【令和7年度】CEV補助金とは?概要・申請方法・注意点などをわかりやすく解説

【令和7年度】CEV補助金とは?概要・申請方法・注意点などをわかりやすく解説

「令和6年度補正予算」に基づき実施されている「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」をご存じでしょうか?本補助金は、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)などのクリーンエネルギー車を導入する際の費用の一部について、補助を受けることができるという制度です。企業や個人が環境に配慮した車両を導入することで、脱炭素社会の実現を後押しすることが目的とされています。

この記事では、CEV補助金の制度概要や申請から交付までの流れ、注意点などについてわかりやすく解説していきます。

参照元:令和6年度補正 CEV補助金(車両)のご案内

目次

CEV補助金とは

CEV補助金とは、「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」の略称であり、経済産業省の支援を受けて一般社団法人次世代自動車振興センターが運営する国の補助金制度です。正式には「令和6年度補正予算 クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助事業」という制度として位置づけられています。

この制度は、2050年カーボンニュートラルの実現を目指す中で、脱炭素社会の要となるクリーンエネルギー車の普及を促進するために設けられました。対象となる車両は、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)などであり、一定の環境性能や登録要件を満たした新車に対して、購入費用の一部が補助されます。

本補助金の主な目的は以下の3点です。

  • 脱炭素化の加速:ガソリン・ディーゼル車からゼロエミッション車への転換を促進し、運輸部門からの温室効果ガス排出を大幅に削減します。
  • EV・FCV市場の成長支援:新技術を活用したクリーン車両の普及を支え、関連産業の活性化とコスト低減につなげます。
  • 地方や中小企業の導入促進:インフラ整備や自治体補助との併用により、車両導入への初期コスト負担を軽減します。

補助対象となる車両について

令和7年度における補助対象車両は、下記の通りです。

  • 電気自動車(EV)
  • プラグインハイブリッド自動車(PHEV)
  • 燃料電池車(FCV)
  • 超小型モビリティ
  • ミニカー
  • 速射月二輪自動車・原動機付自転車

これらのうち、次世代自動車として定められた要件を満たす車両であることが条件です。具体的な対象車種は、次世代自動車振興センターの「補助対象車両一覧」に掲載されており、定期的に更新されています。条件や補助額は新車新規登録日により異なるため、注意が必要です。

参照元:令和6年度補正クリーンエネルギー自動車導入促進補助金交付規程(車両)補助対象車両一覧

申請方法・スケジュール

補助金の申請は、専用のマイページからオンラインで行う形が原則となっています。おおまかな申請フローは以下の通りです。

  1. 交付規定をよく読み、条件や期限などを確認する
  2. CEV補助金マイページを登録する
  3. 対象車両を購入・リース契約し、登録・届出を行う
  4. 補助金交付申請書類を用意し、アップロード・申請する(オンライン推奨)
  5. 審査後・補助金決定通知を受け取る
  6. 補助金交付(振込)
  7. 車両の一定期間(4年または3年)の保有

申請時の注意点

申請にあたり押さえておくべき注意点について、以下に解説します。

補助対象車両は、原則として「初度登録車両(新車)」であること 

CEV補助金は、新車の導入を目的としているため、登録済中古車や名義変更された車両は補助対象外です。初度登録とは、ナンバープレートが初めて交付された状態を指し、いわゆる「ディーラーで未登録の新車」が対象となります。軽自動車やリース車の場合も、初度登録が必要であり、登録日が申請対象期間内に収まっていることが条件となります。 

補助金は「決定通知書」が交付されてから支給される¥

CEV補助金は、申請してすぐに交付されるものではなく、審査のうえ「補助金交付決定通知書」が発行されてから初めて支給対象となります。登録や支払いを完了し、書類提出を済ませた段階では「申請中」の状態であり、決定前に補助金をあてにした資金繰り計画を立てることはリスクを伴うため注意が必要です。

原則として4年間の保有義務あり

補助金を受け取った車両は、原則として4年間(軽・小型二輪などは3年間)の保有義務があります。期間内に売却、廃車、譲渡、用途変更などを行う場合、原則として補助金の一部または全部を返還しなければなりません。特別な事情(事故や災害など)がある場合は、所定の「処分承認申請」を行う必要がありますが、承認されない場合の返還リスクは高くなります。

同一車両に対して複数のCEV補助金申請は不可

ひとつの車両について、複数の申請を行うことはできません。例えば法人で購入した車両に対して代表者個人として重複申請を行った場合や、リース会社とリース契約者の両方が申請するようなケースは、審査で発覚すれば却下・返還対象となります。申請権限は「所有者」または「使用者(リース契約に基づく)」のいずれか1名に限られる点に注意が必要です。

