税理士のビジネスモデルとは?税理士としての収益化や事業展開を考察

「税理士の資格を取得したからには、いつかは独立開業!」と、税理士としての開業を一つのゴールとしている人も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では独立開業にあたって税理士の基本的なビジネスモデルについて紹介しています。独立後の事業展開について説明していますので、気になる人はぜひ記事内容をご確認ください。

目次

税理士開業にあたって知っておきたい事業規模

税理士として開業するにあたって、目指すべき事業規模を決めておくことは大切です。
事業規模別の特徴について、詳細を説明します。

  • 小規模事業所の特徴
  • 中規模事業所の特徴
  • 中堅事務所や大規模事務所の特徴

小規模事務所の特徴

従業員の数が1人〜4人程度の場合、対応件数がある程度限られるため、一人ひとりの従業員がいくつかの役割を担いつつ収益を上げる組織となります。

従業員が5人や19人になると、個々の従業員に役割を分担できるようになるため、対応件数は増加できます。開業を目指す税理士が最初に目標とする事業スタイルは小規模事務所となるケースが多いです。

小規模事務所の時期は目の前の収益を確保しつつ、事業拡大を目指すべきか考える段階でもあります。

中規模事業所の特徴

従業員の数が20人〜29人の中規模事務所は、事業規模拡大と合わせて総務部などのバックオフィスを設置するケースが多いです。

全体の従業員の数は増えるものの、総務関連の仕事をする従業員は税理士の仕事に携わらないため、全体の売り上げはやや低下します。事業拡大において、仕事の効率化はとても大切です。事業展開を目指すにあたって、中規模事業所の段階でバックオフィスを設置しておくのは大切なことです。

中堅事務所や大規模事務所の特徴

従業員の数が30人〜49人の中堅事務所や50人以上の大規模事務所は、規模の拡大によって大手企業を顧客とするケースも増えます。

したがって、高い顧問契約料やコンサルティング費用の獲得も可能です。事業所あたりの売上高が上がるため、従業員一人当たりの売り上げ金額もアップします。多くの従業員を雇用する立場から、事業所全体の売り上げを管理する視点が大切です。

より良い収益化を目指して売り上げを上げる方法

税理士事務所を運営していくには、より良い収益化を目指し続ける必要があります。
ここでは、より良い収益化のための3つの方法を紹介します。

  • 既存の取引を大事にしつつ新規顧客の開拓も行う
  • 顧客の単価アップを狙う
  • 他業種にも事業展開する

既存の取引を大事にしつつ新規顧客の開拓も行う

税理士事務所を開業した当初は、新規顧客の開拓が欠かせません。できるだけ多くの顧客と契約して、継続的な受注につなげていく必要があります。

昨今の新規顧客開拓に欠かせないのは、ホームページの作成やメディア運営、Web広告、 SNS広告などWEBメディア戦略です。無料の税務相談サービスやコンサルティングサービスなどを足がかりにWEBメディア戦略を合わせつつ、受注につなげていきましょう。

既存顧客となった後も、継続して依頼してもらえるように満足度の高いサービスを提供しなければいけません。良い仕事を提供し続けていれば既存顧客からの紹介や別のサービスの追加契約を獲得することもできます。

困りごとがあればすぐに指名してもらえるような人間関係の構築を忘れないようにしましょう。

顧客の単価アップを狙う

顧客の単価を上げると従業員一人当たりの単価が増えるため、事務所全体の売り上げアップに繋がります。価格そのものを上げるのか、他のサービスを勧奨して客単価を上げるのか、悩みどころです。

基本的には交渉の余地がある場合、他のサービスを勧奨した方が良いです。価格だけを上げると契約が途絶えてしまうかもしれません。サービスの質を向上できる余地がある段階では、まだ交渉は早いです。十分に良いサービスを提供できるようになって交渉に臨みましょう。

