医療・介護・障害福祉の事業所が準備すべきポイントについて解説<President’s Report vol.4>

株式会社ビズアップ総研 代表取締役
吉岡 高広

(2024/2/1)
皆さまこんにちは、株式会社ビズアップ総研の代表取締役 吉岡高広です。
いつも弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

前回のは、2023年12月に決定したトリプル改定での改定率や、2024年度診療報酬改定の基本方針についてお話ししました。今回は、基本方針の具体的方向性を掘り下げ、技術・サービスの評価項目に大きな影響を与える可能性が高いポイントについて解説します。より多くの点数を獲得するために医療・介護・障害福祉の事業所が準備すべきポイントについても解説しますので、ぜひご参考にしていただければと思います。

まず技術・サービスの評価項目に影響を与えるとされるポイントについては、医師の働き方改革関連法への対応が挙げられます。働き方改革関連法は2019年4月に施行されていますが、いよいよ24年4月からは医師も働き方改革の対象となり、「時間外労働の上限規制」が適用されます。

22年度診療報酬改定で「医師事務作業補助体制加算」の見直しが行われたのと同様に、24年度診療報酬改定でも働き方改革関連法への対応を念頭に置いた評価の新設や見直しが予想されます。

24年からスタートする第8次医療計画も見逃せません。第8次医療計画では、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、「新興感染症等の感染拡大時における医療」が記載事項に追加されます。これにより、新興感染症に対応できる医療提供体制の整備も今後、診療報酬の評価で加味されると考えられます。

このほか、「全国医療情報プラットフォーム」「電子カルテ情報の標準化」「診療報酬改定DX」の3本柱で構成される医療DXも、診療報酬改定の重要なポイントの1つです。

医療DXへの対応が、何らかの形で診療報酬の加算項目に加わる可能性が高いでしょう。

このように、診療報酬改定では、注目すべきポイントが盛りだくさんです。こうした中、より多くの点数を獲得するために、医療・介護・障害福祉の事業所はトリプル改定にどう備えればよいか。

医療機関の場合は、「時間外労働の上限規制」に対応するため、「勤怠管理システム」や、生産性向上に寄与する「デジタルツール」の導入が有効です。医療DXについては、電子処方箋や電子カルテシステムの導入準備を進めるのがよいでしょう。

また、介護事業所の場合は、介護報酬改定で、財務諸表の公表が義務化されるのを踏まえ、減算対策として経理機能の強化が不可欠です。一方、経営体力のある介護事業所は、加算対策として介護報酬改定で創設される訪問介護・通所介護の複合型サービスの準備を進めておく必要があると考えます。

当社の医療福祉向けe-JINZAI for medicalwelfareでも、診療報酬改定に関する最新情報をご用意いたしますので、ぜひご活用いただければと思います。

今後も変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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