会計事務所のための最新ビジネスモデル!「経営財務コンサルティング」の取り組み方 vol.2

ファイナンシャルズ株式会社 代表取締役
野原 健太郎

  • 事務所としてさらに付加価値の高いサービスを提供して売上を上げたい…
  • 顧問先から「経営」についての相談を受けるようになってきたが、どのようにすればいいかわからない…
  • 経営者との距離の近さを活かした会計事務所ならではのコンサルティングに取り組みたい…

上記のようなお悩みは「経営財務コンサルティング」のノウハウを習得し、取り組むことで解決することができます!

そこで今回は、会計事務所出身のコンサルタントとして数々の顧問先の業績改善を行ってきた、ファイナンシャルズ株式会社 代表取締役 野原 健太郎 先生に、会計事務所が「経営財務コンサルティング」に取り組むべき理由やメリット、実践方法について話を伺いました。

ーー* Vol.1はこちら *ーー

ここまで経営財務コンサルティングが必要とされている背景や会計事務所が取り組むべき理由について伺ってきましたが、野原先生は2024年10月1日に第16クールがスタートする「経営財務コンサルタント養成講座」で講師を務めてくださいます。こちらはどのような講座でしょうか。

経営財務コンサルタント養成講座は、会計事務所の税理士先生や職員の方に参加者を限定した企業経営支援のための本格的な実践手法を全公開している講座です。基本は、3ヶ月の間で全8講座をオンデマンド受講いただくスタイルとなります。コンサルティングプランにおいては、受講者が抱いた疑問点を個別コンサルティングのセッションで解消することができます。また、事務所の現状や存在している課題、提案しようとしている顧問先へのアプローチ方法、今後の事業構築に向けた取り組み方や組織体制構築など、それぞれの事情に応じて有効なアドバイスをいたします。ひとりでも多くの税理士先生や職員の方が、これらの知識やスキルを習得し、ニーズの多い中小企業の支援に関与していただきたいです。講座終了までに、3~5件の経営財務コンサルティング契約を締結し、コンサルティング活動を開始していただくことを短期的な目標としています。過去の受講者の実績を鑑みますと、十分に達成可能な目標です。

講義で使われる資料・ツールはどのようなものでしょうか。

講座では、まずメインテキストとして、PowerPointで作成した図表入りのスライド資料を用意しています。こちらは、講座受講者の学習のために使用しますが、見込先やコンサルティング先の企業経営者に対してもそのまま使用することができます。各スライドのフッター部分には弊社のコピーライトが記載されておりますが、受講者はご自身の事務所名に記載を変更して実務でそのままスライドを使用することができます。細かな表現やサービス名称などにおいて、ご自身の事務所特有の用語や言い回しにしたい場合はスライド内の文言の一部も適宜変更することも可能です。よって、100ページを超えるスライドを実務でそのまま取捨選択して使用することができるので、改めて資料を作成する手間は省けますし、コンサルティング実務の適切なタイミングで適当なスライドを用いることができます。加えて、サブツールとしてExcelやPowerPoint等で作成した、作業を進めるためのチェックシートや、顧問先の経営者や幹部の方々に配布する検討用のワークシートを合わせて用意しています。講座の中で、これらのツール類をどのように使用するかについて詳しく解説していますので、そのまま実務において適用していただくことができます。

盛りだくさんですね。ここからは、全8講座で構成される講座の各回の内容にについて伺います。 第1講座~第2講座ではどのようなことが学習できますでしょうか。

第1講座では、経営財務コンサルティングというサービスの全体像とオリジナルの提供価値について学んでいただきます。会計事務所だからこそ、提供しやすいサービスであることを改めて体感いただけますし、多くの中小企業が会計事務所に望んでいることや不満を抱いていることをリストアップし、そこに正面からミートすることができるサービス設計となっています。また、価格の設定方法やサービスの提供形態など、複数のパターンが存在しますが、その分類方法についても解説しています。

