働き方改革推進支援助成金とは?制度概要・担当税理士が注意すべき点についてわかりやすく解説

働き方改革推進支援助成金について、2024年度の交付申請受付が始まりました。この制度は労働時間の削減と共に生産性の向上を図る事業者に向けたもので、中小企業における労働時間の設定の改善の促進を目的としています。本記事では、働き方改革推進支援助成金について概要やポイント、申請時の注意点まで詳しく解説していきます。従業員の労働時間について悩む事業者をご担当の税理士・会計士の方は、活用方法についてぜひ本記事をご参考ください。

目次

働き方改革推進支援助成金の概要

働き方改革推進支援助成金は、生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む中小企業・小規模事業者や、傘下企業を支援する事業主団体が受け取ることができるもので、中小企業における労働時間の設定の改善の促進を目的としています。

具体的な活用事例

業種取組内容
建設業顔認証システムと労務管理ソフトを導入することで、適切な勤務管理や業務効率化を行うことができた。
食品製造業調理器具を導入することにより労務負担を軽減することにより、作業時間短縮や生産性向上を図った。
外食サービス業POSシステム、釣銭機、給茶機などを導入し、機器を活用することで人手不足を軽減することができた。
農業農業用ドローンを導入することにより、農薬・肥料散布の作業負担を軽減し、業務効率化を行った。

参照:働き方改革推進支援助成金の活用事例

申請の流れ

令和6年度における申請から交付までの手続きは以下の通りです。

手続き内容備考・注意点
1「交付申請書」を、最寄りの労働局雇用環境・均等部(室)に提出締切:11月29日(金)持ち込み・郵送・電子申請のいずれも可
2交付決定後、提出した計画に沿って取組を実施事業実施期限:令和7年1月31 日(金)まで(団体促進コース:2月14日/砂糖製造業:3月15日)
3労働局に支給申請申請期限は、事業実施予定期間が終了した日から起算して30日後の日または令和7年2月7日(金)のいずれか早い日

申請における注意点

申請時に注意すべきポイントについて以下に解説します。

条件を満たしているか

まずは対象事業者であるか、対象の取組がされているかなどの確認をしっかりと行うようにしてください。就業規則の整備や記載事項の確認など、事前にしておかなければならないこともあるため注意するようにしてください。

申請書類の不備に注意

原則、申請者の都合による提出済書類の再整備・差替は認められません。事前に交付要綱・支給要領・申請マニュアルを十分に確認した上で申請を行うようにしてください。

タイムラグに注意

交付が決定したとしても、実際に着金するまでにはライムラグが発生します。その間の資金調達など、資金繰りを計画的に行っておく必要があります。

お問い合わせ窓口

申請に関して不明な点があれば、最寄りの都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)へ問い合わせを行ってください。

以下に主要都市の問い合わせ先を記載いたしますのでご参考ください。

機関名部署名電話番号
北海道労働局雇用環境・均等部企画課011-788-7874
東京労働局雇用環境・均等部企画課(助成金係)03-6893-1100
愛知労働局雇用環境・均等部 企画課052-857-0313
大阪労働局雇用環境・均等部 企画課06-6941-4630
福岡労働局職業安定部職業対策課 福岡助成金センター092-411-4717

その他の問い合わせに関しましては、以下の厚生労働省HPをご参照ください。

参照:都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧|厚生労働省

働き方改革推進支援助成金の種類

働き方改革推進支援助成金には4つのコースがあり、どのような取組を行うかによってそれぞれコースを選択して申請します。

  1. 業種別課題対応コース
  2. 労働時間短縮・年休促進支援コース
  3. 勤務間インターバル導入コース
  4. 団体推進コース

以下にそれぞれのコースについて詳しく解説していきます。

1.業種別課題対応コース

生産性を向上させ、時間外労働の削減・週休2日制の推進・勤務間インターバル制度の導入や医師の働き方改革推進に向けた環境整備に取り組んでいる事業者が対象となるコースです。

支給対象

以下の1~4のいずれにも該当する中小企業事業主が対象です。

  1. 労働者災害補償保険の適用事業主である
  2. 交付申請時点で、「成果目標」1から4の設定に向けた条件を満たしている
  3. 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備している
  4. 常時使用する労働者数が300人以下もしくは資本金または出資額が3億円以下(病院等については5,000万円以下)の建設業・運送業・病院等・砂糖製造業である

