年末年始はコミュニケーションを増やす良い機会(小宮一慶先生 経営コラムVol.97)

本コラムでは、『小宮一慶の「日経新聞」深読み講座』等の著書を持ち、日経セミナーにも登壇する小宮一慶先生が、経営コンサルタントとしての心得やノウハウを惜しみなくお伝えします。
※本記事は、会報誌『BIZUP Accounting Office Management Report』vol.147(2026.1)に掲載されたものです。


株式会社小宮コンサルタンツ 代表取締役CEO
小宮 一慶 先生

私はコミュニケーションは「意味」と「意識」の双方が必要という話をよくします。例えば、部下に「コピーを100枚とってください」、あるいは「○○さんを訪問してください」というのは「意味」です。こうした場合、同じことでも好きな人に言われたら喜んでやりたいけど、嫌いな人、嫌な人に言われたらやりたくないという経験は多くの人にあると思います。これは、意味が同じでも意識が違うからです。

意識を共有するには、普段から挨拶する、時々ランチをする、雑談を行うなどの方法がありますが、忘年会や新年会などは、意識を共有しやすい良い機会だと思います。

当社は15人の小さな会社ですが、社員旅行や忘年会を毎年やっています。先日も、社員旅行を1泊2日で行いましたが、そこには一部社員の子供さんも参加してくれ、2歳の男の子が皆の人気者になっていました。忘年会では、社外役員の他にゲストも数人ご参加いただきます。普段接する機会が少ない方ともお会いし、お話をすることで、コミュニケーション力も上がります。

また、忘年会には少しお金をかけます。社員が普段はなかなか行けないようなレストランを選びます。社員に家族や知り合いへ自慢をして欲しいからです。その料金の上乗せ分を賞与に上乗せしても、その時は少し喜ぶかもしれませんが、すぐに忘れます。でも、ちょっと素敵なレストランなどに行くと、結構覚えているものです。「また、お願いします」という社員もいるものです。

先日ある会社で会った新入社員は、父親が働く中小企業に新卒で入社したのですが、その会社で毎年行っているバーベキュー大会に小学生の時に参加したことがとても楽しかったらしく、大学に入った時からこの会社と決めていたと話していました。好き嫌いということが意思決定に大きく影響するのです。

忘年会や新年会というと、今の若い人は来たがらないと言いますが、それは一般論です。そんな若者でも、好きな人となら喜んで宴会にも旅行にも行きます。要するに会社が好きでないということなのです。 どうしたら会社が好きになるのかというと、まず、仕事の楽しさや働きがいを感じてもらうことです。そのためには、仕事をするためのある程度の技量が必要です。会社は仕事をしにくるところなので、仕事ができないと楽しくないのです。そして、お客さまや働く仲間に貢献することを高く評価する姿勢や社風が必要です。逆に不正を行う会社や経営者の私利私欲のための会社では、働きがいを感じにくいことは間違いありません。

小宮 一慶

こみや・かずよし/京都大学法学部卒業。 米国ダートマス大学タック経営大学院留学(MBA)、東京銀行、岡本アソシエイツ、日本福祉サービス(現:セントケア)を経て独立。名古屋大学客員教授。企業規模、業種を超えた「経営の原理原則」をもとに幅広く経営コンサルティング活動を展開する一方で、年100回以上講演を行っている。経営・会計・経済・ビジネススキル等をテーマにした著書160 冊以上、累計発行部数は410 万部を超える。

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