フリーランス保護新法が施行!税理士がフリーランスになるには?働き方と必要なスキルを解説
「税理士の資格はあるけど、今の働き方に疑問を感じる」「もっと自由に自分のペースで働きたいけど、独立できるかな」と、悩んでいないでしょうか。
税理士として企業に勤める選択肢もありますが、近年ではフリーランスとして独立する税理士も増えています。自分の専門知識やスキルを活かして、独立開業という道を選ぶことは、大きな魅力を感じるでしょう。
しかし、フリーランスの税理士として成功するには、ただ税務の知識があるだけでは不十分です。顧客を獲得するための営業力や信頼関係を築くためのコミュニケーション能力、自分自身をマネジメントする力など、様々なスキルが必要となります。
さらに、独立開業の手続きやフリーランスならではの働き方、収入の変動リスクなど、事前に確認しましょう。
この記事では、税理士がフリーランスになるために必要なことや、フリーランス税理士のライフスタイルについて解説します。この記事を読めば、フリーランス税理士として独立するための具体的なイメージが湧き、一歩を踏み出す勇気が得られるはずです。
ぜひ、最後まで読んで、あなたの夢を実現するための参考にしてください。
目次
税理士がフリーランスになるには?
フリーランスの税理士は、時間や場所に縛られず、自分の裁量で仕事を進められるという魅力があります。しかし、フリーランスになるには、いくつかの手続きや準備が必要です。ここでは、税理士がフリーランスになるために必要なことについて解説します。
税理士登録を済ませる
税理士として活動するための第一歩として、税理士登録を済ませる必要があります。中には、今まで税理士登録せず働いている方もいるでしょう。
税理士登録とは、税理士法に基づき、税理士として業務を行うために必要な資格を得るための手続きです。この登録がなければ、税理士を名乗って仕事をすることはできません。
税理士登録は、フリーランスとして活動するための必須条件です。登録が完了したら、独立に向けて準備を進めていきましょう。
独立準備をする
税理士登録が完了したら、次は独立に向けて具体的な準備を始めましょう。フリーランスとして成功するためには、事前の準備が大切です。
どのような働き方をしたいのか、自分の専門分野や得意分野を明確にしましょう。企業の税務顧問、個人の確定申告サポート、相続税対策など、税理士業務は多岐に渡ります。自分の強みを活かせる分野に特化することで、顧客を獲得しやすくなるでしょう。
次に、事務所を構えるか、自宅で仕事をするかなど、働く場所を決めましょう。事務所を構える場合は、賃貸契約や内装工事などが必要になります。自宅で仕事をする場合は、仕事専用のスペースを確保することが大切です。
さらに、業務に必要なパソコンやプリンター、会計ソフトなどは必須と言えます。また、ホームページやブログを開設し、自分のサービス内容や実績をアピールすることも重要です。
独立前にしっかりと準備を整えることで、フリーランスとしてスムーズにスタートを切ることができます。
税務署に開業届出書を提出する
独立準備が整ったら、税務署に開業届出書を提出します。青色申告の承認申請書も同時に提出しておくと、税制上の優遇措置を受けることができます。提出期限があるため、早めに提出することが大切です。
【2024年11月施行】フリーランス保護新法とは
フリーランス保護新法とは、フリーランスの方々が安心して働けるように、取引をもっと公平にするための法律です。
これまで、フリーランスとして働く人の中には、不利な条件で仕事をさせられたり、報酬が支払われなかったりするケースもありました。この法律が施行されることで、そんな不安やトラブルが減ることが期待されています。
具体的には、企業はフリーランスに対して、仕事の依頼内容や報酬額などを書面でしっかりと伝える必要があります。また、報酬は仕事が完了してから60日以内に支払わなければなりません。もし、企業がこれらのルールを守らない場合は、罰則が科せられる可能性もあります。
これからフリーランスとして活動される方は、フリーランス保護新法について理解することが大切です。
フリーランス税理士のライフスタイル
フリーランスとして働く場合、従業員のときとは異なるライフスタイルになります。自由な働き方ができる反面、責任も大きくなるでしょう。ここでは、フリーランス税理士のライフスタイルについて、詳しく解説します。
自分のペースで仕事を進められる
フリーランスの魅力の一つは、自分のペースで仕事を進められることです。特定の企業に雇用されるわけではないため、自分の裁量で仕事のスケジュールを調整できます。
例えば、午前中は集中して申告書作成を行い、午後はクライアントとの打ち合わせや税務調査に臨む、といった柔軟な働き方が可能です。また、家族の予定やプライベートの時間を優先したい場合でも、比較的自由に調整できることが多いでしょう。ただし、締め切りがある業務も多いので、自己管理能力は必要不可欠です。
最新の税務知識を自分で習得する必要がある