単価のアップが難しい場合は、確定申告など忙しい時期に限って割増料金にする、という方法もあります。

他業種にも事業展開する

税理士の業務は相続や空き家対策など、弁護士や不動産会社との連携が必要となる場合もあります。弁護士や不動産会社との連携ができれば、相続や空き家対策も相談できる税理士事務所として、販路を拡大できるでしょう。

そのほか、金融機関と連携できれば補助金支援業務や事業計画書の作成支援業務を定期的に受けることも可能です。税理士の登録者数が増えれば増えるほど、税理士業務だけの売り上げでは厳しくなります。より事業を拡大したい場合は、他業種との連携は欠かせません。

どちらが良い?基本的な税理士の働き方

基本的な税理士の働き方は2通りです。それぞれについて詳細を説明します。

税理士法人や会計事務所で働く

税理士法人や会計事務所への就職は、もっとも基本的な税理士の働き方です。将来、独立を目指す場合でも、基本的な実務経験を積む場所として税理士法人や会計事務所が選ばれています。

税理士法人や会計事務所は、中小規模と大規模とでは業務内容が大きくことなるためどちらを選ぶかによって、税理士としてのキャリアに大きな違いが現れるでしょう。

自分で道を切り開くよりも組織の中で欠かせないキーパーソンとなって活躍したい人や、先の見えない不安定な生活に耐えられない人は、税理士法人や会計事務所で働くのに向いています。

開業税理士になる

税理士になったからには、いつかは独立開業を!と考えている人も多いのではないでしょうか。

独立開業の場合、多くのケースでゼロからのスタートとなるため、経済的に安定させるまではそれなりに大変です。ある程度顧問先を増やすことができれば収益も安定してくるため、自分のペースで思う通りの働き方ができるようになります。

雇用関係がないため、解雇や定年などの心配がない点も開業税理士の強みです。数人のスタッフで小規模な会計事務所の運営を目指すこともできますし、他の税理士と税理士法人を設立して大規模事務所を目指すこともできます。

開業税理士は組織の中で活躍するのではなく、自分で道を切り開いて行きたい人にぴったりです。

税理士の開業スタイル

税理士として開業するにはいずれかの住所に事務所として届け出る必要があります。
3つの営業スタイルについて説明します。

  • 物件を借りる
  • 自宅で開業(オンライン・訪問型)
  • レンタルオフィスで開業する

物件を借りる

来所型の事務所を想定する場合は、物件探しから始めます。単に立地や部屋の条件だけでなく、開業後の利用方法までイメージすることが大切です。

来所型の場合は、顧客が車や公共交通機関を使って来所しやすいか?という点も重視しなければいけません。自ら顧客の元を訪れる訪問型の場合は、営業エリアを考慮に入れた物件選びが大切です。

スタイルに合わせた物件選びを心がけましょう。

自宅で開業(オンライン・訪問型)

自宅で開業する場合は、自宅兼事務所として届け出ます。基本的に顧客を招くスタイルではないため、自ら顧客を訪問する訪問型のスタイルです。

初回の相談ではオンラインをうまく活用する方法も有効です。

自宅兼事務所は、初期費用やランニングコストがかからないメリットがある反面、顧客からの信用が得にくい、仕事とプライベートの切り分けが難しい、というデメリットもあります。

開業当初を自宅兼事務所で乗り切りつつ、やがては事務所を借りる方法が一般的です。

レンタルオフィスで開業する

レンタルオフィスは、仕事場を複数の契約者でシェアするオフィスのことを言います。

あらかじめ備え付けられた事務用品や設備を利用できるため初期費用を抑えられるほか、数ヶ月単位での契約ができるなどのメリットがあります。

その他、自分自身の信用力が大きな看板となる税理士業界において、開業場所として見栄えの良い事務所所在地を得られる点も、見逃せないポイントです。

まとめ

昨今では、税理士の登録者数は増えているものの、契約先となる中小企業が減り続けているため、契約獲得の競争は激化する一方です。

税理士として開業を目指す場合、新規顧客の開拓と新たなビジネスモデルの構築は欠かせません。従前の来所型税理士事務所にとらわれることなく、柔軟性のある事業形態が求められます。

税理士.ch 編集部

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