面接官はどこを見る?公認会計士の志望理由の作成方法と例文

面接で聞かれる志望理由は、自分をアピールする最大のチャンスであると同時に、多くの受験者が頭を悩ませる難関でもあります。

「なぜ公認会計士になりたいのか?」「なぜこの会社を選んだのか?」面接官は、面接を通して、熱意や能力、企業との適合性を見極めようとしています。もしかしたら、これまでのアルバイト経験やボランティア活動、学生時代に力を入れたことなど、一見関係ないように思えることも、志望理由に繋がる大切な要素かもしれません。

しかし、どうすれば効果的に伝えられるのか、どんな風に話せば面接官の心に響くのか、悩んでしまう方も多いでしょう。

この記事では、面接担当者が注目する志望理由のポイントを解説します。志望理由の作成方法や、さまざまなケースに合わせた例文についても分かる内容です。

目次

面接担当者が公認会計士の志望理由を見るポイント

公認会計士になりたいという漠然とした思いではなく、なぜその企業で、公認会計士として働きたいのかを明確に伝えることが大切です。ここでは、面接担当者が志望理由から何を見ているのかのポイントを3つの視点から解説していきます。

なぜ自社に魅力を感じたのか

「規模が大きいから」「有名な会社だから」といった表面的な理由ではなく、企業の理念や事業内容、社風などに共感し、貴社だからこそ自分の能力を発揮できると感じていることを伝えましょう。例えば、企業が力を入れている新規事業や、社会貢献活動について触れながら、自分の興味関心と結びつけると、より説得力のある志望理由になります。

ホームページや求人情報、業界紙などを通して得られた情報と、自身のキャリアプランを結びつけ、なぜその企業でなければならないのかを明確に伝えられるように準備しておきましょう。

なぜ公認会計士を目指そうと思ったのか

公認会計士を志望する理由は人それぞれです。「社会に貢献したい」「数字を扱う仕事が好き」「専門性を身につけたい」など、様々な動機があるでしょう。面接では、なぜ公認会計士という職業を選んだのか、そのきっかけや背景を具体的に説明することが大切です。

重要なのは、自分の経験や価値観に基づいた志望理由を伝えることです。単に「安定した職業だから」「高収入だから」といった理由では、面接官の心を動かすことは難しいでしょう。

ウソをついていないか

志望理由に矛盾点や不自然な点があると、不信感を与えてしまう可能性があります。自己分析が甘かったり、志望理由に一貫性がなかったりすると、嘘っぽく聞こえてしまうかもしれません。

自己分析を通して自分の強みや弱みを理解した上で、なぜその企業で公認会計士として働きたいのかを明確にしましょう。自分の言葉で、自信を持って伝えることが大切です。

面接担当者を意識した公認会計士の志望理由の作成方法

面接では、なぜ公認会計士を目指しているのか、なぜその事務所を選んだのかをわかりやすく伝えることが重要です。面接担当者に響く志望理由を伝えるには、しっかりと準備しておく必要があります。ここでは、志望理由の作成方法をステップごとにご紹介します。

ステップ1:その企業を志望する理由を考える

多くの企業は、自社のビジョンや理念に共感し、積極的に貢献してくれる人材を求めています。企業のウェブサイトや採用情報などを参考に、企業理念、事業内容、社風などを理解し、あなた自身の経験や価値観とどのように繋がるのかを考えましょう。

例えば、企業が「顧客第一主義」を掲げている場合、あなたがアルバイトで顧客対応を経験し、顧客満足度向上に貢献したエピソードなどを交えて説明することで、企業理念への共感を効果的に伝えることができます。

ステップ2:志望する理由に関するエピソードを考える

過去の経験に基づいた具体的なエピソードを盛り込むことで、あなたの熱意がより伝わりやすくなります。

例えば、ボランティア活動で会計処理を担当し、団体の財務状況を改善した経験があれば、そのエピソードを通して「公認会計士として社会貢献したい」という思いを具体的に説明できます。また、学生時代に困難な課題に直面しながらも、諦めずに努力して克服した経験を語ることで、あなたの粘り強さや問題解決能力をアピール可能です。

エピソードを選ぶ際には、企業の求める人物像と関連性の高いものを選びましょう。監査法人を志望するなら、チームで協力して目標を達成した経験や、正確に作業を進めた経験などを話す方が効果的です。

