確定申告の時期を前にして税理士が準備すべきこととは?集客方法も紹介

確定申告の時期は税理士がもっとも忙しくなる時期であるとともに、年間の最大の稼ぎどきです。

特に開業間もない税理士事務所では、確定申告の時期にしっかり稼いでおかないと、売り上げの目処が立たなくなる可能性もあります。

本記事では、確定申告の前に税理士が対応すべきことと、思うように集客できない原因を紹介しています。確定進行前の集客について、気になる人はぜひ記事内容をご確認ください。

目次

確定申告の時期を前に税理士がすべきこと

確定申告の時期を前にして、税理士が準備すべきことや行動すべきことを6つピックアップしました。

  • 閑散期に顧客リストの整理と見込み客へ声かけをしておく
  • できれば職場を訪問して状況を把握する
  • 定期的な情報提供によって良好な関係性を構築する
  • 受ける案件と断る案件を切り分けておく
  • ヒアリングを元に改善を目指す
  • 他の税理士や士業との交流の場をもつ

それぞれについて詳細を説明します。

閑散期に顧客リストの整理と見込み客へ声かけをしておく

一般的に税理士の閑散期は6月から10月と言われています。比較的時間に余裕がある時期に、前回お世話になった顧客をリスト化して、個別の状況や求めるものなど、細かい情報を記載しておきましょう。

パーソナル化された情報を元に声かけできると、顧客は自分ごととして捉えてくれるため、話が通じやすいです。

確定申告の時期が近づいてきたら、真っ先に思い出してもらえるような関係性を構築したいところです。リスト化にあたって特別なツールは必要ありません。エクセルやスプレッドシートにまとめておくとわかりやすいです。

できれば職場を訪問して状況を把握する

営業スタイルや顧客との距離感にもよりますが、地元に密着して固定客を獲得したい場合は、顧客の職場へ訪問するのも良い方法です。顧客の日々の仕事を把握することでより良い提案ができるようになります。

場合によっては、確定申告以外のアドバイスができるかもしれません。

職場へ訪問するのはある程度の関係性ができていないと嫌がられます。一方的に訪問するのは逆効果なので、事前のアポイントは必ずとるようにしましょう。

定期的な情報提供によって良好な関係性を構築する

税制の変更や記帳に関する裏技、経費精算の考え方など、確定申告をスムーズに進めるための有益な情報をメールなどで定期的に発信すると喜んでもらえます。

最近ではインボイスに関する税制や、個人事業主の定額減税など、専門家以外にはわかりにくい変更がありました。

一般の人にわかりにくい情報をピンポイントに届けておくと、自ずから良好なリレーションシップを構築できます。日頃から有益な情報を提供しておけば、確定申告の時期が近くなると声をかけてもらえる可能性が高いです。

受ける案件と断る案件を切り分けておく

あらかじめ受ける案件と断る案件の切り分けは大切です。繁忙期の2月から3月に記帳を含む依頼を受けると他の依頼に手が回らなくなります。

忙しい時に記帳が必要な依頼がきたら断るより他ありません。付き合いのある顧客には、手間のかかる依頼は夏から秋にかけて早めに依頼してもらうように声をかけておきましょう。

一般的に手間のかかる依頼内容は、取引件数が多い、取引の資料が整理できていない、商品やサービスの量が多いなどが挙げられます。

ヒアリングを元に改善を目指す

顧客が何かしらの課題を抱えているようであれば、細かくヒアリングして解決策を提案すると良い関係が構築できます。

確定申告の経験が浅い人では経費の項目について、疑問を持っている人が多いです。現状をヒアリングの上、具体的な節税方法を伝えると喜んでくれるでしょう。

最近では、暗号通貨の取り扱いについて悩む人も増えています。取引によってはかなり複雑な処置が必要になるため、専門家の立場から良い対応方法を伝えましょう。

感謝の度合いが大きければ大きいほど、より強い関係性を構築できます。

他の税理士や士業との交流の場をもつ

顧客対応に直接関係することではありませんが、他の税理士や士業の人との交流を持っておくと、横のつながりによってあらゆる課題を解決できる可能性が広がります。

受けきれない依頼を他の税理士へ紹介できるのは、横の繋がりがあってこそです。良好な付き合いを維持しておけば、逆の立場になった時に依頼を回してもらえるかもしれません。

