感謝が運命を好転させる(小宮一慶先生 経営コラムVol.67)

株式会社小宮コンサルタンツ 代表取締役CEO
小宮 一慶 先生

2023/6/26
本コラムでは『小宮一慶の「日経新聞」深読み講座』等の著書を持ち、日経セミナーにも登壇する小宮一慶先生が経営コンサルタントとしての心得やノウハウを惜しみなくお伝えします。

多くの本にも「感謝の気持ちを持ちなさい」とありますが、これがなかなか難しいのも現実です。しかし、幸せを感じることができ、かつ自身の人生を好転させられる人は感謝の気持ちを常に持っている人だということも、多くの人を見てきた経験から分かるものです。

日本は経済成長こそ多くの国に取り残されつつありますが、それでも平和で安全で、毎日の暮らしが脅かされるということは少ないと思います。ウクライナや北朝鮮などとは大違いです。しかし、毎日が平和で平々凡々と過ごしていると、感謝という気持ちを持ちにくいのも事実です。しかし、病気になったり、不自由な思い、嫌なこと、不幸なことがあると、その平々凡々の日々の有難さが分かります。

私は「有難い」という字を書くときには必ず漢字を使います。「有ることが難しい」と思うからこそ感謝の気持ちが浮かぶからです。「有難い」の反対の言葉は「あたりまえ」です。すべてのことをあたりまえだと思うと感謝の気持ちが出てきません。

お客さまがいらっしゃるのも、部下が会社に来てくれるのも、健康なのも、この国が平和なのもすべて「有難い」ことなのです。それは、そういう状況でなくなるとすぐに分かることです。

長い人生、しんどいときもある一方で、とても恵まれていると感じることもあるでしょう。経済的に恵まれている場合もあるし、人間関係でそう感じることもあると思います。そういうときに、自分が恵まれていると感じ、感謝の気持ちを持つことが大切ですが、それと同時に、その恵まれている環境をどう生かすかも考えなければならないと私は思っています。

つまり、経済的に恵まれれば、それを自身のためだけに使うのではなく、「これは神さまが与えてくれた余裕だから、それをより世の中のために使うにはどうすればいいか」ということを考える人には、より恵まれた環境やチャンスが与えられるのではないかと私は考えています。

その余裕を、より世の中に貢献できること、例えば仕事を通じての貢献や社会貢献活動に使うことです。松下幸之助さんや稲盛和夫さんがそうでした。逆に、与えられた良い環境を自分の贅沢や遊びにだけ使えば、世の中や神さまはそんな人を好きではありませんから、ツキが落ちて、ダメになっていくのではないかと私は考えています。「徳を積む」とは仕事や社会貢献活動などで社会に貢献することで、そうすれば余計に幸せが舞い込むものです。

いずれにしても、毎日起こっていること、自分の周りの環境に感謝の気持ちを持つことがすべての大前提で大切なことですね。

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