会計ファイナンス人材の価値を高めろ!
CPAエクセレントパートナーズの会計士社長 国見健介が挑む“会計業界の進化”とは Vol.2

会計ファイナンス人材の価値を高めろ! CPAエクセレントパートナーズの会計士社長 国見健介が挑む“会計業界の進化”とは

CPAエクセレントパートナーズ株式会社 代表取締役社長 国見 健介

学び、キャリア、人材交流の3つの軸で会計ファイナンス人材を包括的に支援するCPAエクセレントパートナーズ株式会社。公認会計士試験の合格者占有率60.7%(2024年)を誇る資格スクール「CPA会計学院」をはじめとし、人材の市場価値向上を通じて業界を進化させるための事業を展開している。代表取締役 国見 健介氏にプラットフォームビジネスによる収益化、人材採用と定着における理念、経営者としての成長に欠かせないビジョン、そして事業の今後の展望について話を聞いた。

平均年齢31~32歳で年収1,000万円以上
報酬とビジョンで優秀な人材を確保

会計や税務だけでは成り立たなくなった会計事務所の異業種への進出が活発化する一方で、人材の確保が課題です。
貴社における人材の採用や定着についてお聞かせください。

組織の成長には、優秀な人材の採用と定着が不可欠です。現在当社は平均年齢31~32歳ですが、平均年収は1,000万円以上となっています。十分な報酬を用意して、採用の基準を高めています。

さらに、やりがいや共感されるような企業のビジョンといった面からのアプローチも重視しています。新規事業を始める理由が「食べていくため」だけでは、やはり魅力を感じてもらえないですよね。大事なのは、社会を変えたいというビジョンに共感してもらえるかどうか。楽天やメルカリ、ソフトバンクも、社会的な課題に挑戦し、明確なビジョンを持っているからこそ、優秀な人材が集まり、長く働き続けられるのです。従業員が「ずっとここにいたい」と思える環境を作ることも、経営者の仕事だといえます。

経営者として成功するためには、どのようなマインドセットや姿勢で臨むべきでしょうか。

独立する以上は、売り上げが出ないのも人が定着しないのも、全部自分の責任だと思うくらいの気概はほしいですね。そうでもないと、自分の会社や事務所が存在する意義も説明できません。
例えば私たちは、ナンバーワンのクオリティを出せない事業には手を出しません。たとえ今はナンバーワンでなくても、いずれは絶対にそうなると思って日々取り組んでいます。そうでなければ、自社のサービスを顧客に自信を持って勧められないからです。
しっかりとしたビジョンを持って経営していれば、共感する人が集まって定着し、成功につながっていくと思います。

経営者として成長を続けるために、特にどのような取り組みを意識されていますか?

経営者として、常に自分より先を進んでいる人たちと接するようにしています。そうすることで、事業の拡大に伴って持つべき視点をあらかじめ学べますし、現状に満足してしまうことも防げます。
私は一般事業の経営者ですが、この姿勢は士業にも通じるはずです。例えばM&A支援を行う場合、バリュエーションだけなどを部分的に担当するのではなく、初期段階のソーシングからフォローまで一貫して関わることで、M&Aへの理解が深まります。こうした総合的な視点を持つ場に身を置き続けることで、本当の意味での経営支援ができるようになると考えています。
経営者であれば、狭い視点にとらわれず大きな社会課題の解決を目指すべきです。そのためには、明確なビジョンを持ち、行動と成果を示しながら挑戦を続けていくことが重要です。最終的には、業界全体に高い目標と挑戦意識を広げていきたいと思っています。

CPAエクセレントパートナーズの今後
グローバル展開の重要性とその戦略

今後伸ばしていきたい事業にはどのようなものがありますか。

to B領域において、企業の管理部門全体の状態に応じて、採用やスタッフ育成、外部のフリーランス活用など適切なサポートにつなげるような管理部門の総合コンシェルジュになりたいです。単なる転職エージェントだと、とにかく採用という方向に向かいがちですが、トータルでの支援なら、顧客の今のニーズに本当に沿った提案をすることができます。
それから、企業のCFOだけを100人以上集めて、横のつながりを作る場も提供したいですね。

CFOは社内で同じ知見や視座を持って相談できる相手がほとんどいないため、同じ立場の人たちと意見を交換できる環境を欲しています。他社の事例を学んだり、CFO同士で相談しあったりすることで、仲間がいる心強さを感じられ、より効果的に役割を果たせるようになるはずです。

AI技術の進化は、会計やファイナンス分野の仕事にどのような影響を与えると予想されますか?