支給対象となる取組

以下1~9のいずれかの取組が支給対象となります。

  1. 労務管理担当者に対する研修
  2. 労働者に対する研修、周知・啓発
  3. 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
  4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
  5. 人材確保に向けた取組
  6. 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  7. 労務管理用機器の導入・更新
  8. デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  9. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

※研修には、勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含みます。
※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。

成果目標の設定

支給対象となる取組を、以下の「成果目標」1から6のうち1つ以上選択し、その達成を目指して実施します。取組の実施に要した経費の一部が、成果目標の達成状況に応じて支給されます。

業種によって選択できる目標が異なるので注意してください。

  1. 全ての対象事業場において、令和6年度又は令和7年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届出を行うこと(全ての業種が選択可能)
  2. 全ての対象事業場において、年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入すること(全ての業種が選択可能)
  3. 全ての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入し、かつ、特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、不妊治療のための休暇、時間単位の特別休暇)の規定をいずれか1つ以上を新たに導入すること(全ての業種が選択可能)
  4. 全ての対象事業場において、9時間以上の勤務間インターバル制度の規定を新たに導入すること(全ての業種が選択可能)(※1)
  5. 全ての対象事業場において、4週5休から4週8休以上の範囲で所定休日を増加させること(建設業が選択可能)
  6. 医師の働き方改革推進に関する取組として以下(1)、(2)を全て実施すること(病院等が選択可能)
    1. 労務管理体制の構築等
      • 労務管理責任者を設置し、責任の所在とその役割を明確にすること
      • 医師の副業・兼業先との労働時間の通算や医師の休息時間確保、長時間労働の医師に対する面接指導の実施に係る協力体制の整備を行うこと(副業・兼業を行う医師がいる場合に限る)
      • 管理者層に対し、人事・労務管理のマネジメント研修を実施するなど、労働時間管理について理解を深める 取組を行うこと
    2. 医師の労働時間の実態把握と管理

労働時間と労働時間でない時間の区別などを明確にした上で、医師の労働時間の実態把握を行うこと

事業実施期間

交付決定の日から当該交付決定日の属する年度の1月31日までに取組を実施してください。
※改善事業主が砂糖製造業の事業主の場合は3月15日までに取組を実施してください。

支給額

成果目標の達成状況に応じ、以下のいずれか低い方の額が支給されます。

  • 成果目標1から6の上限額および賃金加算額の合計額(成果目標毎に上限額が異なるので、詳細は厚生労働省HPをご参照ください)
  • 対象経費の合計額×補助率3/4(常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象の取組で6から9を実施する場合で、その所要額が3万円を超える場合の補助率は4/5)

申込締切

令和6年度申請の受付締切は2024年11月29日(金)(必着)です。

(支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、期日以前に受付が締め切られる場合があります。)

参照:働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)

2.労働時間短縮・年休促進支援コース

生産性を向上させ、時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の促進に向けた環境整備に取り組む事業者向けのコースです。

支給対象

以下の1~3のいずれにも該当する中小企業事業主が対象です。

  1. 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  2. 交付申請時点で、「成果目標」1から3の設定に向けた条件を満たしていること
  3. 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること

支給対象となる取組

以下1~9のいずれかの取組が支給対象となります。

  1. 労務管理担当者に対する研修
  2. 労働者に対する研修、周知・啓発
  3. 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
  4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
  5. 人材確保に向けた取組
  6. 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  7. 労務管理用機器の導入・更新
  8. デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  9. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

※研修には、勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含みます。
※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。

成果目標の設定

支給対象となる取組を、以下の「成果目標」1から3のうち1つ以上選択し、その達成を目指して実施します。

取組の実施に要した経費の一部が、成果目標の達成状況に応じて支給されます。

  1. 全ての対象事業場において、令和5年度又は令和6年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出を行うこと
  2. 全ての対象事業場において、年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入すること
  3. 全ての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入し、かつ、特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症対応のための休暇、不妊治療のための休暇、時間単位の特別休暇)の規定をいずれか1つ以上を新たに導入すること

※上記の成果目標に加えて、対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額の引上げを3%以上行うことを成果目標に加えることができます。

