SDGsとは何か＜中小・中堅企業のためのSDGs入門 Vol.1＞

金沢工業大学 地方創生研究所 SDGs推進センター長 情報フロンティア学部 経営情報学科 准教授
平本 督太郎

2021/7/17

Vol.1　SDGsとは何か

SDGs（持続可能な開発目標：Sustainable Development Goals）がいま日本中で注目されています。SDGsとは、国連加盟国193か国が合意をした世界共通の目標です。 具体的には、17個の目標と169のターゲットから構成された目標です。SDGsの各目標・ターゲットには、世の中に存在する様々な問題が内包されています。例えば、日頃の生活ではあまりなじみがない食糧危機や再生可能エネルギーといった地球規模のテーマから、最近日本でも耳にすることが多い女性活躍や働き方改革といった身
近なテーマや、この1～2年でよく耳にするようになった食品ロスや海洋プラスチックもSDGs に内包されています。（図表1）

 【図表１】

そのため、数多くの自治体の県知事や市長が地域におけるSDGsの達成に向けた活動に注力することを宣言しています。更に、各地で市民団体、教育機関、経営者団体 、企業等、様々な組織が自発的にSDGsの達成を目指した活動を展開しています。特に、地方の経営者達の活動は日に日に活発になってきています。

また、SDGsは世界各国が合意をした世界共通の目標なので、各国の首脳はもちろん、ビルゲイツ氏のような誰もが知る経済人も目標の達成に強くコミットしています 。そのため、SDGsの達成に向け、従来のビジネスの前提となっていた法律や規制等のルールが変更されていきます。既に、企業間取引にもその影響は及んできていま す。

さて、それではこの重要なSDGs について、私たちはどのように理解をしたら良いのでしょうか？昨今では、SDGs がブーム化し、誤った理解が浸透しつつあるので、 本質をきちんと理解することが重要です。そこで、本稿ではSDGsについて知っておくべき３つの重要なキーワードを紹介します。まずは、SDGsの本質として、この３ つのキーワードだけ覚えましょう。そのSDGsにおける３つの重要なキーワードは「地球規模」「バックキャスト」「誰一人取り残さない・置き去りにしない」です。 次回以降、これらのキーワードを個別に解説していきます。