税法は頻繁に改正されるため、フリーランス税理士は常に最新の税務知識を習得し続ける必要があります。事務所に所属する税理士であれば、研修制度を利用したり、先輩からアドバイスをもらったりする機会がありますが、フリーランスの場合は自ら情報収集を積極的に行う必要があります。
例えば、税務に関する書籍や専門誌を読んだり、セミナーに参加したりと、様々な方法で情報収集することが求められます。常にアンテナを張り、変化に対応していくことが、フリーランス税理士として成功する鍵と言えるでしょう。
クライアントと信頼関係を築ける
クライアントは、税務に関する悩みや不安を抱えていることが多く、親身になって相談に乗ってくれる税理士を求めています。フリーランス税理士は、クライアントと直接コミュニケーションを取り、個々の状況に合わせたアドバイスを提供することで深い信頼関係を築くことができます。信頼関係が構築できれば、クライアントからの紹介が増えたり、長期的な契約に繋がったりする可能性も高まるでしょう。
すべての業務を自己責任で行う必要がある
業務の進め方やクライアントとのやり取りはもちろん、納税や保険、年金などの手続きも自分で行わなければなりません。万が一、業務上でミスが発生した場合、その責任はすべて自分が負うことになります。常に慎重かつ責任感を持って、業務に取り組むことが大切です。
顧客数や業務内容によって収入が変動する
顧客数が多ければ収入も増えますが、顧客獲得のために営業活動やマーケティング活動に力を入れる必要があります。税務申告だけでなく、相続や事業承継などのコンサルティング業務にも対応することで、収入アップが見込めるでしょう。
しかし、顧客獲得や業務内容の拡大には、時間と労力が必要となるため、収入と仕事のバランスを意識することが大切です。
フリーランス税理士に必要なスキル
フリーランス税理士に必要なスキルは、以下が挙げられます。
- コミュニケーション能力
- 自己管理能力
- 営業力
- マーケティング能力
- 税務以外の独自の強みを持つ
ここでは、フリーランス税理士に必要なスキルについて解説します。
コミュニケーション能力
クライアントとの信頼関係を築き、スムーズに業務を進める上で、コミュニケーション能力が重要な役割を果たします。
例えば、クライアントの話を丁寧に聞き、質問にわかりやすく答えることで、クライアントは安心して仕事を依頼できます。また、税務に関する専門用語を避け、わかりやすい言葉で説明することで、クライアントとの相互理解を深めることも可能です。
さらに、定期的な面談や報告を欠かさず行うことで、クライアントとの良好な関係を維持し、長期的な信頼関係を築くことができます。コミュニケーション能力は、クライアントとの信頼関係を築き、業務を円滑に進める上で重要なスキルと言えるでしょう。
自己管理能力
自己管理能力が低いと、仕事が滞ったり、納期に間に合わなかったりする恐れがあるため注意が必要です。
例えば、毎日のタスクをリスト化し、優先順位をつけて取り組むことで、効率的に業務を進めることができます。また、締め切り前に余裕を持って作業を完了させる計画性を持ち、スケジュール管理を徹底することで、納期遅延を防ぐことが可能です。
営業力
フリーランスは、自分自身でクライアントを獲得しなければなりません。そのため、営業力は重要なスキルと言えます。多くのクライアントを獲得することで、安定した収入と事業の継続的な成長が見込めます。営業力を強化することで、フリーランス税理士として多くのクライアントを獲得し、事業を安定的に成長させることができるでしょう。
マーケティング能力
市場や顧客のニーズを理解し、適切なマーケティング戦略を立てることで、競争の激しい市場においても、自身の存在価値を高めることができます。
例えば、ターゲットとする顧客層を明確化し、その層に響くようなサービス内容や料金設定を検討することで顧客獲得の可能性を高めることが可能です。また、ホームページやSNSなどを活用し、自身の専門性や実績をアピールすることも重要です。
税務以外の独自の強みを持つ
税務に関する専門知識やスキルは当然必要ですが、それだけでは不十分です。他の税理士との差別化を図り、顧客に選ばれるためには、税務以外の独自の強みを持つことが重要となります。
例えば、特定の業界に精通している、経営コンサルティングのスキルを持っている、語学力があるなど、独自の強みを持つことで、顧客に特別な価値の提供が可能です。また、顧客のニーズに合わせて、柔軟に対応できることも強みとなります。
まとめ
フリーランス税理士は、従来の会社員とは異なり、自由で責任ある働き方ができます。自分のペースで仕事を進め、スケジュールを自由に調整できる点は大きな魅力です。しかし、自由である一方、高い自己管理能力と責任感が求められます。
フリーランス税理士として成功するには、自己管理能力、情報収集能力、コミュニケーション能力、責任感が重要です。これらの要素をバランス良く備え、クライアントとの信頼関係を築くことで、フリーランス税理士として充実したライフスタイルを送ることができるでしょう。
税理士.ch 編集部
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