「相続の知恵×デジタル」の掛け算で
今までにないシニア向けサービスの未来を拓くレガシィ
ファミリービジネスの長所を活かし、
富裕層への注力・新分業を通じたイノベーションへの想いに迫る!Vol.2

「相続の知恵×デジタル」の掛け算で 今までにないシニア向けサービスの未来を拓くレガシィ ファミリービジネスの長所を活かし、 デジタルサービスへの挑戦・イノベーションへの想いに迫る!Vol.2

レガシィマネジメントグループ 代表
税理士法人レガシィ 代表社員税理士・公認会計士
株式会社レガシィ 代表取締役社長
行政書士法人レガシィ 代表社員行政書士 
天野 大輔

2024年に創業60年を迎えたレガシィマネジメントグループ<東京>(以下レガシィ)は、財産規模の大きい相続・事業承継専門の業界最大手。代表の天野大輔先生は、2021年の事業承継の際、企業・メンバーの得意に集中して「特技」にまで高めることができれば顧客満足の最大化と大幅な業務効率化が進むと考え、前代表天野隆先生と前専務取締役天野紹子氏の時から始めた分業に対してアレンジを加えて推進してきた。税理士業界で広がる分業だが、相続分野ではどのような特徴があるのか、そしてレガシィならではの工夫とは何か。また、レガシィが財産規模の大きな案件に取り組んでいるその背景にはどういった想いがあるのか、天野大輔先生にお話を伺った。

お客様の想いを汲む担当者と専門知識を有する
プロフェッショナルの協働が生む高品質なサービス

税理士法人レガシィ様では、製販分離といいますか「分業」を意識した体制を取られていますが、
具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。

一般的に「製販分離」とは、製造業などの分野で製造と販売を分ける考え方ですが、当法人では、単なる営業と事務の分離ではなく、お客様に直接向き合う担当者と、税務の専門知識を持つプロフェッショナルが協力し、高品質なサービスを提供する体制を整えています。具体的には、担当者がお客様と直接対話し、ニーズや想いを深く理解する役割を担い、その情報をもとに税務のプロフェッショナルが最適なプランを設計し、実行していきます。

このプロフェッショナルはさらに2つに分かれ、
① 高度な税務知識を活かし、お客様に対して高品質なプランニングを行うチーム
② 申告書の作成を効率的に進め、正確な処理を担当するチーム
という形で機能しています。各チーム各々の業務にだけ集中させれば部分最適にはなりますが、それだけではお客様の本質的なニーズに応えることはできません。そのため、担当者とプロフェッショナルの各チーム間で定期的な連携ミーティングを重ね、相互にお客様のニーズや専門的な視点を密に連携しあえる仕組みを整えています。
このように、部分最適と全体最適のバランスを意識しながら組織全体でのシナジーを生む仕組みを構築することで、レガシィでは高品質で効率的なサービスを提供し続けています。


担当者と専門チーム、それぞれが強みを発揮するためには、情報の行き来やコミュニケーションの仕組みが重要になるかと思います。
そうした環境づくりについて、意識されていることはありますか?

当法人では、「連携と越境」を意識した運営を行っています。担当者とプロフェッショナルの各チームが情報を共有するだけでなく、定期的な勉強会や社内ディスカッション・ワークショップを通じて、お互いの領域を理解し合う機会を設けるようにしています。また、オフィス設計において、打ち合わせブースを多く設け、案件ごとにチームで打ち合わせがしやすい環境づくりをしています。こうした取り組みにより、各担当者が単に自分の仕事をこなすのではなく、チーム全体でより高度で複雑な相続対応を実現できるようにしています。

また、組織全体のコミュニケーション強化のために、社内での情報共有システムを導入し、案件ごとの進捗状況や専門家ごとの対応履歴がリアルタイムで確認できる仕組みを構築しています。これにより、業務の属人化を防ぎ、どの案件も最適な対応が可能となっています。


先ほどお伺いしたプロフェッショナルチームの具体的な役割について教えてください。

当法人のプロフェッショナルチームは、相続に関して非常に多岐にわたる業務を担当しています。税理士法を遵守し、非弁行為の防止にも配慮した運営を徹底しながら、相続税申告だけでなく、資産の組み換えや遺産分割に関するコンサルティングなど、お客様の要望に合わせた柔軟な対応を行っています。特に財産規模が大きい案件では、相続に関する課題が多岐にわたり長期化する傾向にあるため、日本では希少な相続専門家歴20年以上を誇る「プレミアム税理士」をはじめとした税務専門家や不動産の専門家など、社内の多くの知恵を結集し、お客様にとって最適なプランを設計、ご提案するようにしています。こうした総合力、そして、60年以上にわたって培ってきた豊富な知恵と経験が、我々レガシィの強みの1つだと考えています。


