旧ジャニーズ事務所と事業承継税制など 税理士業界が注目した 今月の気になる税務トピック Vol.40-1

『税理士のための相続税Q&A 小規模宅地等の特例』など多数の著書を持ち、研修講師としても活躍する白井一馬先生が、税理士業界注目のニュースや気になる話題をピックアップ。独自の視点も交えながら、コンパクトに紹介します。
※本記事は、会報誌『BIZUP Accounting Office Management Report』vol.144(2025.10)に掲載されたものです。


白井税理士事務所 所長・税理士
白井 一馬 先生

旧ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子氏が語る『ラストインタビュー』(新潮社)。ジャニーズ事務所が消滅したのはなぜか、事業承継税制が報道に登場した驚き。そんな関心から手に取ってみた。

創業者の少年愛と世界観が作り上げたジャニーズ帝国。しかしそれゆえ、同時に承継は不可能という必然性を内包していたのだろう。

本書には「事業承継税制」が登場する。事務所の廃業で

5年の経営期間を確保できなくなり、納税猶予の打切りを受け入れた上で廃業している。売却の打診も多数あったのになぜあえて廃業したのか。

記者会見においてジュリー氏はジャニーズ事務所の痕跡を消したいとまで語っている。売却はすなわちジャニーズの延命を意味する。彼女にとって廃業と、それに伴う多額の納税負担を甘受することは「痕跡を消す」という強烈な意志の表れであったと私には感じられた。

白井 一馬

しらい・かずま/石川公認会計士事務所、 税理士法人ゆびすいを経て独立。『顧問税理士のための相続・事業承継スキーム発想のアイデア60』 『一般社団法人一般財団法人信託の活用と課税関係』『一般社団法人・信託活用ハンドブック』ほか 著書多数。

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