令和5年度調査、一般病院の4割弱が赤字、病院経営動向調査
福祉医療機構は、令和6年6月に実施した病院経営動向調査を取りまとめ公表した。
福祉医療機構では四半期毎に経営動向の変化を調査する仕組みとして病院経営動向調査を実施。今回、その他の調査項目として、令和5年度の経営状況等の調査が行われた。同調査によると一般病院の赤字病院割合は39.8%(前年度比15.3%増)と増加した。一般病院の赤字病院割合を病床規模別にみると、200床未満で41.5%(同8.5%増)、200床以上で36.1%(同30.6%増)となった。
1床当たりのコロナ補助金収益は484千円(同1,161千円減)と縮小。補助金収益を除いた赤字病院割合は、一般病院全体で54.2%にも上る。
一般病院と同様に療養型病院や精神科病院でも赤字病院割合は増加。療養型病院で29.3%(同4.9%増)、精神科病院で44.1%(同17.6%増)となった。精神科病院の赤字病院割合は4割を超えている。
【参考】
病院経営動向調査(2024年6月)の結果について(プレスリリース)
https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/pr2406.pdf
病院経営動向調査(2024年6月調査)
https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/hp_survey_202406.pdf
新矢 健治
新矢税理士・行政書士事務所 税理士・行政書士
日本医業経営コンサルタント協会 認定登録医業経営コンサルタント。
医療法人の設立、運営、承継から認定医療法人を活用した持分なし医療法人への移行まで、
多岐にわたるクライアントの税務相談に尽力。厚生労働省医政局医療施設経営安定化推進事業の
研究班担当スタッフを務めた実績を持つ、医療分野のエキスパート。
著書に『医療法人の設立と運営の実務のポイント』(税研情報センター・共著)、
『医療・介護・福祉の消費税』(税務研究会・共著)などがある。