【令和7年度】公認会計士試験の日程と試験対策を解説

【令和7年度】公認会計士試験の日程と試験対策

公認会計士の試験は短答式試験と論文式試験の2構成にて実施されます。

2025年の試験はすでに始まっており、5月の短答式試験が終われば、8月の論文式試験を残すのみです。2026年の試験日程はすでに発表されており、例年通り短答式試験は5月と12月、論文式試験は8月に行われます。

本記事では、公認会計士試験の日程とそれぞれの試験科目の概要や抑えておくべきポイントを紹介しています。公認会計士試験の受験を考えている人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

目次

令和7年(2025年)の公認会計士試験の日程

公認会計士の試験は、短答式と論文式試験の2つに分けて実施されます。

令和7年度の試験日程は、記事作成時点ですでに1回目の短答式試験が終了しており、2回目の短答式試験に差し掛かるところです。

論文式試験は8月22日から24日にかけて実施されます。

短答式試験

試験日時令和6年12月8日
令和7年5月25日
試験の形式マークシート方式
科目財務会計論
管理会計論
会社法監査論
合格の基準総得点の70%以上が目安

論文式試験

試験日時令和7年8月22日〜8月24日
試験形式記述式
科目必須科目
監査論
租税法
会計学(財務会計論・管理会計論)
企業法

選択科目から一つ選択
経営学
経済学
民法統計学
合格の基準・52%の得点比率が目安。
・最終的な合否判断は審査会が相当と認めた得点比率

令和8年(2026年)の公認会計士試験の日程

令和8年の公認会計士試験の日程もすでに発表済みです。

  • 第1回短答式試験 2025年12月14日
  • 第2回短答式試験 2026年5月24日
  • 論文式試験 2026年8月21日~8月23日

令和8年の公認会計士試験は令和7年と同じく、インターネット出願のみの受付となります。

公認会計士試験の短答式試験の詳細

短答式試験の詳細を科目や試験時間、出題形式ごとに詳しく説明します。

試験科目・試験時間・出題数

短答式試験の科目は4科目です。

各科目の試験時間と出題数、配点を一覧表にまとめました。

試験科目試験時間出題数配点
企業法60分20問100
管理会計論60分20問100
監査論60分16問100
財務会計論120分28問200

財務会計論の配点の多さがポイントです。試験時間も十分に割り当てられており、合格のためにはしっかり抑えておく必要があります。

科目別の出題形式と内容

・企業法

企業法の短答式試験で出題されるのは、4肢6択形式の正誤問題です。4肢6択形式では4つの選択肢の中から、正解の組み合わせを6つ選びます。

「〇〇とは××ということである」という記述が与えられ、6つの選択肢の中から正解の組み合わせを選ぶ形式です。

出題項目は会社法・商法・金融商取引法の3つに分けられます。問題の多くは会社法に関する内容であることから、会社法を中心に対策を進めると良いでしょう。

・管理会計論

管理会計論では、計算問題と理論問題が出題されます。

試験時間の割に問題数が多いため、問題を解くスピード感が求められます。時間が足りない場合は、問題の取捨選択も必要です。

管理会計論の分野は原価計算と管理会計の2つの分野に大別されます。

それぞれの出題項目を一覧表にまとめました。

原価計算原価計算の基礎知識
実際原価計算
個別原価計算と製造間接費の配賦
総合原価計算
標準原価計算
管理会計管理会計の基礎知識
財務情報分析
予算管理
キャッシュフロー管理
コスト・マネジメント

・監査論

監査論も企業法と同じく、4肢6択形式で正しい選択肢の組み合わせを選ぶ出題形式です。監査論で出題される問題は以下の範囲から出題されます。

  • 財務諸表監査
  • 中間監査
  • 期中レビュー及び内部統制監査の理論
  • 制度及び実務

監査論は他の科目に比べると問題の量は少なめですが抽象的な出題が多いため、実務経験に乏しい場合は理解するまでに時間がかかるかもしれません。

・財務会計論

財務会計論は短答式試験の中でも唯一配点が200点、試験時間が120分に設定されています。出題形式は個別問題が22問、総合問題が1問です。理論問題と計算問題の双方が出題されます。

