国会議員や都知事の給料はいくら?議員定数削減で何が変わるのかをわかりやすく解説

国会議員や都知事の給料はいくら?議員定数削減で何が変わるのかをわかりやすく解説

2026年の通常国会では、衆議院議員の定数削減が大きな政治課題となっています。自民党と日本維新の会は、衆議院議員定数を約1割削減することを目標とした法案を提出し、国会では活発な議論が続いています。

背景には人口減少や財政健全化への意識がある一方で、「国民の声が届きにくくなるのではないか」「削減による財政効果はどれほどあるのか」といった懸念もあります。こうした議論を正しく理解するには、まず国会議員の給料や各種手当の仕組みを知ることが欠かせません。

この記事では、国会議員、大臣、東京都知事など主要な政治家の給与制度を整理するとともに、政治家が給与を自主返納する理由や、現在議論されている議員定数削減との関係についてわかりやすく解説します。

目次

なぜ今、議員定数削減が議論されているのか

日本維新の会は結党以来、「身を切る改革」を掲げ、その象徴的な政策として国会議員や地方議員の定数削減、議員報酬の見直しを主張してきました。近年では自民党との政策協議の中でも重要なテーマとなり、2026年通常国会では衆議院議員定数を約1割削減することを目標とした法案が提出されています。

法案では、衆議院議長の下で各党が参加する協議会を設置し、具体的な削減方法を協議するとともに、一定期間内に結論が得られない場合には比例代表を中心に定数を削減する仕組みも盛り込まれています。

議員定数削減が支持を集める理由の一つは、「政治家も国民と同じように負担を分かち合うべきだ」という考え方です。物価上昇や社会保険料の負担増が続く中で、政治家自身が歳出削減に取り組む姿勢を示すことは、政治への信頼回復にもつながるという意見があります。維新が掲げる「身を切る改革」も、こうした考え方を基盤としています。

一方で、反対意見も少なくありません。議員数が減れば、一人の議員が代表する有権者は増え、地方や少数意見が国政に反映されにくくなる可能性があります。また、比例代表を削減した場合には少数政党が議席を確保しにくくなり、多様な民意が国会に届きにくくなるとの指摘もあります。

さらに、日本は人口当たりの国会議員数を見ると主要先進国の中で決して多い国ではないという分析もあり、単純に「人数が多いから減らせばよい」という議論では済まされない問題でもあります。

つまり、現在の議員定数削減の議論は、「税金の節約」という一点だけではなく、「民主主義の質をどう維持するのか」という視点も含めた政治制度改革として議論されているのです。

国会議員の給料はいくら?歳費とボーナスの仕組み

議員定数削減の財政効果を考えるためには、まず国会議員一人にどの程度の費用がかかっているのかを理解する必要があります。

国会議員の給料は一般企業の「給与」ではなく、「歳費」と呼ばれています。現在の歳費月額は129万4,000円で、年間では約1,553万円になります。さらに年2回の期末手当が支給されるため、一般的な会社員のボーナスに相当する収入もあります。これらを合わせると、国会議員個人に支給される年間報酬は2,000万円を超える水準になります。歳費の額は法律で定められており、企業のように業績や勤続年数で変動するものではありません。

もっとも、国会議員に関する公費は歳費だけではありません。国会活動のための調査研究広報滞在費、公設秘書の人件費、議員会館の維持管理費など、議員活動を支えるさまざまな費用が公費で賄われています。そのため、「議員一人当たりにかかる税金」は歳費だけを見ても実態は分からず、関連する制度全体を把握することが重要です。

さらに言うと、これらの費用は単なる個人所得ではありません。秘書給与や議員活動経費は、立法活動や選挙区活動を支えるための公的な支出という性格を持っています。そのため、議員報酬の議論では、「議員個人の収入」と「議会運営に必要な経費」を区別して考える必要があります。

現在議論されている議員定数削減も、この両方に影響します。議員が減れば歳費や期末手当の支給対象が減るだけでなく、秘書関係費や議会運営費の一部も削減されます。その一方で、残った議員一人当たりの負担は重くなり、地域の代表性にも影響を与える可能性があります。だからこそ、議員定数削減は単なる「人件費削減策」としてではなく、国会の役割や民主主義の在り方も含めて議論する必要があるのです。