また、士業の間で情報共有をしておくことは、顧客へ良いサービスを提供することに繋がります。

確定申告時期の集客に失敗する原因

いよいよ確定申告時期で忙しくなる!と思っていたところ予想外に反応が少ない、という事態に陥ってしまうのは何故でしょうか。

税理士が基本的な集客に苦戦する原因を4つ紹介します。

  • 日頃のリレーションシップが不十分
  • 十分な宣伝活動をしていない
  • ターゲットの絞り込みができていない
  • 気軽に問い合わせできる仕組みがない

日頃のリレーションシップが不十分

一度縁のあった顧客は、最初の仕事が終わった後にしっかりフォローしましょう。「また次の機会もお願いします」程度の挨拶で終わってしまうとせっかく獲得した契約が1回だけで途絶えてしまいます。

できればきめ細かなアフターフォローを継続して、確定申告の時期に思い出してもらえるようにしておきたいところです。

依頼する側も、本来なら毎年違う税理士に頼むよりも同じ人に依頼したいと考えています。せっかくの縁を途絶えさせないためにも、日頃から十分なリレーションシップを考えるようにしましょう。

十分な宣伝活動をしていない

地元に密着している税理士事務所なら縁がある顧客のみで安定して仕事を獲得できますが、地域密着型の仕事が望めない都市型の税理士事務所では、ある程度の宣伝活動が必要です。

宣伝方法はチラシなどのアナログな方法から、テレビやラジオのCMなど様々ありますが、最低でもWEBサイトによる宣伝活動はしておきたいところです。

よりピンポイントな需要を狙いたい場合は、SNSによる宣伝を検討するのも良いでしょう。

効果的な宣伝ができれば確定申告時期の新規問い合わせもある程度期待できます。

ターゲットの絞り込みができていない

アプローチする顧客が明確にできていないと、効率の良い集客ができません。確定申告はあらゆる事業に共通する作業のように思えますが、業種ごとの勘定科目の違いや、経費精算の複雑さなど、全てをひとまとめにするには無理があります。

幅広い業種を請け負うのも良いのですが、うまく集客ができない場合は得意分野に絞ってピンポイントな訴求を考えた方が良いことも多いです。

まずは得意分野の業種へアプローチして、少しづつ範囲を広げていく方が着実に顧客を増やすことができます。的を得たアプローチができれば確定申告時期に安定した問い合わせを獲得できるでしょう。

気軽に問い合わせできる仕組みがない

顧客が問い合わせてみようという気持ちになっても、気軽に問い合わせできる窓口がなければ躊躇してしまいます。他にも依頼できる税理士は数多く存在するため、少しでも躊躇したら他へ行ってしまうでしょう。

問い合わせ窓口が電話のみだとやや不便さを感じるため、最低でもお問い合わせフォームはしっかりと作っておきたいところです。日頃から使うことが多いLINEのお問い合わせ窓口があると、問い合わせの敷居はかなり低くなります。

税理士におすすめの集客方法

数ある集客方法の中でも、差し当たって対策しておきたい税理士の集客方法は次の2つです。

  • ホームページ
  • GoogleマップのMEO対策

WEB上の名刺ともいうべきホームページ制作は必須です。これから税理士を探すユーザーにマッチするようなコンテンツを盛り込んで問い合わせを獲得しましょう。

ピンポイントに課題解決の提案ができるWebサイトが理想です。ターゲット層にうまく届けばある程度の集客が見込めます。

また、最近ではGoogleマップの検索に対応できるMEO対策の重要性が増しています。ホームページの制作にリンクして、Googleマップ検索でも注目してもらえるようにMEO対策にも注力しておきましょう。

まとめ

確定申告の時期は多くの税理士が繁忙期に入りますが、何もせずに忙しい状態ができるとは言えません。

確定申告の時期にしっかり依頼がもらえるように、事前の準備をしておきましょう。基本的な準備は顧客との関係性の構築です。いざとなったら思い出してもらえるように、有益な情報を提供するなどして、日頃から良好な関係を保つ努力をしておきましょう。

つい疎かにしがちな集客ですが、ある程度の固定顧客ができるまでは、注力し続ける必要があります。

税理士.ch 編集部

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