ハワイで感じた時代の大きな変化(小宮一慶先生 経営コラムVol.70)

株式会社小宮コンサルタンツ 代表取締役CEO
小宮 一慶 先生

2023/9/25
本コラムでは『小宮一慶の「日経新聞」深読み講座』等の著書を持ち、日経セミナーにも登壇する小宮一慶先生が経営コンサルタントとしての心得やノウハウを惜しみなくお伝えします。

5年ぶりにハワイに行きました。3泊ほどでしたが、結構リフレッシュできました。しかし、そこで見た光景には、コロナ前後での大きな変化を感じさせるものも少なくありませんでした。
ワイキキの繁華街やビーチは従来とそれほど変わらない賑わいですが、日本人が減っています。その代わり増加しているのは米国人観光客です。現地の旅行代理店に聞くと、日本人は以前の6割ということです。

米国の景気が比較的順調で、お金に余裕があるということもあるでしょう。さらには、マウイ島の大火災もあり、街のいたるところでは米国旗やハワイ州旗が半旗で掲げられていましたが、米国人からすれば、観光でハワイを訪れ、自分たちもバケーションを楽しみながら、お金をハワイ州に落とし、ハワイの人たちを元気づけようという一石二鳥の気持ちもあったのでしょう。日本の衰退も感じざるを得ませんでした。

ホノルルのあるオアフ島内には有名な観光地の牧場があります。そこはゴジラなどの多くの映画のロケ地にもなり、乗馬、短い海洋ツアーなどもある人気の牧場なのですが、コロナ前には日本人観光客が多く来ていて、日本語でガイドしてくれるスタッフが何人もいたのですが、今では、日本人観光客が減ったということもあり、英語を話すスタッフだけとなっています。
以前は、ハワイに行くたびに朝食を食べに行っていた日系のホテルも名前が変わっていました。

また、コロナ前にはワイキキ界隈を、主に日本人観光客用に何種類ものトロリーバスが走っていたのですが、それも、各社がコスト削減のためか、集約されていました。
余談ですが、ワイキキにある丸亀製麺のお店は、長蛇の列ができていましたが、米国人観光客が多く押し寄せているのには驚きました。
日本人観光客にはさらに円安も追い打ちをかけています。コロナ前の2019年では、ドル・円相場は105円から110円程度でしたから、昨今の円安はそれだけでも30%以上日本人観光客のふところを苦しめることとなっています。

日米金利差とともに、人口減少や高齢化が進み、また財政赤字が拡大の一途の日本の状況を考えれば、日銀の政策とともに円安が反転するのは期待薄かもしれません。
一方、今回のハワイ旅行で活用したのはUberです。ライドシェア、つまり日本で言えば「白タク」です。現地で2度ほど使ってみたのですが、とても便利でした。乗車地と行き先を指定して車を呼べば、支払いも事前に登録されたクレジットカードで自動的になされます。降車後に乗員や車の評価をスマホで求められることもあるからか、ドライバーの対応もとても良かったです。料金もタクシーの半分か3分の2程度でした。
日本では、今はタクシー不足が深刻ですが、ライドシェアを活用するのも一つの手だと考えます。

もうひとつ、ハワイで試してみたことがあります。現金をどれだけ使わずにいられるかということです。キャッシュレスです。結論から言うと、使った米ドルの現金は合計で6ドルだけでした。ベッドメイクの際の3日分のチップです。それ以外はすべてクレジットカードでの支払いでした。米国では以前からキャッシュレスが進んでいましたが、さらにそれが進んでいるという印象でした(というか、私たちがキャッシュレスを意識したことが大きいと思います)。

久しぶりにハワイに行ったことで、多くのことを考えさせられました。

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