口コミ高評価で割引、消費者庁が医療法人に対し措置命令

2024年6月19日

消費者庁は、令和6年6月7日（金）付けで、東京都にある医療法人に対して、同法人が運営するクリニックにおいて景品表示法に違反する行為（ステルスマーケティング告示に該当）が認められたことに基づき、同法人に対して措置命令を行った旨を公表した。

同法人が運営するクリニックでは、インフルエンザワクチン接種のために来院した患者に対し、Googleの口コミ投稿欄においてクリニックの評価として「★★★★★」または「★★★★」の投稿を条件にインフルエンザワクチン接種費用を割り引くことを伝え、それによって来院患者が投稿した高評価の内容を表示していた。

消費者庁は同法人に対する措置命令として、▼表示行為を速やかに取りやめること、▼誤認される恐れがあり景品表示法に違反するものであることを一般消費者に周知徹底すること、▼再発防止策を講じて役員・従業員等に周知徹底すること、▼今後同様の表示を行わないこと、を求めた。

【参考】
令和６年６月７日
医療法人社団祐真会に対する景品表示法に基づく措置命令について
https://www.caa.go.jp/notice/entry/038178

新矢健治

新矢税理士・行政書士事務所税理士・行政書士
日本医業経営コンサルタント協会認定登録医業経営コンサルタント。
医療法人の設立、運営、承継から認定医療法人を活用した持分なし医療法人への移行まで、多岐にわたるクライアントの税務相談に尽力。厚生労働省医政局医療施設経営安定化推進事業の研究班担当スタッフを務めた実績を持つ、医療分野のエキスパート。著書に『医療法人の設立と運営の実務のポイント』（税研情報センター・共著）、『医療・介護・福祉の消費税』（税務研究会・共著）などがある。