士業が利用するべきSNSとその活用方法

株式会社ウェブタイガー 代表取締役
一般社団法人ウェブ解析士協会 SNSマネージャー養成講座 創設者
生成AI・ソーシャルメディア コンサルタント
田村 憲孝

現在、Instagram、Facebook、X(旧Twitter)など、ビジネスに活用できるさまざまなSNSプラットフォームが存在しています。それぞれのプラットフォームは異なる特性を持ち、適切に活用することで士業のビジネスに大きな効果をもたらすことが可能です。今回は税理士をはじめとした士業の方々が利用すべきSNSとその活用方法についてお伝えします。

SNSを活用することで、見込み顧客へのリーチを広げたり、既存のクライアントとの関係を強化したりすることが可能となります。士業にとってのSNS活用は、単に情報発信の手段としてだけでなく、信頼性の向上やビジネス機会の創出といった多面的な価値を提供してくれます。

まずはLinkedInとFacebook〜信頼性と関係構築の重要性~

士業の分野においてビジネスの信頼度は非常に重要です。LinkedInは実名でのプロフィールをベースにしたビジネス向けSNSであり、士業が自分の専門性をアピールし、ビジネスネットワークを広げるための最適なプラットフォームです。ターゲットユーザーに向けた専門的な記事や自身のキャリアに関する投稿を通じて、クライアントや同業者に自分の信頼性をアピールすることができます。

LinkedInでは、自分の職務経歴やスキルを詳細に記載することで、専門家としての地位や経歴を強調できます。また、クライアントからの推薦文や同僚からの評価を受けることで、さらに信頼度を高めることが可能です。そして特に税務や会計に関する記事を投稿すれば、専門的な知識を持っていることを示し、潜在的な顧客に対してあなたの価値を知らせることができます。

また日本国内ではFacebookも非常に有効です。特に既存の顧客や地域に密着した関係性を築く上で非常に有用です。顧客に役立つ知識や活動の様子を共有することで、クライアントや見込み顧客に安心感を与え、信頼関係を築くことが可能ですし、地域イベントやオープンセミナーの告知にも活用でき、オフラインでの関係を強化する手段としても役立ちます。

さらに、定期的に更新することで顧客との接点を保ち、親しみやすさを演出することができます。事務所の日常やスタッフ紹介などを投稿して、クライアントに対して親しみやすい印象を与えることも可能です。

主なSNSのメリットとデメリット

◆LinkedIn

メリット:ビジネスに特化したSNSで、士業としての信頼性を高めることができる。専門知識や実績をアピールするのに適している。また、同業者とのつながりを強化し、新たなビジネスチャンスを創出できる。

デメリット:日本国内での利用者数は他のSNSに比べて少ない(2024年現在約400万人)。そのため、他のSNSやサイトと連携することが必要。

◆Facebook

メリット:実名登録で信頼性が高く、既存顧客や地域コミュニティとのつながりを深めるのに最適。親しみやすさを出しながら、日常の活動やイベント情報を共有できる。特に年配(経営者・決済者)の顧客層にもリーチしやすい。

デメリット:若年層の利用者が減少傾向にあるため、ターゲットとする年齢層によっては効果が限定的。また、投稿の更新頻度が低いと顧客からの関心が薄れる可能性がある。

◆Instagram

メリット:ビジュアル重視で、写真や動画を使ってサービスの魅力を伝えることができる。特に、事務所の雰囲気やスタッフの日常を伝えることで親しみを持たせる。また、ハッシュタグを活用することで新しい顧客層にもアプローチできる。

デメリット:投稿にビジュアルが必要なため、内容によっては発信が難しい場合がある。特に専門的な内容を視覚的に表現するのが難しいことがある。

◆X(旧Twitter)

メリット: 短いメッセージで情報発信ができ、トレンドに乗りやすい。業界ニュースや税制改正情報などの速報性の高い内容を共有するのに向いている。ハッシュタグを使って広範なオーディエンスにリーチできる点も魅力的。

デメリット: 短い投稿が中心であるため、深い内容の説明には向いていない。誤解を生むリスクもあり、慎重な情報発信が求められる。

SNS活用のポイント

税理士がSNSを活用する際のポイントとしては、まずどのプラットフォームが自分のターゲット層に合っているかを見極めることが大切です。ビジネスネットワークを拡大し信頼性を高めたいのであればLinkedIn、地域密着型の関係性を築きたい場合はFacebookが効果的です。また、InstagramやXを活用して、クライアントとの親しみやすいコミュニケーションを図ることも有効です。

SNSは使い方次第で強力な営業ツールとなり得ます。自分のスタイルに合ったプラットフォームを選び、戦略的に情報発信を行うことで、ビジネスの成長に繋げていきましょう。

また、SNSの活用は、クライアントとの距離を縮めるだけでなく、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性を秘めています。SNSを活用したマーケティング戦略は、士業にとって今後ますます重要な要素となることでしょう。それぞれのプラットフォームは異なる特性を持っていますが、共通して重要なのは、定期的に更新し、顧客との接点を維持継続することです。定期的な投稿により、顧客からの信頼を勝ち取り、ビジネスの拡大を目指しましょう。

田村 憲孝

株式会社ウェブタイガー 代表取締役
一般社団法人ウェブ解析士協会 SNSマネージャー養成講座 創設者
生成AI・ソーシャルメディア コンサルタント

不動産会社で営業職・営業管理職としての経験を積んだ後、2010年に独立し、現職に至る。 企業や自治体のSNS運用を、研修・講演・運用代行・広告運用を通じて支援。2023年からは、 ChatGPTなどの生成AIを活用したSNS運用支援を開始。 さらに、SNS以外の領域でも業務効率化を目的とした企業や各種団体への生成AI活用支援・研修を 提供している。

著書
『小さな会社・お店が知っておきたい SNSの上手な運用ルールとクレーム対応』同文舘出版
『世界一わかりやすい ChatGPTマスター養成講座』つた書房
『Instagramショップ 制作・運用の教科書』つた書房
『Facebook&Instagram&Twitter広告 成功のための実践テクニック』ソシムなど

ChatGPTをビジネスの現場で有効活用するための、基本的な操作方法からさまざまな 文書の作成手順までを、ビズアップ総研のeランニングサービス「e-JINZAI」の 「ChatGPTマスター講座」にてお伝えしています。

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