飛び込み営業はNG?税理士に適したオンライン・オフライン営業術を紹介
税理士に営業は必要ないと思われがちですが、営業スキルがないと、新規顧客の獲得が困難になるだけでなく、既存顧客の維持も難しくなったり、望む通りの報酬がもらえない可能性があります。
適正な報酬で仕事を受注するためには、自社の価値を適切に伝え、顧客との交渉を有利に進めるための営業スキルが大切です。本記事では、税理士向けに、オンライン・オフラインでの営業術を紹介します。
目次
税理士がオンラインでできる営業方法
オンラインでの営業は時間や場所にとらわれず、効率的に多くの見込み客にアプローチできるのが魅力です。税理士にとっても、オンラインでの営業は顧客開拓の幅を広げる有効な手段と言えます。
ホームページを利用した集客
ホームページは、税理士にとって24時間365日稼働する営業マンのような存在です。税理士を探している人は、まずインターネットでの検索が一般的です。検索エンジンの結果に表示されるホームページは、潜在顧客にアプローチするための重要なツールとなります。
特に、ホームページは情報を詳細に伝えられるため、税理士としての専門性や強みをアピールできるでしょう。具体的には、以下が考えられます。
SEO対策
特定のキーワードで検索した際に上位表示されるように、ホームページの内容や構造を最適化します。「税理士 東京」「相続税 相談」など、地域名やサービス内容を含めたキーワードの選択がポイントです。
ブログ記事の作成
税金に関する役立つ情報を発信することで、専門家としての信頼性が高まります。また、定期的な記事の更新で、検索エンジンからの評価も向上します。
お問い合わせフォームの設置
訪問者が気軽に相談できるよう、わかりやすい場所に設置するといいでしょう。チャットボットを導入すると、リアルタイムでの対応が可能になり、顧客満足度向上にもつながります。
SNSを活用した情報発信
SNSは、税理士事務所の認知度を高め、見込み客との関係性を築くための有効な手段です。現代社会において、SNSは情報収集やコミュニケーションの主要な手段となっています。税理士がSNSを活用することで、より多くの人々に情報を届け、親近感を持ってもらうことが可能です。
具体的には以下のSNSが考えられます。
税理士事務所のページを作成し、日々の業務や税金に関する情報を発信します。セミナーやイベントの告知、顧客の声などを共有することで、事務所の雰囲気を伝えることも可能です。
X(旧Twitter)
税金に関するニュースや解説、役立つ情報を短くまとめて発信します。他の専門家や企業のアカウントをフォローし、積極的に交流することで、新たなつながりを広げることが可能です。
事務所の日常風景やスタッフの紹介、セミナーの様子などを写真や動画で共有します。親しみやすい雰囲気を演出することで、フォロワーとの距離を縮めることが可能です。
さまざまなSNSを活用することで、幅広い層にアプローチし、見込み客との関係を築けるでしょう。それぞれのプラットフォームの特徴を理解し、効果的な情報発信を心がけましょう。
メールマガジンの配信
メールマガジンは、見込み客との継続的なコミュニケーションを図り、信頼関係を構築するために有効な手段です。メールマガジンは、一度登録してくれた読者に定期的に情報を届けられるため、長期的な関係構築に役立ちます。税金に関する最新情報や役立つアドバイス、セミナーの案内などを配信することで、読者の興味を引きつけ、信頼感を高めることが可能です。
税理士がオフラインでできる営業方法
営業はオンラインだけでなく、オフラインでもできます。具体的には以下があげられます。
- セミナーや勉強会の開催
- 地域のイベントに参加
- 異業種交流会への参加
- 金融機関からの紹介
- クライアントからの紹介
セミナーや勉強会の開催
税務に関する疑問や悩みを抱えている経営者や個人事業主にとって、有益な情報が提供される場所は魅力的です。税理士は、税務に関する専門家としての知識や経験を活かして、セミナーや勉強会で集客できます。参加者は、税理士の専門性や人柄に触れることで信頼感を抱き、新規顧客の獲得が期待できます。