補助金交付後、ナンバー変更や用途変更等には報告義務がある

補助金交付後に、車両の登録ナンバーや用途(事業用→自家用など)に変更が生じた場合は、所定の「変更届出書」の提出が義務付けられています。変更届が未提出、または虚偽の報告を行った場合は補助金の返還および加算金の対象となる可能性があります。また、交付決定より以前(交付決定日を含む)に事業用に変更してしまうと、補助要件を満たさないため、補助金交付ができません。

これらのルール違反が確認された場合、補助金の返還や交付取消といった措置がとられることもあるため注意が必要です。

地方自治体補助との併用

CEV補助金は、国の制度である一方、地方自治体が独自に実施している電動車普及支援制度との併用が可能です。これは、EVやPHEVなどの導入をより現実的かつ積極的に進めるための制度設計となっており、自治体の取り組みによっては補助金額が大幅に上乗せされるケースもあります。

【東京都】令和6年度 ZEVの車両購入補助金

東京都が実施しているもので、「2050年CO2排出実質ゼロ」に貢献する「ゼロエミッション東京」の実現に向け、都内で新車販売される乗用車を2030年までに100%非ガソリン化することを目指すために定められました。ゼロエミッションビークル(ZEV:電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV))に対する車両購入費補助を受けることができます。

参照元:ZEVの車両購入補助金のお知らせ|都庁HP

【名古屋市】ゼロエミッション車の購入補助金

名古屋市が実施しているもので、大気環境の改善、運輸部門からの二酸化炭素排出削減及び災害対応力の向上のため、外部給電機能を有するゼロエミッション車の新車を購入又は4年以上のリース契約をした個人に対して車両の購入費用の一部が補助されるというものです。

補助額や受付期間、対象条件は自治体ごとに異なるため、必ず各自治体のホームページで最新情報を確認するようにしましょう。

参照元:ゼロエミッション車の購入補助金について|名古屋市HP

よくある質問(Q&A)

ここでは、よくある質問についてQ&A形式で以下に解説します。

Q1. CEV補助金はいつ申請できますか?

A. 車両の登録(届出)と全額支払いが完了した後に申請できます。申請期限は登録日によって異なりますが、2024年12月17日〜2025年4月30日登録分は2025年5月31日まで、それ以降は登録日から1か月以内が原則です。

Q2. 中古車や展示車も補助対象になりますか?

A. いいえ。補助対象は「初度登録がされていない新車」に限られます。すでにナンバーが交付された中古車や未使用車、展示登録済車両などは対象外です。

Q3. 法人名義でリース契約した場合も申請できますか?

A. はい。リース契約でも申請は可能ですが、申請者はリース契約における「使用者」となります。リース会社(所有者)ではなく、実際に車両を使用する側が申請してください。

Q4. 補助金はいつ振り込まれますか?

A. 書類審査・交付決定後、実績報告書(写真等)を提出し問題がなければ、原則として1〜2か月以内に指定口座へ振り込まれます。ただし、申請内容や混雑状況により遅れる可能性もあります。

Q5. 補助金をもらった場合、税金はどうなりますか?

A. 個人事業主の場合は所得税法第42条により非課税(総収入金額に不算入)となり、法人は法人税法第42条により圧縮記帳が認められます。消費税の仕入税額控除については補助金対応分が控除対象外となるため、申告上の注意が必要です。

Q6. 申請後に車両を売却したくなったらどうすればよいですか?

A. 原則として補助金受給後4年間(軽・小型車は3年間)の保有義務があります。やむを得ず売却や用途変更をする場合は、「処分承認申請書」を提出し、承認を得たうえで手続きする必要があります。無断で処分した場合は補助金返還・加算金の対象となります。

まとめ

いかがでしたか?本記事では、CEV補助金の概要・申請方法・注意点などを解説してきました。

まとめると、

  • CEV補助金は、国が実施する環境対応車両の導入促進制度である
  • EV・PHEV・FCV・一部クリーンディーゼル車などの次世代自動車が補助対象となっている
  • 車種別に補助額が異なり、加点項目も存在するので注意が必要
  • 申請はオンライン推奨で、交付までの流れを正しく理解することが重要である
  • 地方自治体の補助制度と併用すれば、より高額の補助が得られる可能性がある

以上が本記事の要点となります。

CEV補助金は、脱炭素社会の実現に向けた重要な政策の一環として、電動車両等の導入を強力に後押しする制度です。令和7年度も引き続き手厚い支援が見込まれ、EVやFCVの導入を検討する方にとって活用しない手はありません。車両購入を考えている方はぜひ本補助金の活用をご検討ください。

本記事がCEV補助金の知識を深める一助となれば幸いです。

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