公認会計士の資格取得後にいきなり独立できる?メリットややるべきことも紹介

公認会計士の資格を取得した後に、いきなり独立することはできるのでしょうか。

将来の目標を独立開業に設定している人は、資格を取得した後すぐにでも独立したいと考える人は多いと思います。公認会計士の独立にルールは設定されていませんので、資格取得後にすぐ独立することは可能です。しかし、最初から全てがうまくいくケースは少ないでしょう。

本記事では、独立するメリットやデメリット、準備などについて詳しく説明しています。早く独立したいと考えている人は、ぜひ記事内容をご確認ください。

目次

公認会計士として独立できる最短ルートと年齢

公認会計士の独立は年齢によって有利になる、もしくは不利になるケースは少ないです。監査という独占業務がある他に、税理士業務もできる公認会計士にとって、年齢はそれほど気にすることではありません。公認会計士の資格を取得するためには、合格した後に3年以上の実務経験と実務補習の修了が必要です。3年間の実務経験を終えて資格を取得したらすぐに独立しても問題はありません。

公認会計士の合格者の平均年齢が24歳くらいということを考えると、最短で独立できる年齢はおおよそ27歳から28歳くらいです。20代という貴重な時間を独立に賭けるのも選択肢の一つです。

公認会計士としていきなり独立するメリットとデメリット

公認会計士の資格を取得した後にすぐ独立するメリットとデメリットを紹介します。

メリット

  • 若き経営者の肩書を手に入れることができる
  • 体力と柔軟性に任せた活動ができる
  • 失敗してもやり直しがしやすい

最大のメリットは若さです。20代なら体力も十分にありますし、経験が浅い分だけ考え方に柔軟性があります。
仮に失敗したとしても、まだまだやり直しがしやすい年代です。中高年層が二の足を踏んでしまうほどの思い切ったチャレンジも20代なら、躊躇なくできるでしょう。

デメリット

  • 最初は伸び悩む可能性がある
  • 若く、実績が少ないため低く見られてしまうこともある

横のつながりを持たずにいきなり独立してしまうと、定期的な案件を獲得できずに不安定な時期が続く可能性があります。最初の伸び悩みは、いきなり独立の道を選んでしまうと避けられません。軌道に乗るまではある程度時間がかかることを認識しておいた方が良いでしょう。

20代で独立する場合の考え方

20代で独立する場合の基本的な考え方は若さを武器に、アグレッシブに動くことです。スタートアップ企業など、波長が合いそうな企業に積極的にアプローチして仕事を獲得していきます。

スタートアップ企業は経営者や役員が若い人が多いため、同世代からこそ分かり合える経営上の悩みを共有することも難しくはありません。クライアントの獲得には異業種交流会や士業交流会などのネットワークやSNS、Webサイトからの集客を効果的に活用すると良いでしょう。

20代での独立は業務経験が浅いことがネックになります。専門知識の習得はもちろんのこと、知識を得るための業界内での横の繋がりも大切です。

公認会計士として独立するために必要な手続き

公認会計士として独立するために必要な手続きを3つピックアップしました。

  • 事業内容を決める
  • 事務所の場所の選定
  • 資金調達

事業内容を決める

公認会計士が独立する場合、事業内容を明確に決めておくことが大切です。
公認会計士は税理士として登録することによって税務にも携わることができるようになりますが、事前の手続きが必要です。

監査法人で非常勤として働く場合もに事前の契約が必要です。

まずは事業内容を定めることから、今後の道筋が見えてくるというわけです。事業内容を早い段階で決定した後に必要な手続きを進めていくようにしましょう。

事務所の場所の選定

開業場所は今後の事業の先行きを決定する大事な決定事項です。公認会計士の仕事はそれほど大きな備品が必要ではないため、自宅兼事務所でも対応できます。

とはいえ、ある程度の事業規模を想定している場合はある程度の事務所は必要になるでしょう。自宅とは別にオフィスを構える場合は、賃貸物件の検討も必要です。信用を得たい場合はできるだけ、地価の高い場所にオフィスを構えた方が良いでしょう。

資金調達

公認会計士の仕事は大掛かりな設備を必要としないため、多額の初期費用を必要としません。とはいえ、仕事が軌道に乗るまでは資金繰りが厳しくなることも想定されます。

どうしても資金が必要な場合は、銀行融資や日本政策金融公庫からの融資、あるいは個人からの借入など、方法は様々です。どの方法を選ぶかは、事業計画の内容や個人の信用力などによって異なります。