例えば、「確定申告のポイント解説」や「相続税対策セミナー」といったテーマのセミナーや勉強会です。地域で開催される異業種交流会やビジネスイベントで、講師を務めることも効果的です。
地域のイベントに参加
地域のイベントに参加することで、地域住民や他の事業者と直接交流する機会が得られます。商工会議所や異業種交流会が主催するイベントに参加し、名刺交換や情報交換することで、新たなビジネスチャンスに繋がる可能性があります。
また、地域のお祭りやボランティア活動への参加は、地域への貢献をアピールででき、信頼感を高めるでしょう。
異業種交流会への参加
異業種交流会では、様々な業界の専門家と交流できます。税理士としての専門知識を活かし、他の参加者の課題解決に貢献することで、新たな顧客獲得に繋がる可能性があります。
また、士業の交流会の参加は、他の専門家との連携を深め、新たなサービス展開に繋がる可能性もあります。
金融機関からの紹介
金融機関は、多くの企業や個人事業主との繋がりを持っています。税理士を紹介することで、顧客の課題解決に貢献し、自社のサービス向上にも繋がるため、金融機関からの紹介は珍しくありません。
金融機関主催のセミナーやイベントに積極的な参加は、金融機関からの信頼感を高め、紹介案件を増やすことに繋がるでしょう。
クライアントからの紹介
既存の顧客からの紹介は、最も信頼性が高い顧客獲得方法です。既存の顧客からの紹介は、あなたのサービスに対する信頼の証とも言えます。紹介された方は、安心してあなたに相談できます。
顧客満足度を高めるためには、定期的な訪問や相談対応を心がけましょう。顧客との信頼関係を深めることで、紹介に繋がる可能性が高まります。また、紹介してくれた顧客には、感謝の気持ちを伝えることも大切です。
税理士の飛び込み営業は効率が悪いと言われる理由
営業と聞くと、飛び込み営業を想像する方もいるでしょう。しかし、一般的には税理士の飛び込み営業は効率が悪いと言われています。
ここでは、税理士の飛び込み営業は効率が悪いと言われる理由を解説します。
税理士本来の業務に支障をきたす
飛び込み営業は、事前のアポイントメントなしに訪問するため、訪問先が不在だったり、都合が悪かったりする場合があります。また、たとえ話を聞いてもらえたとしても、すぐに契約につながることは稀です。多くの時間を営業活動に費やすことになり、本来の業務に集中できなくなる可能性があります。
税理士は、専門的な知識やスキルを提供することで顧客から信頼を得ることが重要です。飛び込み営業に時間を費やすよりも、本来の業務に集中することで、より多くの顧客を獲得できる可能性があります。
評判が下がる
飛び込み営業は、一般的に迷惑行為とみなされることがあります。突然訪問されることで、不快な思いをする人もいるでしょう。また、飛び込み営業する税理士は、必死さが感じられ、かえって不安に思われることもあります。
税理士事務所は、地域社会からの信頼が重要です。飛び込み営業によって評判を下げることは、長期的な視点で見ると大きな損失につながります。
税理士変更を検討していないことがある
すでに税理士と契約している企業や個人は、現状のサービスに満足している場合が多く、税理士変更の必要性を感じていない可能性があります。そのような状況で飛び込み営業しても、契約に結びつく可能性は低いでしょう。
飛び込み営業は、見込み顧客ではない相手にアプローチすることになるため、効率が悪いと言えます。時間と労力を無駄にしないためにも、ターゲットを絞った営業活動が重要です。
税理士の営業に関するまとめ
税理士であっても新規顧客を獲得するには、営業スキルが求められます。営業方法は、ホームページを活用するなどのオンラインの営業方法と、セミナーや勉強会を開催するなどのオフラインの営業方法があります。
しかし、飛び込み営業は効率が悪いだけでなく、企業からの評判が下がる恐れがあるため注意が必要です。自分のビジネススタイル、性格に合った営業方法を選択していきましょう。
税理士.ch 編集部
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