全6コースから選択!人材開発支援助成金の種類や申請条件について

人材開発支援助成金は、雇用主が労働者へ、勤務先で必要な資格や知識を取得させるにあたり、発生した費用の一部を負担してもらえる制度です。
しかし、どんな内容であっても助成金が出るわけではありません。
そこで今回は、人材開発支援助成金の種類や、申請可能となる条件などについてご紹介します。

目次

人材開発支援助成金は全部で6コース

人材開発支援助成金は、以下の6コースです。

  • 人材育成支援コース
  • 教育訓練休暇等付与コース
  • 人への投資促進コース
  • 事業展開等リスキリング支援コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース

このように、人材開発支援助成金といっても、内容によって申請するコースは異なります。まずはどのコースに当てはまるのかを確認してみましょう。

ちなみに、「障害者職業能力開発コース」は、2024年4月より「障害者雇用納付金制度に基づく助成金」に変わっています。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が業務を担っているため、申請する方はそちらを確認してみてください。

次から、それぞれのコースについて少しご紹介します。

人材育成支援コース

1つ目の人材育成支援コースは、新卒や非正規雇用の労働者を対象にしています。OJTやOFF-JTなどが主な対象です。

教育訓練休暇等付与コース

有給教育訓練休暇制度を導入している場合に利用できるのが、教育訓練休暇等付与コースです。対象の労働者が、実際に制度を利用して資格取得などを行った場合に申請できます。

人への投資促進コース

2022年4月から新たに設置された人への投資促進コースは、IT分野での学習など、4種類の訓練スタイルに分かれています。雇用者が費用負担をしていれば、労働者が自発的に行う学習に対しても利用可能です。大学院での学習のほか、サブスクリプション型の研修サービスなど様々なスタイルがあります。

事業展開等リスキリング支援コース

企業や団体としての成長に役立つ学習を主とするのが、事業展開等リスキリング支援コースです。例えばシステムのデジタル化や環境保全など、事業拡大や社会の変化に伴い、必要な知識を得るための訓練に申請できます。

建設労働者認定訓練コース

建設労働者認定訓練コースは名前の通り、建設業に関わる学習を対象とします。次の建設労働者技能実習コースとの違いは、認定職業訓練、あるいは指導員訓練であることです。

建設労働者技能実習コース

建設業に関わる内容でも、認定職業訓練や指導員訓練に含まれない場合は建設労働者技能実習コースに該当します。訓練費用はもちろん、労働者が学習のために有給を使った場合、賃金分も助成対象となることがあります。

人材開発支援助成金の申請方法

人材開発支援助成金は、専用のポータルサイトを利用しての電子申請が可能です。担当窓口への訪問や郵送と違って手間も時間もかからず、気軽に申請できます。

ただし電子申請を行う場合、必要書類に加えて、認証システム「GビズID」の取得が必要です。自身で申し込む場合はもちろん、社会保険労務士など、代理人に申請を頼む場合でも使用します。

GビズIDもオンライン申請なら即日発行できるので、予め取得しておきましょう。

人材開発支援助成金を受け取る条件

人材開発支援助成金を受けるには、以下の条件をクリアしなければなりません。

  • 支給対象の事業主
  • 訓練実施の1か月前までに計画書を提出
  • 指定日の2か月以内に申請する

まず雇用者は、雇用保険が適用された事業所の主であることが求められます。加えて、申請時の審査をクリアして初めて、人材開発支援助成金の受け取りが可能です。また各コースにも求める条件があり、それをクリアする必要があります。

そして申請は、労働者が資格取得などを終わってから初めて行うのではありません。資格取得や勉強などを行う前に、予め計画書の形で報告が必要です。故に、既に訓練が終わってしまったもの(計画書未提出)に対して申請することは難しいでしょう。

さらに締切日は、受給者が申し込みを行った日ではなく、送り先の行政機関に届いた日で計算します。そのため、郵送など日数を要する手段で申請する場合は、注意が必要です。ただ、土日祝日など送り先の窓口が閉まっている場合は、翌開庁日まで延長されます。

人材開発支援助成金が受給できない例

以下に当てはまる場合は、人材開発支援助成金を申請しても受けられない可能性が高いです。

  • 不正行為による申請
  • 前年度の労働保険料が未納
  • 申請1年以内に労働関係の法令に違反
  • 風俗営業や暴力団関係(役員など一部が該当行為をしている場合も同様)
  • 支給日に倒産
  • 事実確認の拒否や書類の不備、未提出がある
  • 国や地方自治体など指定の団体

書類のミスのように、すぐ修正できるものばかりとは限りません。例えば法令違反なら、少なくとも違反した日から1年経過しないと再申請は難しいでしょう。また一部の事業者や団体は、雇用主として問題がなくても、申請自体が行えません。

そして、もし人材開発支援助成金を受けた後で対象外であると発覚した場合は、返還が必要です。その際は延滞金など、助成金を超える請求が発生します。

まとめ

人材開発支援助成金は、6つのコースがあり、それぞれに対象者や条件が異なります。また、労働者が学習を終えたら申請するものではなく、事前に計画書の提出が必要です。期限もあるため、電子申請を活用して早めに行動しましょう。

なお、人材開発支援助成金の条件は定期的に更新されています。1度調べて終わりではなく、最新版の内容を常に把握しておきましょう。

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