WiseとRevolutを比較。海外送金と海外旅行でどう使い分けるか
海外旅行の準備で、航空券やホテルの次に悩ましいのがお金の持ち方です。現金を多めに持つのは不安で、クレジットカードだけでは屋台や市場、小さな交通機関で困る場面もあります。
そこで目に入るのが、WiseやRevolutのような海外送金・外貨決済サービスです。どちらもスマートフォンで使え、銀行より手数料を抑えやすいという印象があります。ただし、得意分野は同じではありません。
この記事では、WiseとRevolutの仕組み、手数料、海外旅行での使いやすさ、送金時の注意点を比較しながら、旅行や留学、家族への仕送りなど、生活の場面ごとにどちらをどう使い分ければよいのかを整理します。
目次
Wise Revolut 比較の前に。海外旅行のお金の使い方の”今”

円安局面が長く続くと、海外旅行の支出は小さな手数料の積み重ねで差が出ます。両替所のレート、カードの海外事務手数料、ATMの現地手数料、帰国後の請求額まで含め、旅費は見えにくい形で膨らみます。
現金中心からアプリ中心へ
かつて海外旅行では、出発前に空港や銀行で外貨を用意し、足りなければ現地で両替する流れが一般的でした。いまは、現地のカフェ、鉄道、配車アプリ、ホテルのデポジットまでカード決済が広がり、スマートフォンで残高とレートを見ながら支払う形に変わっています。
WiseとRevolutは、その変化の中で利用が広がったサービスです。いずれも日本では資金移動業者として登録されており、銀行口座そのものではなく、送金や決済のための残高を扱うサービスとして見ると理解しやすくなります。
比べる軸は手数料だけでは足りない
単純に「安い方」を選ぼうとすると、かえって判断を誤ります。海外送金では送金上限、着金方法、受取銀行側の費用が関係します。旅行中の支払いでは、外貨を事前に両替しておくのか、支払い時に自動両替するのかで使い勝手が変わります。ATMでは無料枠を超えた後の手数料だけでなく、現地ATM事業者の独自手数料も見ます。さらに、海外にいる家族への仕送りや留学費用では、送金の名目と記録が税務面で後から意味を持つ場合があります。
Wiseの基本構造
Wiseは、海外送金を出発点に成長したサービスです。利用者に見えるレートと手数料を分けて示す姿勢が特徴で、誰かに外貨を送る場面、または複数通貨を持って支払う場面に向いています。
海外送金に強い理由
Wiseの分かりやすさは、送金時にレート、手数料、受取見込額が画面で確認しやすい点にあります。日本居住者の場合、通常の残高からの送金には上限がありますが、第一種資金移動業の枠組みによる大口送金では、銀行口座などから支払う形で最大150,000,000円相当まで扱えるとされています。
留学費、海外不動産の頭金、現地法人への送金など、金額が大きくなりやすい場面では、この違いが実務上かなり効きます。もっとも、送金先の国、通貨、受取銀行の事情により、表示どおりの速度や費用にならない場面もあります。
海外旅行でのカード利用
Wiseカードは、外貨残高があればその通貨で支払い、残高がなければ保有通貨から自動で両替して支払う仕組みです。物理カードの注文には1回限りの発行手数料がかかりますが、年会費型ではありません。ATM引き出しは月25,000円まで無料枠があり、超過分には100円と1.75%の手数料がかかります。
旅行者にとっては、空港で大きく両替せず、必要な分だけカード決済と少額現金で回せる点が魅力です。一方、現地のATM側が別途手数料を取る場合があり、完全に無料とは考えない方が安全です。
Revolutの基本構造
Revolutは、アプリ内で外貨を持ち、カード決済や個人間送金、予算管理までまとめて扱う色合いが強いサービスです。旅行中の支払いをアプリで細かく見たい人には、便利な設計です。
両替とカード決済の強み
Revolutの日本向けプランでは、スタンダードが月額無料、プレミアムとメタルが有料です。海外事務手数料0%を掲げ、スタンダードでも月300,000円まで外貨両替の無料枠があります。無料枠を超えた両替には0.5%、市場時間外の週末両替にはスタンダードで1%の手数料がかかります。
つまり、平日に旅行予定額をあらかじめ外貨に替えておく使い方では強みが出ます。反対に、週末に現地で大きく両替しながら使うと、思ったより費用が乗る場合があります。
旅行中の注意点
Revolutのスタンダードプランでも、ATM引き出しは月25,000円まで無料枠があり、超過分は2%です。ただし、現金引き出しに使える残高には条件があります。銀行振込で入れた資金などは引き出しに使えますが、カードでチャージした残高は送金やATM出金に使えない扱いが示されています。
ここは旅行直前に見落としやすい点です。アプリには残高があるのに現地ATMで使えない、という事態を避けるため、出発前に入金方法と出金可能残高を確認しておく必要があります。
