グリーントランスフォーメーション(GX)について<President’s Report vol.6>
株式会社ビズアップ総研 代表取締役
吉岡 高広
(2024/2/29)
皆さまこんにちは、
株式会社ビズアップ総研の代表取締役 吉岡高広です。
いつも弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
今回は、企業のブランドイメージの向上やコスト削減につながるとされるグリーントランスフォーメーション(GX)についてお話したいと思います。
GXは、正式には「2030年度の温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取り組みを経済成長の機会と捉え、温室効果ガス排出削減と経済成長・産業競争力向上の同時実現を目指す経済社会システムの変革」を意味します。
何やら高尚な言葉に聞こえますが、わかりやすく言うと、カーボンニュートラル(温室効果ガスを削減する取組み)と競争力向上を両立させる企業活動のことです。22年に経済産業省によって提唱されました。
現在、政府主導でGX実現に向けた取り組みが進められています。直近の動きでは、経産省は24年1月に、GXリーグに参画する企業各社の排出削減目標や、取り組み状況の公表をGXリーグ公式サイト内で開始しました。このほか、財務省は今年2月14日、脱炭素化と経済成長をうたう政策の財源にする「GX経済移行債」の入札を初めて実施しました。
政策動向を見ると、GXは政府との関わりが強い企業だけが取り組みを進めている印象があります。実際その通りなのですが、GXに注目する中小企業が増えているのも、また事実です。GXに取り組むと、企業はさまざまな経済的メリットを得られるためです。
例えば、GXを通じて排出量の見える化、排出削減の取り組みの開示により、「企業価値」「製品価値」が向上し、これらによる企業の競争力向上が期待されます。その結果、取引先企業から選好されやすくなり、新規取引先の開拓につながる可能性も高まります。
企業がGXによって得るメリットは、製品や企業の競争力向上だけではありません。GXを推進する過程で、省エネによるコスト削減も達成できるでしょう。
また、昨今は金融機関が売上高や利益といった財務情報だけでなく、「環境(Environment)」「社会(Social)」「企業統治(Governance)」への取り組み状況という非財務情報を考慮した、いわゆるESG投資を推進しています。そのため、企業はGXに取り組むと、サスティナビリティ・リンク・ローンをはじめとする資金調達手段を獲得できる可能性が高まります。
このように中小企業がGX推進によって得られるメリットは多岐に渡ります。これらのメリットを踏まえ、企業経営者の皆さまは、排出量の見える化や、国の「グリーンエネルギーCO2削減相当量認証制度」の活用、再エネ設備の導入といったGXの推進策に取り組むとよいでしょう。
当社e-JINZAIの動画コンテンツでも、GXに関する最新情報をご用意して参りますので、ぜひご活用いただければと思います。
今後も変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。