助成金・補助金の申請で不採択の理由は?その後の対応や予防法を紹介

助成金・補助金を申請した際、必ず通るとは限りません。中には不採択となるケースも見られます。

ですが不採択となった場合でも、理由によっては再申請が可能です。

そこで、今回は、助成金・補助金で不採択となった場合にすべきことや、予防に役立つ対策をご紹介します。

目次

助成金・補助金で不採択になりやすい理由

まずは、助成金・補助金の申請で不採択とされやすい理由を見ていきましょう。

主に、以下の理由で不採択となることが多いようです。

  • 申請内容が助成金・補助金の対象外
  • 申請書類の誤字脱字
  • 必要書類の不備
  • 同一案件への多重申請
  • 同時申請のできない助成金・補助金を受給中
  • 申請事業者自身の法律違反
  • 面白くない申請内容

次からそれぞれの理由について、詳しくご紹介します。

申請内容が助成金・補助金の対象外

まずは、申請内容が助成金・補助金の対象外だった場合です。

いくら申請したくても、募集要綱に沿っていない内容では採択されません。特に、申請事業と助成金・補助金が求める内容が似ている場合は誤解しやすいので注意しましょう。

申請書類の誤字脱字

申請書類の誤字脱字も理由の1つです。特に固有名詞が間違っていると、申請が通ったとしても受給が上手くいかないなど、トラブルの原因になりかねません。

また、誤字脱字が多ければ読む側にストレスとなり、審査員の心象も悪いです。内容がどれだけ魅力的でも、不採択になる可能性があります。

必要書類の不備

助成金・補助金によっては、申請書のみならず、事業所の収益証明など複数の書類が必要です。

これらの必要書類に不足があったり、別のものを提出してしまったりすれば、やはり不採択になってしまいます。中でも、書類の発行日が指定と異なっている例が多いようです。

仮に、発行から3か月以内の書類を指定されていて、4か月以上前のものを提出してしまえば通りません。また電子申請の場合、書類にパスワードがかかっていて確認できず、不採択となることもあります。

同一案件への多重申請

1つの助成金・補助金に対して、同一年度内に申請しているにもかかわらず、再度申し込んだ場合も不採択になりやすいです。

助成金・補助金の内容によっては、コースを変えるなど同時申請が可能なケースもあります。しかし基本的には、同一年度内での申請は助成金・補助金ごとに1回きりと考えましょう。

同時申請のできない助成金・補助金を受給中

既に別の助成金・補助金を受給している場合、今申請しようとしているものと併用できない場合があります。

申請事業者自身の法律違反

申請内容は問題なくても、事業者自身が法律違反を犯している場合は不採択です。ほとんどの助成金・補助金では、法律や公序良俗に反した事業者の申請を認めていません。

また、罪を償えばすぐ申請できるとも限らないのです。助成金・補助金によりますが、「数年以内の違反者は申請不可」など時期が指定されています。申請するには、指定期間を外れるまで待たなくてはいけません。

面白くない申請内容

ここまでの理由に比べて曖昧ではありますが、申請内容の面白みも採択・不採択に関わります。

特に、内容に問題がない事業者が募集数以上いる場合、最終的な判断は審査を行う人次第です。結果、より興味を引く内容で申請している事業者が優先されることもあります。画期的ではなくても、事業を行うメリットや市場ニーズを踏まえるなど、審査員を説得できる内容が必要です。

不採択になった場合にすべきこと

もし助成金・補助金を申請し、不採択になってしまっても、諦めるには早いです。

以下の点を確認し、再申請を行いましょう。

  • 助成金・補助金の期限を確認
  • 不採択理由の問い合わせ
  • 申請内容の見直し
  • 提携機関への依頼内容をチェック

次から1つずつご紹介します。

助成金・補助金の期限を確認

助成金・補助金の期限まで、どれだけの余裕があるか、改めて確認しましょう。

日があれば再申請も余裕をもって行えますが、迫っているならすぐ行動に移らなければいけません。また再申請を優先する分、現在の仕事などへの影響も考える必要があります。あるいは本年度は諦め、次年度に持ち越すのも手です。

約1年あれば、再申請の準備に焦ることはありません。ただし、同じ助成金・補助金があるかは確認しておきましょう。

不採択理由の問い合わせ

再申請を決めたら、まず行うべきは不採択理由を把握することです。

助成金・補助金の事務局に問い合わせを行いましょう。基本的に不採択理由は公開されませんが、自社の理由のみ、問い合わせれば個別に教えてもらえる場合があります。

ただし不採択理由の問い合わせは、条件が設けられていることも多いです。受付番号など申請の証拠となるものの用意、申請した事業の代表者のみ受け付けるなど、助成金・補助金によっても異なります。問い合わせ前に要綱などで確認しておきましょう。