近年、相続に関する案件に変化はありますか。

はい。特に富裕層の相続では、単に税務申告をするだけでなく、資産の承継や運用の最適化といった視点が求められるようになりました。そのため、従来の枠を超えたサポート体制を整えることが重要になっています。
また、デジタル化の進展により、相続手続きのオンライン対応やペーパーレス化も進めています。レガシィでも先述した「新レガシス」や「相続のせんせい」を利用することでより迅速かつ正確な対応が可能になり、生産性(顧客満足度&業務効率性)が向上しました。


財産規模の大きな案件に注力——専門性と総合力で挑む

レガシィでは、特に財産規模の大きな相続案件に注力されていると伺いました。
その背景とその特徴について教えてください。

レガシィの得意・特技の分野であり、顧客満足度が高いためです。というのもレガシィでは30数年前に相続・事業承継専門の法人へと舵を切り、集中してきました。親和性の高い不動産コンサルティングや事業承継型M&A、デジタルサービス分野への参入は行いましたが、あくまで相続・事業承継を中心に据えて注力してきました。そのおかげで先述のプレミアム税理士をはじめ、財産規模が大きく知恵を要するような複雑な案件も対応できるようになってきました。

財産規模が大きい案件は、何より法務、税務、不動産、金融など、多様な専門「知識」が不可欠です。さらに、「知恵」を要する税務対策や財産の最適化、事業承継のプランニング、そして複雑な「感情」の理解などが求められます。我々には長年培ってきた経験に裏打ちされた「知恵」が豊富にあり、それを見える化して社内で公開し、研修を通じて共有していますので、節税効果だけではない富裕層のお客様が真に求めるソリューションを提供できる下地があります。我々はよく、「勘定よりも感情」と表現するのですが、数字の「勘定」はサービスできて当然のこととしています。それ以上に、お客様お一人お一人の「感情」に寄り添った複雑なニーズに対応することで、当法人のミッションである「人々の財産を世代を超えて守り、生活と心を豊かにする」ことが実現できるものと考えています。


士業との連携について、どのような工夫をされていますか。

近年は士業においても人材不足が顕著です。さらに、士業が求められるスキルが多様化する中、幅広くそれぞれの専門性を複数極めるには時間と人手が必要になります。そこで、「餅は餅屋」という考え方を打ち出し、広めたいと考えました。これは、税理士、公認会計士、弁護士、司法書士、行政書士、不動産鑑定士、金融アドバイザーなどがお互いの得意を極めて相互に提供し合うことで顧客満足度を高め、多方面の専門家と連携・協力することを大切にしたいという想いからです。
こうした連携をより強固にするために、単なる業務の分担ではなく、各士業が専門性を最大限に発揮できる環境づくりにも注力しています。例えば、ファミリービジネスにおける事業承継の場面では、税務対策だけでなく、アトツギの育成や経営面でのアドバイスといった総合的なアプローチが不可欠です。そのため、他士業の専門家と連携しやすい情報共有の仕組みを構築し、案件をよりスムーズに進められる支援を行っています。これにより、各案件に関わる士業が連携しやすくなり、高度な対応が可能となることで、お客様へより最適なプランをご提案することが可能となります。デジタルサービス(アプリ)としては「Mochi-ya」や「サムシナ」を利用することで実現できるようにしています。


お客様との関係構築について、どのような点を意識されていますか?

財産規模が大きいお客様に対しては、単なる申告業務にとどまらず、長期的な視点での財産管理や承継対策をソリューション提案することが重要です。当法人では、相続発生前の段階から定期的にお客様と対話し、事前対策を進めることで、将来的な課題を未然に防ぐ取り組みを行っています。
また、士業間の関係をより強固にするために、合同でお客様向けのセミナーやワークショップを開催し、実際の事例を交えながら最適な提案を作成するプロセスを強化しています。こうした取り組みによって、単なる個別対応ではなく、士業の総合力を生かしたワンストップサービスを提供できるのです。


今後、相続分野においてどのような展望を描かれていますか?

これからも、財産規模の大きな相続案件に対応する専門性を強化し、士業連携をさらに深めながら、より高度な相続サポートを提供していきます。また、前回申し上げた通り、デジタル技術やAIを活用した新たなサービスを今後も積極的に開発・リリースし続けたいと考えています。お客様の多様なニーズに対応できるよう、取り組みを加速させていきそして、士業界や相続に関する社会のあり方自体を変えていくようなイノベーションを起こすことに挑戦していきたいと考えています。

プロフィール
レガシィマネジメントグループ 代表
税理士法人レガシィ 代表社員税理士・公認会計士
株式会社レガシィ 代表取締役社長
行政書士法人レガシィ 代表社員行政書士
天野 大輔

1979年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科修士課程修了。大手情報システム会社でシステムエンジニアとして勤務した後、2010年に公認会計士試験合格。監査法人勤務を経て2015年に税理士法人レガシィ入社。相続実務や事業承継・M&Aコンサルティング、デジタルサービスの企画・開発などに従事し、2021年からグループ代表。公認会計士・税理士・行政書士。

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