ChatGPTの新しい画像生成機能を使って、難解な専門知識を理解しやすく図解してみよう

株式会社ウェブタイガー 代表取締役
生成AI・ソーシャルメディア コンサルタント
田村 憲孝
2025年4月にChatGPTの画像生成機能の性能が大幅に進化し、話題になっています。この高性能化を利用して描かれた「ChatGPTでジブリ風の画像をつくってみた」というSNSの投稿をご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
私もジブリ風ではないのですが、自撮り画像をイラスト化して投稿してみました。私自身の顔は生成AIが気を遣ってくれたのでしょうか、実物よりもやや若めに描いてくれました。

しかし背景などその他の風景はほぼ実物を反映しながらうまくイラスト化してくれています。照明が現場を照らす雰囲気を表現したタッチなどはプロのイラストレーターが描いたようにも見えます。
しかしジブリ風の画像が生成AIで描けるようになっても、お仕事にはなんの役にも立ちません。今回の画像生成能力の向上をいかに業務に活かすかを考えることが重要です。
新たに進化した機能としては、画像をジブリ風に変換できるようになった以外にもいろいろあります。すべて書き出すと膨大な量になりますので詳細はご自身で調べていただきたいのですが、今回はそれらの新機能の中から、お仕事に役立つ小技をひとつ紹介します。
これまでいくつかの記事で「専門用語をいかに非専門家にわかりやすく伝えるか」についてお伝えしてきました。
「Gemini Deep Researchって?顧客が理解できる資料を効率的に作成できる最新AIツール」
https://article.ejinzai.jp/essay/gemini-deep-research-tips/
「お客様に専門用語をわかりやすく伝えるために生成AIを活用する」
https://article.ejinzai.jp/essay/generative-ai-explains-words/
今回は新しくなった画像生成機能を使って、難解な専門知識を図解で表記する作業を紹介してみます。
たとえば、住宅ローン控除についての説明をするとします。私は元不動産会社の営業社員でしたので、住宅ローン控除の内容について大枠は理解しています。しかし初めて不動産を購入する方に、この制度の内容を正しく説明し理解していただくには、いくつかの難しいポイントがあったことを記憶しています。
たとえば
・制度を受けるための物件の条件は?
・制度を受けるための借り入れ本人の条件は?
・実際に制度を受けるための手続きは?
特に手続きについて、本人も物件も制度を受ける条件を満たしているにも関わらず、確定申告でつまずいて控除をうけていないケースなどもありました。
先に紹介した記事に記載したような方法で、難解な専門用語をわかりやすい文章に変換することは可能です。今回はさらに生成AIでつくった図を使い、より顧客の理解度を高める工夫をしてみましょう。
今回参考にした元データはこちらです。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001740485.pdf
※国土交通省ウェブサイト内:住宅ローン減税についての説明資料
まずこの資料をテキストでわかりやすく要約してChatGPTに説明してもらいました。
PDFデータをアップロードして「住宅ローン減税についての資料です。難解な言葉が多いので理解しやすいようにまとめてください。」とAIに指示します。


この作業は、生成AIに資料を整理させながら、記載されている内容について理解させることにも役立ちます。
続けて控除を「受けられる人の主な条件を図解で表示してください。」と指示します。

この制度が適用される条件が一目でわかるようイラスト付きで表示されました。
次に「手続きについてフローチャート式で図にして表示してください。」と指示します。

申請の流れが、こちらも一目で理解できる図として出力されています。
※少し日本語がおかしい部分などもありますが、修正部分を指定して別途編集することも可能です。

※ここでは「控除継続」の表示を正しくするために範囲を指定して指示する作業をしています。
やや表示される日本語が不安定な部分もありますが、公的機関が発行しているマニュアルなどよりもはるかに理解しやすくなるはずです。
今回は私自身が理解している分野での制度で試してみました。税理士や会計士のみなさんにおいては、このほかにも顧客に対して「理解してもらうことが必要だが構造が複雑で説明がたいへん」な分野があるはずです。生成AIが持つ従来のテキスト出力機能にあわせて、ChatGPTの図解機能も併用し顧客の理解度向上に役立ててください。
実際のChatGPTと私とのやりとりはこちらをご覧ください。
https://chatgpt.com/share/68051d41-06d4-800b-8779-f754479c2849

田村 憲孝
株式会社ウェブタイガー 代表取締役
生成AI・ソーシャルメディア コンサルタント
不動産会社で営業職・営業管理職としての経験を積んだ後、2010年に独立し、現職に至る。
企業や自治体のSNS運用を、研修・講演・運用代行・広告運用を通じて支援。2023年からは、
ChatGPTなどの生成AIを活用したSNS運用支援を開始。
さらに、SNS以外の領域でも業務効率化を目的とした企業や各種団体への生成AI活用支援・研修を
提供している。
著書
『小さな会社・お店が知っておきたい SNSの上手な運用ルールとクレーム対応』同文舘出版
『世界一わかりやすい ChatGPTマスター養成講座』つた書房
『Instagramショップ 制作・運用の教科書』つた書房
『Facebook&Instagram&Twitter広告 成功のための実践テクニック』ソシムなど
ChatGPTをビジネスの現場で有効活用するための、基本的な操作方法からさまざまな
文書の作成手順までを、ビズアップ総研のeランニングサービス「e-JINZAI」の
「ChatGPTマスター講座」にてお伝えしています。