申請は、令和6年4月10日から令和7年1月24日までです。

年度末(令和7年3月31日)ではありません。しかも予算以上の申請があった場合は、その時点で締め切りとなるため、検討している場合は早めに行いましょう。

ちなみに令和6年8月1日現在、建設業労働災害防止協会のサイトによると、補助金申請可能額(予算の残り)は約1億1千万円です。申請開始時点では2億円の予算だったようですが、4か月ほどで半分近く減っています。

仮にこのままのペースで申請が続けば、令和6年12月に予算はなくなる可能性が高いです。もちろん確定ではありませんが、12月前後に申請予定の場合は注意してください。

もし、現時点における実際の予算残額が知りたい場合は、補助金事務センターなどへの問い合わせが確実です。また、建設業労働災害防止協会のサイトでは残高の表示が毎月更新されるので、併せてチェックしてみてください。

対象者に必要な建設業許可

高度安全機械等導入助成金の対象となるのは建設業のほか、卸売業やサービス業、小売業を営む中小企業です。ただし建設業以外であっても、建設業許可を持っていなければ申請できません。

仮に解体業等、建設機械を扱う業者であっても、建設業許可がなければ対象外です。また、建設業許可はどんな工事を行うのか、規模や種類によっても変わります。

高度安全機械等導入助成金に合わせて建設業許可もこれから申請する場合は、国土交通省等の要綱を確認してみてください。

高度安全機械等導入助成金の対象機械

高度安全機械等導入助成金の対象となる機械は、種類で言えば積載型トラッククレーン、油圧ショベル、ホイールローダーのいずれかです。

加えて、それぞれにどんな安全装置を取り付けるかまで具体的に指定されています。例えば、株式会社小松製作所のホイールローダー(型番WA270-8)なら、衝突被害軽減ブレーキをつけると補助金の対象になります。

安全性が高まるからと言って、何を設置しても高度安全機械等導入助成金がもらえるわけではありません。

反対に、指定する機械に対象の安全装置が付いてさえいれば、中古で購入したものであっても対象です。また、申請や以降の手続きで問題がなければ、一括払いのみならず分割払いなども含まれます。

高度安全機械等導入助成金の注意点

ここでは、高度安全機械等導入助成金を申請する上で注意すべき点をまとめました。

機械や安全装置の購入は申請後

高度安全機械等導入助成金の申請は、既に所有している機械に対しては行えません。

申請が通って初めて購入し、かつ補助金請求書類を令和7年2月20日までに提出できる場合に限られます。決済だけでなく手続き段階でも、取引を始めてしまうと対象外になるかもしれないので注意しましょう。

不安な場合は、窓口等に確認してみてください。

ちなみに受理されたことを示す交付決定通知書が届くのは、申請から1か月~1か月半ほどです。加えて補助金請求書類には、金額だけでなく、機械の所有者が販売者から購入者に移っていることの証明書類も求められます。

ゆえに、その期間後から補助金請求書類の送付期限までの間に、支払いはもちろん納品まで済むことが望ましいです。問題がないか、予め購入先に確認しておきましょう。

申請時の内容と少しでも変更があれば対象外

申請前の購入ができないとはいえ、実際に購入する段階で、申請書類と異なる機械を購入した場合は受給できません。機械や安全装置の種類だけでなく、台数や支払い方法など、書類と違う点が1つでもあったら対象外と考えてください。

例えば台数なら、増加はもちろん減少でもNGです。

「台数を減らして助成額も少なくしてあげたからいいだろう」は通りません。期限の問題はありますが、少しでも迷っているなら、焦らずしっかり決めた上で申請した方が良いでしょう。

助成金の上限は機械ごとに変わる

冒頭で、費用200万円を上限としてその半分を高度安全機械等導入助成金として受給できるとしました。

しかし実際は、どんな安全装置をつけるかで上限が変わります。例えば、先ほど挙げた株式会社小松製作所のホイールローダーの場合、型番WA270-8なら上限は100万円です。

しかし同じホイールローダーでも、型番WA900-8Rは上限が50万円になっています。これは、対象となる安全装置が、KOMVISIONと呼ばれる監視カメラのためでしょう。

そもそも費用の半分とは、安全装置のメーカー希望小売価格(税抜き)で換算した際の半分です。車両機械本体の価格は高度安全機械等導入助成金の対象に含まれません。装置自体の費用が少ないなら、比例して助成額も減ります。

同一年度内に複数回の申請は可能

同一の申請者ならば、同年度内には費用の上限として500万円まで申請可能です。

複数の安全装置を取り入れた場合も、金額内に限り申請でき、合計額としてなら高度安全機械等導入助成金の増加が期待できます。金額内であれば、申請はまとめてでなくても構いません。

ただし、申請したい全ての機械が、令和6年度内に納品まで行われることが条件です。納品時期がずれると、手続きも遅れて令和6年度中に完結せず、一部対象外になる点は気を付けましょう。

機械や安全装置に問題がないなら再申請して良い

1度審査に通らなかった機械での再申請も可能です。例えば書類の不備など、原因が分かっていれば修正して再申請しましょう。

もちろん申請期間内、また機械の購入前等、条件をクリアしている場合に限られます。

申請は最初にWEBから

高度安全機械等導入助成金は書類の提出において、電子と郵送の2種類から選べます。

ただ郵送を選ぶ場合であっても、最初の申し込みはWEBから行わなくてはいけません。建設業労働災害防止協会のサイトにでWEB登録が済んだ後、7日以内に電子あるいは郵送で書類を送付することが条件です。

突然書類だけ送っても受理されないので注意しましょう。

レンタル機器の申請は不可

高度安全機械等導入助成金は、あくまでその機械を購入した方が申請できます。よって、レンタルやリース契約をして得た機械で申請することは不可能です。あくまで借りる側申請が不可能であって、貸している側、機械の所有者であれば申請対象になります。

令和6年度は対象機械が増加

高度安全機械等導入助成金においては、令和5年度以前に比べて申請方法など大きな変更は見られません。

ただ令和6年7月1日から、高度安全機械等導入助成金の対象機械が増えました。今までは型番ごとに数えて524台だったものが、以降は575台に増えています。

もし令和6年6月以前に、申請しようと思ったけど機械が対象外だったという方は、改めてチェックしてみてください。

まとめ

高度安全機械等導入助成金は、建設業許可を得ている中小企業が対象です。

積載型トラッククレーンなどの機械が対象、かつ指定の安全装置を付ける場合に申請できます。ちなみに令和6年度とは言うものの、年度いっぱいまで募集するわけではありません。指定の期間が設けられており、かつ予算がなくなれば早期終了もあるため、早めの申請が望ましいです。ただ条件次第では、1度審査に落ちても再申請が行えます。

購入してしまえば対象外となるため、その前に不備を整えて再度挑戦するのもありです。また500万円の上限額に収まるなら、複数の機械で申請できます。

令和6年度は対象の機械が増えているので、購入予定の機械が複数あるなら全てをチェックしてみてください。まずは建設業労働災害防止協会のサイトから、WEB登録を行いましょう。

税理士.ch 編集部

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