認定支援機関が中小企業をサポート(新米税理士のための自己啓発ガイド Vol.8)

税理士法人SBL
八木 正宣

2021/7/16

2012年8月30日に中小企業支援事業の担い手の活性化を図るため「中小企業経営力強 化支援法」が施行され、専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。現在多くの税理士事務所や税理士法人が、その認定を受けています。

1.認定支援機関とは

経営革新等支援機関(以下「認定支援機関」といいます。)は、中小企業者が安心して経営相談等が受けられるために、専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、経済産業省が認定する公的な支援機関です。商工会や商工会議所、金融機関、税理士、公認会計士等が主な認定支援機関として認定されていて、2020年10月時点で37,720機関にのぼります。

税理士は、中小企業者に対し税務と記帳の支援が主な業務内容です。認定支援機関として認証を受けることによって、補助金申請や経営改善計画策定、融資や税務面での優遇措置を受けることができる等、業務の幅を広げることができます。

2.認定支援機関の行う中小企業支援策

認定支援機関において行うことのできる主な中小企業支援は次のとおりです。

①補助金の申請

経済産業省が管轄する「ものづくり補助金」「事業承継補助金」「IT導入補助金」の申請のためには、認定支援機関による申請書類の確認が必要となっています。
②経営改善計画策定支援事業

金融支援を伴う経営改善への取り組みが必要な中小企業を対象に、認定支援機関の助言を受けて次に掲げる経営計画を策定する場合に、計画策定費用等の2/3が国から補助されます。
・早期経営改善計画策定支援(補助限度額20万円)
・経営改善計画策定支援(補助限度額200万円)

③資金調達

認定支援機関の関与により、日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」では、融資限度額や金利、返済期間などの諸条件、信用保証協会の「経営力強化保証」では、信用保証料の優遇を受けることができます。
④事業承継税制

認定支援機関の指導・助言を受けて作成した事業承継計画を基に、後継者が贈与を受け又は相続した自社株式や事業用資産にかかる相続税・贈与税の全額又は一定額が免除または猶予されます。
⑤先端設備等の固定資産税の免除

生産性向上特別措置法による先端設備等導入計画を策定し、市町村の認定を受けた中小企業は、認定後に取得した先端設備に係る固定資産税が3年間免除されます。
⑥中小企業等経営強化法による支援

人材育成や財務管理、設備投資などの取組を記載した「経営力向上計画」を策定し、主務大臣の認定を受けた中小企業は、取得設備の即時償却または税額控除、所得拡大促進税制の上乗せ措置などの税制や金融支援等の支援を受ける事ができます。

認定支援機関となった税理士は、上記のような支援を通じて、顧問先のバックアップをしているのです。

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