具体的なエピソードを交えることで、あなたの志望理由に信憑性が増し、面接担当者の印象に残るようなアピールができます。

ステップ3:入社後のビジョンを考える

企業は、採用した人材が将来どのように活躍してくれるのか、長期的な視点で貢献してくれるのかを知りたいと考えています。そのため、入社後の具体的な目標やキャリアプランを伝えることが重要です。

また、企業の事業内容や将来展望と関連づけて、入社後どのように貢献したいのかを伝えることも効果的です。例えば、企業が海外進出を計画している場合、「語学力を活かして、海外事業の拡大に貢献したい」といったビジョンを提示することで、企業への貢献意欲を具体的に示すことができます。

入社後のビジョンを明確に伝えることで、あなたの熱意と将来性を感じ、企業はあなたを採用するメリットをより強く認識するでしょう。

公認会計士の志望理由の例文

志望理由の作成方法が理解できても、すぐに志望理由を作成することは難しいです。ここでは、就職先別に公認会計士の志望理由の例文を解説します。

ケース1:監査法人を希望する場合

監査法人で働くことを希望するなら、企業の不正を見抜き、社会の信頼を守るという公認会計士の使命感をアピールするのが効果的です。例えば、以下が考えられます。

私は、大学で会計学を専攻し、企業の財務諸表を読み解くことで、その企業の経営状態や健全性を把握できることに魅力を感じました。特に、粉飾決算などの不正会計事件に関するニュースを目にするたびに、公認会計士として、企業の透明性を確保し、投資家や社会全体を守る役割を担いたいという気持ちが強くなりました。貴社は、数多くの企業の監査業務に携わっており、高い専門性と豊富な経験を持つことから、公認会計士として成長できる最適な環境だと考えています。また、貴社が掲げる「監査を通じて社会に貢献する」という理念にも共感しており、私もその一員として社会の信頼向上に貢献したいと考えています。

ケース2:税理士事務所を希望する場合

税理士事務所で働くことを希望するなら、企業の経営をサポートしたいという意欲を伝えることが大切です。例えば、以下が考えられます。

私は、大学で税法を学び、税金が企業の経営に大きな影響を与えることを知りました。企業が適切に納税することはもちろん、税務の専門家として、節税対策や経営コンサルティングなどを通じて、企業の成長をサポートすることに魅力を感じています。貴社は、中小企業を中心に、税務・会計のサポートから経営コンサルティングまで幅広いサービスを提供しており、公認会計士として、企業の成長に貢献できる機会が多いと感じています。また、地域密着型の事務所として、顧客との信頼関係を大切にしている点にも魅力を感じています。税理士事務所では、企業の経営者と直接やり取りする機会が多く、経営課題の解決に貢献することができます。私は、コミュニケーション能力を活かして、顧客のニーズを的確に把握し、最適なサービスを提供することで、企業の成長をサポートしていきたいと考えています。

ケース3:一般企業の経理を希望する場合

一般企業の経理部門で働くことを希望するなら、企業の経営に貢献したいという意欲を明確に示すことが重要です。例えば、以下が考えられます。

私は、大学で経営学を学び、企業の財務状況を分析することで、経営戦略を立案し、企業の成長を促進できることに興味を持ちました。公認会計士の資格を取得することで、財務に関する専門知識を深め、企業の経営に貢献したいと考えています。貴社は、〇〇業界においてトップクラスのシェアを誇り、常に新しい挑戦を続けていることに魅力を感じています。また、貴社の「社員一人ひとりの成長を大切にする」という企業理念にも共感しており、私も貴社の一員として、自身の成長と会社の成長に貢献したいと考えています。一般企業の経理部門では、会社の財務状況を把握し、経営陣に適切な情報を提供することで、経営判断をサポートすることができます。私は、分析力と問題解決能力を活かして、会社の収益向上に貢献していきたいと考えています。

まとめ

面接担当者が志望理由を見るポイントは以下が挙げられます。

  • なぜ自社に魅力を感じたのか
  • なぜ公認会計士を目指そうと思ったのか
  • ウソをついていないか

面接担当者に響く志望理由を伝えるには、上記を意識して考えることが大切です。具体的には、以下の3ステップで作成できます。

  • ステップ1:その企業を志望する理由を考える
  • ステップ2:志望する理由に関するエピソードを考える
  • ステップ3:入社後のビジョンを考える

自己分析を通して自分の強みや弱みを理解した上で、なぜその企業で公認会計士として働きたいのかを明確にしましょう。ウソをついて自分をよく見せようと思っても、面接担当者にウソがバレる可能性があります。

入社後のビジョンを明確にし、自分の言葉で自信を持って伝えましょう。

税理士.ch 編集部

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