手数料と使い勝手の比較
WiseとRevolutは、どちらが上というより、向いている場面が違います。海外送金を中心に見るか、旅行中のカード決済を中心に見るかで評価は入れ替わります。
海外送金で比べる
海外送金では、Wiseの方が目的を絞り込みやすい印象です。送金額、受取額、手数料を確認しながら進める設計で、大口送金の選択肢もあります。
Revolutも海外送金に対応し、SWIFT送金の自社手数料は無料とされていますが、中継銀行や受取銀行の手数料が差し引かれる場合があります。また、日本のRevolut利用者には1回100万円相当の取引上限が示されています。したがって、少額の立替精算や友人同士の送金ならRevolut、大きな海外送金や受取額の見通しを重視するならWiseが候補になりやすいでしょう。
海外旅行の支払いで比べる
短期旅行では、Revolutの平日無料両替枠と支出管理のしやすさが便利です。アプリで旅行予算を分け、使った金額をその場で確認できるので、現地で財布のひもが緩みやすい人には向いています。
Wiseは、事前に特定通貨を持っていなくても自動両替で支払いやすく、送金にも転用しやすい点が強みです。どちらもATM無料枠は月25,000円が目安ですが、超過時の計算が異なります。現金を多く使う国へ行くなら、カードを1枚に絞らず、予備のクレジットカードと少額現金も組み合わせた方が実際的です。
生活者目線の使い分け

海外サービスを選ぶ時は、旅行当日の便利さだけでなく、帰国後に家計簿や税務の説明ができるかも見ておきたいところです。お金の流れが国境を越えるほど、記録の価値は上がります。
留学・駐在・家族送金
子どもの留学費、海外赴任中の生活費、海外に住む家族への仕送りでは、Wiseの送金機能が第一候補になりやすいでしょう。受取人の銀行口座に直接送れるため、授業料や家賃などの支払い記録を残しやすいからです。
ただし、親族間の送金では「生活費や教育費だから常に税金と無関係」とは言い切れません。国税庁は、扶養義務者からの生活費・教育費で通常必要と認められるものは贈与税がかからないと説明していますが、必要な都度その費用に充てる範囲という条件があります。多額をまとめて送り、投資や貯蓄に回ると別の見方になります。
短期旅行・出張
数日から1週間程度の海外旅行なら、Revolutで平日に外貨へ替えておき、現地ではカード決済を中心に使う方法が分かりやすいでしょう。
Wiseは、旅先で想定外の支払いが出た時や、帰国後に海外の相手へ追加送金する場面で頼りになります。
出張では、会社精算用の明細を取得しやすく、レートや手数料を説明しやすいサービスを選びたいところです。この点では、送金額、手数料、為替レート、受取額を確認しやすいWiseの方が、会社への説明や経費精算には向いています。特に、海外の取引先への立替送金や、現地で発生した費用の記録を残す場面では、Wiseの明細は後から確認しやすいといえます。一方、出張中の飲食代や交通費など、日々の少額決済をアプリで管理するならRevolutも便利です。
税務と家計管理の視点
海外送金や外貨決済を利用したからといって、それだけで税金がかかるわけではありません。大切なのは、そのお金が何のために動いたのかを後から説明できる形で残しておくことです。
この点で、WiseとRevolutには違いがあります。Wiseは、海外の相手先へ送金する場面で、送金額、為替レート、手数料、受取額を確認しやすく、留学費や家族への仕送り、海外取引の支払いなどの記録を残す用途に向いています。一方、Revolutは、旅行中の飲食代、交通費、買い物など、日々の外貨決済をアプリで把握しやすい点に強みがあります。
税務上、国外への送金や国外からの受領が大きくなる場合には、金融機関から税務署へ国外送金等調書が提出される制度があります。また、外貨を旅行費用の支払いを超えて保有し、円に戻した際などに利益が出れば、為替差益の論点が出る場合もあります。
まとめ
WiseとRevolutは、海外旅行と海外送金を身近にした便利な選択肢です。ただし、安さだけで選ぶより、使う場面から逆算した方が失敗しにくくなります。
Wiseは、海外送金の見通しを立てやすく、大口送金にも対応する余地があります。留学費、家族送金、海外口座への資金移動など、相手に確実に届けたいお金では検討しやすいサービスです。
Revolutは、旅行中のカード決済、平日の事前両替、アプリでの支出管理に向いています。短期旅行で「いくら使ったか」をすぐ確認したい人には相性がよいでしょう。
なお、どちらにも無料枠、上限、入金方法の制約があり、現地ATMや中継銀行の手数料がかかる場合があることには注意が必要です。それぞれの特徴を踏まえて、自分に合った使い方をすることがおすすめです。
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