事業実施期間

交付決定の日から当該交付決定日の属する年度の1月31日までに取組を実施してください。

支給額

成果目標の達成状況に応じ、以下のいずれか低い方の額が支給されます。

  • 成果目標1から3の上限額および賃金加算額の合計額(成果目標毎に上限額が異なるので、詳細は厚生労働省HPをご参照ください)
  • 対象経費の合計額×補助率3/4(常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象の取組で6から9を実施する場合で、その所要額が3万円を超える場合の補助率は4/5)

申込締切

令和6年度申請の受付締切は2024年11月29日(金)(必着)です。
(支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、期日以前に受付が締め切られる場合があります。)

参照:働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

3.勤務間インターバル導入コース

勤務間インターバル制度の導入に取り組む事業者向けのコースです。

「勤務間インターバル」とは、勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図るもので、2019年4月から、制度の導入が努力義務化されました。

支給対象

以下の1~5のいずれにも該当する中小企業事業主が対象です。

  1. 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  2. 次の(1)から(3)のいずれかに該当する事業場を有する事業主であること
  1. 勤務間インターバルを導入していない事業場
  2. 既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下である事業場
  3. 既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場
  1. 全ての対象事業場において、交付申請時点及び支給申請時点で、36協定が締結・届出されていること
  2. 全ての対象事業場において、原則として、過去2年間に月45時間を超える時間外労働の実態があること
  3. 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること

支給対象となる取組

以下1~9のいずれかの取組が支給対象となります。

  1. 労務管理担当者に対する研修
  2. 労働者に対する研修、周知・啓発
  3. 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
  4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
  5. 人材確保に向けた取組
  6. 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  7. 労務管理用機器の導入・更新
  8. デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  9. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

※研修には、勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含みます。
※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。

成果目標の設定

支給対象となる取組を、以下の「成果目標」1から3のうち1つ以上選択し、その達成を目指して実施します。取組の実施に要した経費の一部が、成果目標の達成状況に応じて支給されます。

  1. 新規導入

勤務間インターバルを導入していない事業場において、事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象とする、休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルに関する規定を労働協約または就業規則に定めること

  1. 適用範囲の拡大

既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下であるものについて、対象となる労働者の範囲を拡大し、当該事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象とすることを労働協約または就業規則に規定すること

  1. 時間延長

既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場において、当該事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象として、当該休息時間数を2時間以上延長して休息時間数を9時間以上とすることを労働協約または就業規則に規定すること

上記の成果目標に加えて、対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額の引上げを3%以上行うことを成果目標に加えることができます。

事業実施期間

交付決定の日から当該交付決定日の属する年度の1月31日までに取組を実施してください。

支給額

成果目標の達成状況に応じ、以下のいずれか低い方の額が支給されます。

  • 成果目標1から3の上限額および賃金加算額の合計額(成果目標毎に上限額が異なるので、詳細は厚生労働省HPをご参照ください)
  • 対象経費の合計額×補助率3/4(常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象の取組で6から9を実施する場合で、その所要額が3万円を超える場合の補助率は4/5)

申込締切

令和6年度申請の受付締切は2024年11月29日(金)(必着)です。
(支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、期日以前に受付が締め切られる場合があります。)

参照:働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)

4.団体推進コース

労働者の労働条件の改善のために、時間外労働の削減や賃金引上げに向けた取組を実施した事業者向けのコースです。

支給対象

以下の1もしくは2に該当する中小企業事業主が対象です。

  1. 事業主団体
  2. 法律で規定する団体等(事業協同組合、事業協同小組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合、協業組合、商工組合、商工組合連合会、都道府県中小企業団体中央会、全国中小企業団体中央会、商店街振興組合、商店街振興組合連合会、商工会議所、商工会、生活衛生同業組合、一般社団法人及び一般財団法人)
  3. 労働基準法(昭和22年法律第49号)第142条に定める鹿児島県及び沖縄県における砂糖を製造する事業に関連する団体(日本甘蔗糖工業会、日本分蜜糖工業会、沖縄県黒砂糖工業会)
  4. 上記以外の事業主団体(一定の要件あり)
  5. 共同事業主