申請内容の見直し

申請内容に関する不採択理由であれば、ブラッシュアップによって再申請が期待できます。

まずは、問い合わせ時に受けた指摘をきちんと理解し、踏まえた修正を行いましょう。誤字脱字はもちろん、助成金・補助金の条件に沿わない部分の見直しも大事です。もし期日まで猶予があるなら、内容そのものを改良できないか考えてみましょう。

提携機関への依頼内容をチェック

助成金・補助金の申請において、支援機関など別企業が関わる場合は、そちらの見直しも重要です。

依頼内容の修正に加えて、機関そのものを選びなおすことも考えましょう。良し悪しとは別に、申請する事業内容により適した企業があるかもしれません。

助成金・補助金の申請で不採択にならないために

まだ助成金・補助金の申請前なら、不採択にならないよう予防策を講じることもできます。

特に、以下の点に注意してみてください。

  • 要綱の把握
  • 加点項目の確認
  • 書類の読みやすさ
  • 複数の助成金・補助金に申請する場合は優先順位をつける
  • 専門家に助力を求める
  • 早めの申請

詳しくは次からご紹介します。

要綱の把握

書類の不備や内容ミスマッチなど、多くの不採択理由は助成金・補助金の内容をきちんと把握していないために発生します。

であれば、募集要綱をしっかり把握することは大事です。専門用語など、1回では分かりにくい説明も多いかもしれません。

それでも、都度調べたり他者に相談したりして、助成金・補助金をきちんと理解しましょう。

加点項目の確認

審査における、加点項目も確認しておきます。

助成金・補助金の審査はいくつかの項目が設定され、応募内容が即していれば加点、そうでなければ減点という形が多いです。

加えて、単純な正誤のみならず、より良い結果なら更なる加点もあり得ます。例えば、7点以上で採択という条件があったとして、1項目1点なら7項目以上で採択です。

もし6項目しか加点がない場合、通常なら6点で不採択でしょう。しかし、1項目でも2点以上得ていれば、合計は7点以上となり採択されます。ゆえに加点項目を踏まえた内容で提出できれば、減点があってもカバーでき、不採択を避けやすいです。

書類の読みやすさ

提出する書類は、誤字脱字や不備だけでなく、読みやすいかも重要です。

特に、フォーマットの指定がない書類や、記述部分が多い場合は注意しましょう。提出者にとっては問題なくても、内容が審査員に伝わらなければ判断もできず、採択されません。

順序よく説明されているか、文章は長すぎないか、難解すぎる語句を使用していないかなど、提出前に確認しましょう。その際、書類作成者だけで行わず、事業所のメンバーなどにも頼み、他者の目から判断してもらうことも大切です。

複数の助成金・補助金に申請する場合は優先順位をつける

もし複数の助成金・補助金に申請しようと考えているなら、同時にできるか確認が必要です。

そして同時申請ができない場合は、金額や期限などを参考に優先順位をつけましょう。いずれかしか選べないのであれば、高順位の助成金・補助金で採択されたいはずです。

可能ならどちらも準備をしておくのがベストですが、申請には手間もかかります。優先順位をつければ、トラブルが起きても優先度の高い方から片付けるなど、効率よく進めやすいです。

専門家に助力を求める

助成金・補助金の申請で困ったことがあったら、専門家に頼むことも検討しましょう。金融機関やコンサルティング業者、あるいは中小企業診断士などの有資格者が該当します。

助成金・補助金の中には、代理人として彼らに申請手続きを許可していることもあり、任せてしまうのも手です。書類のミスや読みやすさなども、専門家なら内容に沿った視点でのアドバイスを受けられます。

早めの申請

助成金・補助金の申請を決めたら、早めに行動しましょう。早く書類が完成すれば、その分見直しにかける時間も増えます。

万が一不採択になっても期日まで猶予が生まれやすく、余裕をもった再申請が可能です。

ただし急ぐあまり、ミスが増えては意味がありません。見直しなど、時間を割くべきところではしっかり使い、そうでない時との切り替えも意識しましょう。

まとめ

助成金・補助金が不採択となる理由は、書類の誤字脱字や申請対象外など多岐にわたっています。

しかし1度不採択となっても、申請期限までに余裕があれば再申請は可能です。不採択の理由を確認し、申請内容を見直しましょう。

また、もしこれから助成金・補助金の申請を行うのであれば、内容に加えて書類の読みやすさなどにも注意してみてください。自分たちだけでは対処しきれないと感じたら、専門家の指示を仰ぐことも検討しましょう。

税理士.ch 編集部

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