税理士に向いている人、向いてない人はどんな人?課題や将来性も解説
ビズアップ総研
税理士.ch 編集部
(2024/5/7)
税理士は数字に強く、几帳面なイメージがありますが、それだけではありません。コミュニケーション能力、継続的に学習する意欲が高い人などが求められます。
この記事では、「税理士を目指しているが、自分にできるだろうか」「数字は得意だが、どんな人が税理士に向いているのだろうか」といった悩みをお持ちの方へ向けて、税理士に向いている人の特徴、逆に向いていない人の特徴や課題、将来性についても解説します。
目次
税理士に向いている人の5つの特徴と具体例
税理士は、企業の経理や税務をサポートする専門家です。数字に強く几帳面なイメージが強いですが、それだけではありません。税理士にはさまざまな「適性」や「強み」が必要とされます。
ここでは、税理士に向いている人の特徴を、5つのポイントに分けて詳しく解説します。
コミュニケーション能力が高い人
税理士は、クライアントと密接な関係を築き、円滑なコミュニケーションを取る必要があります。相手の話をよく聞き、的確なアドバイスができるコミュニケーション能力が欠かせません。
具体例:
- クライアントの悩みや課題をじっくりと聞く
- 専門的な内容をわかりやすく、丁寧に説明できる
- クライアントや税務署との交渉を円滑に進められる
税理士の仕事は、数字を扱うだけではありません。クライアントの経営状況やビジョンを理解し、信頼関係を築きながら、最適なアドバイスを提供することが大切です。
分析力と問題解決能力が高い人
税理士は、膨大な量の資料を分析し、正確な税務申告書を作成する必要があります。論理的な思考力と、細部まで見落とさない分析力が必要です。
具体例:
- 複雑な資料を分析し、論理的に結論を導き出せる
- 必要な情報を迅速かつ正確に収集できる
- 問題点を分析し、適切な解決策を提案できる
税務に関する法律や制度は、都度改正されます。税理士は、常に最新の情報を取り入れ、変化に対応しながら、クライアントに最適なアドバイスを提供する必要があります。
継続的に学習する意欲が高い人
税理士は、税法や会計に関する知識を常に最新の状態に保つ必要があります。新しい知識を積極的に学び、自分のスキルを向上させる意欲が必要です。
具体例:
- 最新の税務情報や会計知識を学ぶ
- 専門書籍を読む
- 勉強会やセミナー・ウェビナーに参加する
税理士の仕事は、一生涯学び続ける必要があります。新しい知識やスキルを積極的に学ぶ意欲は、税理士として成長するために欠かせません。
倫理観と責任感が強い人
税理士は、公正かつ誠実な業務が求められるため、強い倫理観と責任感を持つことが重要です。
具体例:
- クライアントの利益を第一に考える
- クライアントの情報を漏らさず、厳重に管理する
- 法令を遵守する
忍耐力と集中力がある人
税理士の仕事は、根気のいる作業がたくさんあります。膨大な量の資料を分析し、計算する必要があるため、忍耐力と集中力が必要です。
具体例:
- 最後までやり遂げる力
- 集中力を維持する力
税理士の仕事は、ミスが許されない責任重大な仕事です。忍耐力と集中力を持って、最後まで責任を持ってやり遂げる力が求められます。
税理士に向いていない人の特徴
税理士は、数字が得意で几帳面な人なら誰でも務まる仕事のように思えますが、そうではありません。ここでは、税理士に向いていない人の特徴について解説します。
数字が苦手な人
税理士の仕事は、数字を扱うことが多く、数字が苦手な人は向いていません。会計帳簿の記帳や税金の計算など、さまざまな場面で数字を正確に扱う必要があります。また、税法は複雑なため、数字を理解する力だけでなく、論理的に考える力も必要です。
勉強が嫌いな人
税理士は、常に最新の税法や会計基準を学び続ける必要があり、勉強嫌いの人には向いていません。税法は都度改正されており、知識が古いままでは、税金の計算を間違えてしまう恐れがあります。常に新しい知識を習得し、自分の知識をアップデートしていくことが求められます。
人と話すのが苦手な人
税理士は、クライアントと密接にコミュニケーションを取る必要があり、人と話すのが苦手、コミュニケーション能力が低い人は向いていません。
クライアントの要望を正確に聞き取り、分かりやすく説明する必要があります。また、税務調査に対応する際も、コミュニケーションが求められます。
責任感がない人
税理士は、クライアントの大切な情報を扱うため、高い責任感が求められます。かりにミスをした場合、クライアントに多額の損害を与えてしまう恐れがあります。責任感がない人や、ミスが多い人は向いていません。
倫理観がない人
税理士は、守秘義務を遵守する必要があります。また、利益相反を避け、公平公正な立場での業務が求められます。
税理士業界の課題と将来性
税理士業界の課題というと、AIによって税理士の仕事はなくなると言われていますが、これは記帳代行などの単純作業に限定された話題と考えられます。むしろ、より付加価値の高い業務に集中できる可能性があります。
ここでは、税理士業界が抱える課題と将来性について解説します。
高齢化と人材不足
税理士業界は、他の業界と同様に高齢化が進んでおり、後継者不足が深刻な問題です。しかし、新規の税理士登録者数は減少傾向にあり、人材不足が懸念されています。
人材不足の要因は、少子高齢化による労働人口の減少や税労働環境の悪さなどが考えられます。今後は、ワークライフバランスを実現できる働き方改革が必要でしょう。
AI時代における税理士の役割
AIの発展により、税理士の仕事の一部はAIに置き換わっていく可能性があります。しかし、税理士の仕事がなくなるわけではありません。
AIの発展により、今後は以下が期待されます。
- 経営コンサルタントとしての役割:財務分析や経営戦略の策定など、経営に関する高度な知識と経験を活かしたコンサルティング
- 国際税務の専門家としての役割:海外進出企業の税務申告や税務相談など、グローバルな視点に立った税務サービス
- 相続・事業承継のスペシャリストとしての役割:相続税や贈与税の申告、事業承継のサポートなど、専門的な知識と経験が必要とされる分野
- ITコンサルタントとしての役割:会計ソフトやクラウドサービスの導入支援、企業のIT化に関するコンサルティング
AIの活用で、税理士はより付加価値の高い業務に集中できるようになり、その役割はますます重要になっていくと考えられます。
まとめ
この記事では、税理士を目指す方に向けて、求められる能力や適性、業界の将来性について解説しました。税理士は数字に強いだけでなく、コミュニケーション能力や継続的な学習意欲、AIなどの技術の発展への対応も求められます。変化の時代に向けて、税理士も進化し続ける必要があります。
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