財務会計論の出題範囲は以下の3つです。

  • 簿記
  • 財務諸表論
  • 会計理論

財務会計論はボリュームの大きさからみて、4科目の中でも最も重要性が高いと考えられます。短答式試験の合否を左右すると言っても過言ではありません。

公認会計士試験の論文試験の詳細

論文式試験はすべて記述式です。論文式試験に取り組むにあたって、心得ておくポイントは次の3点です。

  • 論文式試験は思考力と判断力、応用能力、論述力に重点が置かれている
  • ボリュームが大きく難易度が高いため、問題の取捨選択も必要になる
  • 合否判定では得点比率が用いられるため、平均を大きく下回る点数をとると不利になる

論文式試験では法規集が配布されるため、法律の暗記をする必要はありません。基礎的な法律の知識よりも、法規集の中から必要な情報をピックアップして、適切な回答を導き出す能力が求められます。

知識を実務に活かす力や解決策を考える力が求められる試験です。短答式試験の詳細を科目や試験時間、出題形式ごとに詳しく説明します。

試験科目・試験時間・出題数

論文試験の試験科目は必須科目4科目と選択科目1科目の計5科目で実施されます。

試験科目と試験時間、配点は次の通りです。

試験科目試験時間配点
監査論120分100
租税法120分100
会計学(午前)
※内容は管理会計論
120分100
会計学(午後)
※内容は財務会計論
180分200
企業法120分100
選択科目
※経営学・経済学・民法・統計学
120分100

必須科目別の出題形式と内容

・監査論

監査論の論文試験では、理論の説明を求める問題が出題されます。過去の監査論の論文式試験では、次のような問題が出題されました。

  • 監査の必要性
  • 監査の目的
  • 不正リスク対応基準に関する問題

一目みて難しそうな問題が出題されますが、根本的に問われている内容は基礎的なものです。問題の本質を見極める力が試されます。

・租税法

租税法は必須4科目の中で、論文試験にのみ出題される科目です。

主な出題範囲は次の通りです。

  • 租税実体法
  • 関連する租税特別措置法
  • 法令の解釈と適用に関する実務上の取扱

租税法の出題範囲はとても広いため、まずは基礎的な問題をしっかりと抑えることから始める必要があります。基礎的な問題と高難易度の応用問題が合わせて出題される傾向です。

午前の会計学

午前の会計学では、会計管理論が出題されます。論文式試験の主な出題範囲は次の通りです。

  • 個別原価計算と製造間接費の配賦
  • 総合原価計算
  • 連産品と副産物の原価計算
  • 標準原価計算
  • 短期利益計画のための管理会計
  • 予算管理
  • コスト・マネジメント
  • 差額原価収益分析
  • 投資計画の経済性計算
  • 分権化組織とグループ経営の管理会計

全体のボリュームは大きなものの、管理会計論はすでに短答式試験でも出題されていることから、学習したことをそのまま活かせるポイントも多いです。

・午後の会計学

午後の会計学で出題されるのは財務会計論です。計算問題と理論問題の組み合わせで出題されるケースが多く見られます。

主な出題範囲は次の通りです。

  • 会計主体論
  • 利益概念
  • 純資産
  • 株主資本等変動計算書
  • キャッシュフロー計算書
  • 金融商品
  • ストック・オプション等
  • リース
  • 退職給付
  • 収益認識 等

最大のボリュームかつ配点も高いことから、もっとも優先度が高い科目です。確実に解答できる問題を増やすため、繰り返し勉強することが必要です。

・企業法

企業法の主な出題範囲は会社法です。会社法の他には、金融商品取引法も出題されます。企業法の論文試験で問われるのは主に判例や条文の趣旨についてです。

問題の多さに対して試験時間が短いため、配布される法規集を使って時間をかけて問題を解くことはできません。また、企業法は他の科目よりも論述量が多いため、頭の中で文章を構成する力も求められます。

選択科目の詳細

選択科目は以下4科目の中から一つだけ選んで受験します。

  • 経営学
  • 経済学
  • 民法
  • 統計学

中でも経営学は他の科目に比べてボリュームが少なく、出題範囲の予想がしやすいことから、選択される傾向が強いです。

ついで選ばれやすいのは統計学です。統計学も比較的ボリュームが少なく、出題形式が計算問題に限られるため点を取りやすい特徴があります。

まとめ

公認会計士の試験は短答式試験、論文式試験ともに幅広く、基礎的な内容から応用的な難しい問題まで幅広く問われる難しい試験です。

出題形式や内容に合わせた十分な勉強が求められます。

試験の日程を確認したら、逆算して目標を細かく設定しつつ勉強の計画を立てましょう。地道な勉強と目標のクリアの積み重ねが、合格への一番の近道です。

税理士.ch 編集部

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