第2講座では、第1講座で学んでいただいたサービスの特徴を踏まえて、コンサルティング案件の発掘方法と契約までの営業プロセスを習得していただきます。営業と聞くと、経験がないことや慣れていないという理由で気が引けてしまう方もいるかもしれませんが、何かを売り込むという手法ではなく、見込客に対して簡易的なコンサルティングを労力をかけずに実施し、経営財務コンサルティングを体験してもらうことで、その必要性を体感していただく形になります。サービス資料を説明して、料金表を提示して、契約の意思決定を図るというような一般的な営業手法とは異なり、経営者としての顧客心理を想定しつつ、中小企業特有の経営状況や存在する課題に絞り込んで、未来を一緒に創り上げていこうというアプローチを取ることで、高い契約率で案件活動を円滑に遂行する方法を示しています。これは弊社が10年以上、このサービスを提案してきた経験則から、取るべき行動や取ってはならない行動を織り込んで構築した手法となります。すぐに実践できる内容であるため、過去の講座受講者の中には、第2講終了後に、新規案件を獲得できたという声も多数いただいております。

続いて、第3講座~第6講座ではどのようなことが学習できますでしょうか。

第3講座以降は、実際に経営財務コンサルティングの案件を獲得した後の、顧客に対する実務手法について標準化した内容を解説していきます。経営財務コンサルティングの標準サイクルとして、「分析→計画策定→予算実績の差異分析→仕組み化構築」という流れを定義していますので、その順番に沿って講座を進めていきます。

第3講座では、コンサルティングの最初の段階である分析をテーマとしています。財務面と行動面の両面から、現状の企業状態を可視化し、課題を相互把握するという取り組み手法を解説します。会計事務所の皆様は日頃から仕訳や試算表、決算書や税務申告書といった数値を作成したり分析することは得意なはずです。そこで、これらをコンサルティング先の経営者の目線でどれだけ分かりやすく、かつ、ポイントを絞って伝え、今後に向けた切り口を自覚していただくかという観点で説明する手法をお伝えします。反対に、経験者や得意な方が少ない行動面の分析手法については、ワークシートを用いて進行すれば、現状の経営環境分析を容易に実施することができる手法をお伝えします。ここでの分析手法を実践することで、次のステップである計画策定にそのまま移行できるということを体感していただけるでしょう。

第4講座と第5講座では、計画策定をテーマとしています。第4講座は、中期計画策定であり、第5講座は年度計画策定です。時間軸の異なる2種類の計画策定の共通項と相違点について比較しながら習得することができます。様々なタイプのコンサルティング先を担当することになったとしても、この標準化した手法や手順を踏んでいただくことで、財務三表と行動施策を網羅した経営計画書を作成することができます。計画は未来を描くことになるので、会計と異なり一義の答えがないため、正解を用意することはできません。しかし、少なくとも、この計画内容では計画として認めることはできないという判断基準を用意することはできます。顧客の意思を盛り込んだ計画書を最終的には第三者の目で意味のある計画書になっているかをチェックします。また、このプロセスで作成した計画書は、銀行融資の際にもそのまま使用できるものになります。これまで多数の融資実績や銀行からの評価をいただき、好条件での融資を得られた事例に裏付けされた内容となります。

そして、第6講座では、予算実績の差異分析をテーマとしています。第5講で作成した年度計画書を計画値として、実績を対比していくという、とてもシンプルな手法ですが、この取り組みは経営者とともに毎月遂行することになるので、サービスの継続性と効果創出のためには最重要テーマとなります。皆様も多数経験があると想定していますが、計画値通りに実績が挙がる会社は稀です。また、計画と実績が乖離したまま、経営状況や財務状態が一向に改善せず、永遠に目標達成できない会社は多いです。それでは、経営財務コンサルティングを提供している価値はなく、マンネリ化が発生して経営者が必要としないサービスになることを避けなければなりません。目標達成するためにどのようにコンサルタントとして経営課題に向き合い、経営者とともに課題に取り組んでいくのか、という根本的な関わり方について、その有効な手法や立ち振る舞いについて学んでいただきます。過去に受講していただいた多くの方から、第3講から第6講まではまさに前後関係が重要で、各断面でこの標準化された手法を実施していれば、スムーズにコンサルティング業務を進行することができるという声をいただいています。継続支援型の経営財務コンサルティングでは本講座を通じて、それぞれの意味と後工程での有効性をぜひ体感していただきたいです。