独立する前にある程度の資金的余力をもっておいた方が、軌道に乗るまでの時期をスムーズにクリアできます。

公認会計士として独立するためのステップと準備

公認会計士として独立する前にやるべきことを紹介します。

必要な知識を身につける

独立までに身につけたおきたい知識を3つピックアップしました。

  • 税務の知識
  • M&Aの知識
  • 融資や補助金の知識

税務の知識は、独立後多くの人が必要性を痛感します。公認会計士の場合は仕事の幅を広げるためにも身につけておきたい知識の一つです。

M&Aの知識はコンサルティングファームで実務に携わらないと習得しにくい知識です。独立後に仕事の幅を広げるためにも積極的な習得が求められます。中小企業を対象とした融資や補助金制度は多いため、事前にどんなものがあるか確認しておきましょう。初期の不安定さをうまく乗り切るには補助金の力は大きいです。

独立までのステップとやるべきこと

独立までにやっておきたいことを6つピックアップしました。

キャリアプランを十分に考えておく

会計士として独立する前に、自分のキャリアプランを十分に考えておきましょう。将来何がしたいのかを明確にすると、今やるべきことがはっきりしてきます。

資金の準備

資金の準備も欠かせません。まとまった資金があれば、初期の不安定な時期を平常心で乗り切ることができます。独立はしたものの仕事が取れず、定期的な収入が得られなければ焦りから良い仕事ができなくなります。

否応なしに本意ではない仕事も受けざるを得ません。

キャリアプランに沿ってまっすぐに進みたい場合は、資金の余裕は必要となるでしょう。

業務範囲を決めておく

これまでの経験を軸に、自分の色を出せる業務範囲を決めましょう。ライバルとの差別化にも業務範囲を明確にすることは大切です。今まで自分が取り組んできた経験やノウハウを業務に結びつけることで、効率的な業務運営ができるようになります。

やることとやらないことを決めておく

得意分野を軸にした業務範囲の決定の一方で、やることとやらないことの決定も欠かせません。請け負う業務を決める一方で、決めたこと以外の業務まで手を伸ばさないことも大切です。

とりあえず依頼を受けておこうという考え方では、やりたくない事に時間を取られる結果になってしまい、当初の目的から大きく離れてしまうこともあります。

人脈の拡大

仕事の確保には人脈も欠かせません。独立するまでに異業種交流会に参加したり同業の人と交流したりするなどして、横の繋がりを増やしておきましょう。案件が減った時に仕事を紹介してもらえる、または忙しい時に仕事を手伝ってもらうなど、柔軟な関係性を気づいておけば独立後の助けとなるでしょう。

集客方法を検討する

人脈を確保できたら、自力での集客方法を模索し確立します。会計士としていきなり独立した人は営業の経験がないため、集客に戸惑うかもしれません。

ホームページやSNSをうまく活用して事前に集客方法を考えておけば、独立した後の苦労が少なく済みます。

独立後に高収入を狙うには

公認会計士として独立後に高収入を狙うためは何が必要とされるのでしょうか。売り上げのアップのために押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

  • クライアントを増やす
  • 得意分野で差別化を図る
  • コンサルティング業務を請け負う

クライアントを増やす

クライアントを増やすことはそのまま売り上げの増加に繋がります。新規顧客の獲得は事務所の収入基盤を盤石なものにするために欠かせないものです。

クライアントを増やす方法は、交流会などで横の繋がりを強化する他に、既存顧客からの紹介を受けるなどの方法があります。

最近ではSNSやブログなどWeb上での集客も効果を発揮するようになりました。クライアントが少ない間は、あらゆる方法を試してみて、より良い方法を見つけ出しましょう。

得意分野で差別化を図る

他の公認会計士との明確な差別化も大切です。選択のテーブルに乗った時に他との違いが明確になければ、価格面でのアピールに限られてしまいます。

仕事の質で差別化するためには、特定の専門分野に精通したスキルや実績を積極的にアピールすることが大切です。具体的には、連結納税や組織再編税制など、高度な税務サービスに対応できれば差別化になるでしょう。

M&A支援や事業再生支援など、専門性が求められる分野での実績も良いアピールポイントです。

コンサルティング業務を請け負う

コンサルティング業務の取り扱いも売り上げを伸ばすには有効な手段です。企業戦略や財務管理に関するコンサルティングの需要は安定して高い傾向にあります。

コンサルティングの仕事は他の業務に比べても報酬単価が高く、単発でも高収入に期待できます。コンサルティングは公認会計士の実力がいかんなく発揮できる領域でもあるため、将来的なキャリア形性の上でも抑えておきたい業務の一つです。

まとめ

公認会計士として独立することは難しくありませんが、事業を継続するのは簡単ではありません。

独立したての頃はクライアントの拡大に注力しつつ、自己研鑽にも努めたいところです。独立後の仕事をスムーズに進めるためにも、独立前の準備はしっかりしておきましょう。

税理士.ch 編集部

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