内閣総理大臣・国務大臣・東京都知事の給料はどう違うのか

国会議員の報酬を理解したところで、「総理大臣や大臣、東京都知事はどれくらいの給料を受け取っているのか」という疑問を持つ人も多いでしょう。実は、それぞれ根拠となる制度が異なり、同じ「政治家」であっても給与の決まり方は一様ではありません。

内閣総理大臣・国務大臣

内閣総理大臣や国務大臣は、多くの場合、国会議員が兼ねており、国会議員としての立場と、行政の長や閣僚としての立場を併せ持っています。

よって、本来であれば国会議員の歳費に加え、閣僚としての給与として、内閣総理大臣は115万2000円、国務大臣は月額約48万9000円が上乗せされることになっています。しかし現在は、「身を切る改革」の一環として、その上乗せ分を受け取らない運用が行われています。そのため、閣僚であっても受け取る給与は議員歳費と同額になっています。

東京都知事

一方、東京都知事は地方自治体の特別職であり、給与は東京都条例によって定められており、7月現在72万8,000円です。これは現在の知事が2016年の就任以降、「身を切る改革」として給与半減の特例措置が継続されてきたためで、47都道府県の知事の中では最も低い水準にあります。

ただし、この半減措置は7月末で終了する予定となっており、8月以降は通常の月額給料である約152万円(手当を含めると年間約3,133万円)に戻る見込みです。

このように、国会議員、閣僚、知事はいずれも公職ですが、それぞれ異なる制度に基づいて報酬が決められています。

なぜ政治家は給与を自主返納するのか

政治家が給与やボーナスの一部を自主返納したというニュースを目にすることがあります。法的な義務ではないにもかかわらず返納が行われる背景には、政治的なメッセージとしての意味合いがあります。

最も多いのは、国民に負担をお願いする政策を実施する際です。増税や社会保険料の引き上げ、歳出削減などを進める場面では、「まず政治家が身を切るべきだ」という世論が強まります。そのため、内閣や自治体の首長が自ら給与を減額する条例を制定したり、閣僚が俸給の一部を自主返納したりする例が見られます。

また、大規模災害や感染症の流行など国家的な危機に際しても、政治家が報酬を減額するケースがあります。これは財政効果そのものよりも、国民との痛みを共有する姿勢を示す意味が大きいと考えられています。

もっとも、給与を減額したからといって国の財政が大きく改善するわけではありません。一般の国会議員710人全員に歳費(月額129万4,000円)を支給した場合、歳費だけで年間約110億円になります。期末手当などを含めれば数百億円規模になりますが、2026年度の国の一般会計歳出約122.3兆円と比較すると、歳費だけでは約0.009%にとどまります。

議員活動に必要な経費を含めても、国の歳出全体に占める割合はごくわずかです。そのため、給与削減は財政再建策というより、「政治への信頼を回復するための象徴的な改革」と位置付けられることが多いのです。

議員定数削減で税金はいくら節約できるのか

現在国会で審議されている法案では、衆議院議員定数を現在の465人から約1割削減することを目標としています。具体的な削減方法は協議されますが、協議がまとまらない場合には、小選挙区25議席、比例代表20議席の計45議席を削減する案が盛り込まれています。

仮に45議席が削減された場合、歳費(月額129万4,000円)だけでも年間約7億円の削減になります。これに期末手当を加えると約10億円規模となり、公設秘書給与や調査研究広報滞在費など議員活動に伴う公費まで含めると、年間の削減効果はさらに大きくなります。

一方で、歳費だけを基準にすると年間約7億円は、2026年度一般会計予算約122兆円の約0.00057%に相当します。議員活動に関する公費全体を含めても、国の歳出全体に占める割合は大きいとはいえません。そのため、議員定数削減は財政効果だけでなく、「身を切る改革」を通じて政治への信頼を高めるという側面も含めて評価する必要があります。

まとめ

国会議員の給料は「高い」「安い」という印象だけで語られることが少なくありません。しかし、その仕組みを見ていくと、歳費や期末手当、議員活動を支える経費など、それぞれに制度上の目的があります。

現在審議されている議員定数削減も、財政効果だけを目的とした改革ではなく、政治への信頼や民主主義の在り方にも関わるテーマです。制度の背景や数字を踏まえて考えることが、政治や税金の使い道を正しく理解する第一歩といえるでしょう。

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