法人渉外課を置かない店舗も多い<税理士必見! 銀行員との人脈作り Vol.4>
株式会社リフレ
加藤充也
2021/7/18
前回は、金融機関が望む情報についてお伝えしました。また、支店の人材育成に寄与することや税務についての照会 に応えていくことで関係性を親密にできることもお伝えしました。今回は、もう少し詳しく支店の実態をお伝えし、どのように人脈を築いていくかのヒントにしてい ただきたいと思います。
法人渉外課を置かない店舗も多い
一般的に、支店の組織は下記のようになっています。
以前は、多くの支店が上記組織を備えていた(こうした店舗を総合店舗といいます)のですが、昨今は副支店長がいない店舗や法人渉外課を置かない店舗も多くなっ ています(特にメガバンク等の大手金融機関)。理由は金利収益が低水準で、組織運営を効率化しないといけなくなっているからです。代わりにローンやスモール法 人を担当するセンターを大都市に設け、真に担当すべき一定規模以上の顧客のみを支店が担当する運営としているのです。
また次世代店舗として、預金為替課も支店からなくしセンター化することで、さらに少人数の、ほとんどが渉外担当者という支店を増やそうとしています。
金融機関全体の人員を大幅に減らし、本部や事務に携わる人員は最低限にして、営業担当者を増やす動きがあることも、昨今の金融機関を取り巻く環境として理解し ておいてください。
各課には課長がおり、その下に担当者がいます。法人渉外課や個人渉外課の担当者は5人前後でしょう。預金為替課には正行職員のほかにパート職員なども多く在籍
していますが、若手の男性行職員はほとんどいません。
役職者の役割は多く多忙を極める
昨今の法人渉外課や個人渉外課は若手ばかりという支店も多く、課長の右腕となる担当者がいない支店も少なくありません。役職者についても、副支店長がいない代 わりに課長は置くというパターンもあります。副支店長がいる代わりに、法人渉外課・個人渉外課・預金為替課のいずれかの課長がいないというパターンもあります 。イメージしていただけると分かると思いますが、少数の役職者と若手のみという組織が多いのです。
業績推進や人材育成、コンプライアンスを含めた組織管理など役職者の役割は多く、多忙を極めます。役職者があまり介在せず税務に関する知識を身につけさせてく れたり、様々な顧客からの照会に担当者を経由して応えてくれるようであれば、皆さんの存在感は増すと思います。また、預金為替課は来店する顧客から様々な相談 を受けます。相続の発生や法定代理、その他税務申告など専門家に相談または照会すべき案件なども出てきます。
上記のような実情を理解したうえで、各役職者と接点を持っていただき、困っていることや役立てることなどを探ってください。実情は金融機関によって様々ですが 、支店の実情と税理士事務所ができることを検討したうえで関係構築を図っていただきたいと思います。