技術発展により、AIができることはどんどん増えています。これに合わせて、AIに任せる部分と人が行うべき部分を的確に見極め、より高い価値を生み出せるよう業務を割り振らねばなりません。
一方で、周囲より早く適応できれば大きなチャンスにも繋がります。変化に敏感で、抵抗なく取り入れていけるかどうかが、今後の成否を分ける大きな要素となるでしょう。
また、自動運転車の普及など、既存の業界が大きく変化することも考えられます。トヨタでさえ、ガソリン車を作り続けられなくなるかもしれません。このような変化は、会計やファイナンス分野含め、どの業界でも起こり得ます。AIはそれらのうちの一つでしかないと考えています。

今後の事業展開のイメージを聞かせてください。

事業展開のイメージとしては、医療業界のエムスリーを指標としています。エムスリーはこの15年で事業の数を30以上に広げ、世界20カ国に進出しました。医療は特に万国共通の要素が多い分野ですが、会計やファイナンスもある程度は同様です。
また、人口減少という観点からも、これからの日本企業にとってグローバル展開は不可欠です。そしてそのサポートをするために、士業もグローバルな視点での取り組みが求められます。
もし士業が世界に進出する企業をサポートできないのであれば、業界自体の進化が必要だと言えるでしょう。

例えば、トヨタやユニクロなどの大企業のCFOには会計士がほとんどいません。これは、会計士にはビジネス経験が不足しているからです。会計士に合格するような若い人たちは非常に優秀ですが、20代でビジネスの現場で活躍する経験がないため、気づけばトッププレイヤーに追い越されてしまう。非常にもったいないことです。この現状を変えるためにも、業界自体を進化させ、会計士や税理士がより実務に強い人材になるような環境を作りたいと考えています。

事業を増やし、グローバル展開していくということは、
世界的な大企業を目指していくということでしょうか。

社会に大きな影響を与えるためには、そうなる必要があると感じています。
一企業でできることには限りがあるため、まずは業界内での連携が進められるよう、自分たちの影響力を強化しなければなりません。そうして初めて、他の企業と対等な立場で意見交換が可能になります。Win-Winの関係を作れれば、タッグを組みより大きなことに挑戦できます。そのためには、まずは会計ファイナンス分野から影響力を広げ、徐々にその輪を広げていく。10年後、20年後にどうなるかはわかりません。しかしだからこそ、まずは目の前のステップを確実に踏んでいくことが大切だと思っています。

貴重なお話、ありがとうございました。

プロフィール
CPAエクセレントパートナーズ株式会社 代表取締役社長 国見 健介(くにみ けんすけ)

「会計ファイナンス人材に貢献するインフラ企業になる」というビジョンを掲げ、会計ファイナンス人材の生涯支援サービスを提供している。学びの支援として、公認会計士資格スクール「CPA会計学院」では合格者の6割(2024年全合格者数1,603名の内973名はCPA受講生)を輩出、簿記や会計ファイナンスを完全無料で学べるe-learning「CPAラーニング」は約70万人以上が会員登録し1,500本以上の動画を提供中。キャリア支援としては、会計ファイナンス人材特化型 転職エージェント「CPASSキャリア」、会計ファイナンス人材特化型求人サイト「CPAジョブズ」、公認会計士受験生特化型求人サイト「CPAネクスト」を展開しており、そして人材交流支援として会計ファイナンス人材の生涯支援プラットフォーム「CPASS」の運営を通して、会計ファイナンス人材に貢献するインフラ企業として、会計ファイナンスに関わるすべての人の生涯支援に取り組んでいる。

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