最後に、第7講座~第8講座ではどのようなことが学習できますでしょうか。

第7講座は、顧問先の売上増強の支援手法を扱っています。経営財務コンサルティングを遂行していく中で、顧問先の売上や粗利益というトップラインを改善しなければ、今後の継続的な企業発展や目標達成を成し遂げることができないという局面に直面することが多いという経験を有しています。そのため、この局所的な課題に対する個別ソリューションについて体系化し、解説することにしています。実際のところ、経営財務コンサルティングを提供している会社でなくとも、この個別テーマをコンサルティングテーマとして、月額5万円から10万円程度で提供しているという過去の受講者もいます。顧問先に対する商品サービス設計、マーケティング、セールスという一般的には会計事務所では取り組まないテーマについてここでは取り扱いますが、会計事務所の担当者でも十分に実施可能な手法となっています。

最終講である第8講座では、経営財務コンサルティングの事業化をテーマとしています。第7講までの全体設計の振り返りと整理を行い、改めて経営財務コンサルティングの全体像と意義を浸透させて、他の事務所職員にもその価値を伝達することができる内容となっています。また、事業化をするためには、特定の人材でコンサルティング活動を実施するわけにはいかず、複数のコンサルタントを輩出していかねばなりません。そのために、コンサルタントに向いている人材の抽出方法や、コンサルタント候補者に対する育成方法、スケジュールについて解説しています。その上で、事業化の目標についても自社を舞台にして年度別の計画値を策定し、それを宣言していただくことで本講座を締めくくることになります。数値と行動の両面から顧問先をリードしていく経営財務コンサルティングを自社のこの事業構築にも適用して、自らを体験者として進行することで短期間で実践し、事業化を図ることができます。

最後に受講を検討されている方に向けたメッセージをお願いします。

経営財務コンサルティングという名称はともあれ、顧問先の経営支援に本気で取り組みたいという意思のある方は、ぜひ講座を受講していただきたいと思います。受講していただければ、すぐに実践可能であり、また一部は既に顧問先に提供してきた内容であると感じていただけることでしょう。税務会計顧問という会計事務所の主軸サービスに加えて、この経営財務コンサルティングを提供することで、顧問先支援に本質的に取り組んでいるといえるはずです。講座の受講料は高いと感じられるかもしれませんが、新規事業開発をするために経営者は投資の意思決定をしなければなりません。利益を得る前に事前にキャッシュアウトし、後から収益を得るという取り組みを会計事務所自ら体験していただき、この経験も携えて顧問先の事業発展の支援につなげていただきたいと思います。私自身、皆様のこの投資が有効であったと言っていただけるような講座にしておりますので、ぜひ本講座のご参加をお待ちしています。

セミナー情報

今回ご寄稿いただきました野原先生のハイグレードセミナー「経営財務コンサルタント養成講座」が10月1日(火)より開催されます!

こちらの講座では経営財務コンサルタントとして活躍するための知識・具体的な実践手法を徹底的にお伝えいたします。講義はインターネットによるオンデマンド受講のため、いつでもどこでも何度でも学習することができ、個別コンサルティングとして野原先生にはZoomにて直接相談することができるため、講義で生じた質問や事務所のコンサルティングに関する悩みも丁寧に対応し、解決いたします。
これまで2021年より15クールにわたり開催してきましたが、次回の第16クールが最後の開催となります! 皆様のご参加を心よりお待ちしております。

「経営財務コンサルタント養成講座」
【第16クール:2024/10/1 ~ 2024/12/31】

詳細・お申し込みはこちら

野原 健太郎

ファイナンシャルズ株式会社 代表取締役
東京大学文学部卒業後、外資系経営コンサルティング会社であるアクセンチュア株式会社、 株式会社ヘッドストロングジャパンにおける経営改革・業務プロセス改善・ 情報システム構築等のプロジェクトを経て、2006年、野原税理士事務所に入所。 顧問先企業の財務分析や経営計画策定、銀行融資支援を多数手掛けた後に、 経営財務コンサルティングサービスを開発して独立。中小企業を対象とした経営財務戦略 コンサルティング事業を開始し、顧問先の業績改善実績を多数持つ。また、全国各地にて、 中小・ベンチャー企業の経営者や税理士・会計事務所を対象としたセミナーや研修プログラムを実施している。

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