  共同する全ての事業主の合意に基づく協定書を作成している等の要件を満たしていること

※事業主団体等が労働者災害補償保険の適用事業主であり、中小企業事業主の占める割合が、構成事業主全体の2分の1を超えている必要があります。また、次の①から④までに定める事業主で構成される団体(以下「適用猶予業種等団体」という。)が労働者災害補償保険の適用事業主であり、中小企業事業主の占める割合が、構成事業主全体の5分の1を超えている必要があります。また、労働者災害補償保険の適用事業主である全国、都道府県単位の適用猶予業種等団体において、定款等に基づいて支部組織を設置しており、当該支部組織の1組織でも中小企業事業主の占める割合が、構成事業主全体の5分の1を超えている場合は、当該適用猶予業種等団体は、本項の要件を満たすものとすること。

  1. 労働基準法第139条第2項に定める工作物の建設の事業その他これに関連する事業として厚生労働省令で定める事業を主たる事業として営む事業主
  2. 労働基準法第140条第1項に定める自動車運転の業務に従事する労働者が所属する事業主
  3. 病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院を運営する事業主
  4. 労働基準法第142条に定める鹿児島県及び沖縄県における砂糖を製造する事業を主たる事業とする事業主

支給対象となる取組

以下1~10のいずれかの取組が支給対象となります。

  1. 市場調査の事業
  2. 新ビジネスモデル開発、実験の事業
  3. 材料費、水光熱費、在庫等の費用の低減実験(労働費用を除く)の事業
  4. 下請取引適正化への理解促進等、労働時間等の設定の改善に向けた取引先等との調整の事業
  5. 販路の拡大等の実現を図るための展示会開催及び出展の事業
  6. 好事例の収集、普及啓発の事業
  7. セミナーの開催等の事業
  8. 巡回指導、相談窓口設置等の事業
  9. 構成事業主が共同で利用する労働能率の増進に資する設備・機器の導入・更新の事業
  10. 人材確保に向けた取組の事業

成果目標の設定

支給対象となる取組は、以下の「成果目標」の達成を目指して実施してください。

成果目標は、支給対象となる取組内容について、事業主団体等が事業実施計画で定める時間外労働の削減又は賃金引上げに向けた改善事業の取組を行い、構成事業主の2分の1以上に対してその取組又は取組結果を活用すること。

事業実施期間

交付決定の日から当該交付決定日の属する年度の2月14日までに取組を実施してください。

支給額

成果目標の達成状況に応じ、以下のいずれか低い方の額が支給されます。

  1. 対象経費の合計額
  2. 総事業費から収入額を控除した額(例:試作品を試験的に販売し、収入が発生する場合)
  3. 上限額500万円(都道府県単位又は複数の都道府県単位で構成する事業主団体等(構成事業主が10以上)に該当する場合は、上限額1,000万円)

申込締切

令和6年度申請の受付締切は2024年11月29日(金)(必着)です。
(支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、期日以前に受付が締め切られる場合があります。)

参照:働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)

令和6年度からの変更点

令和6年度からの変更点について、以下に解説します。

【業種別課題対応コース】における変更点

成果目標が一部変更・追加されました。

  • 既存コースの成果目標の設定
  • 改善基準告示の施行に伴う成果目標の設定
  • 医師の「36協定の見直し」の成果目標の内容変更
  • 医師の働き方改革の成果目標の変更

【労働時間短縮・年休促進支援コース】における変更点

「時間単位年休及び特別休暇の導入」の成果目標のうち、「新型コロナ感染症対応のための休暇の導入」が助成対象から除かれました。

【勤務間インターバル導入コース】における変更点

助成上限額が変更されました。また、支給申請時に求めていた労働時間の実績報告が廃止されました。

その他の変更点

「労働時間適正管理推進コース」が令和5年度限りで廃止されました。

事業者に提案する際の注意点

では、実際に提案するときにはどのように事業者に提案するのが望ましいのでしょうか。気を付けたいポイントを以下にまとめましたのでぜひご参考ください。

期限に余裕をもった取組計画が立てられているかどうか

働き方改革推進支援助成金は、申請数が上限数に達すると締め切られてしまいます。締切日はあくまでも目安とし、数ヶ月ほど余裕を持って計画を立て、申請するよう促してください。

事業実施の期間は長めに取っておく

支給申請期限は、「事業実施予定期間が終了した日から起算して30日後の日または令和7年2月7日(金)のいずれか早い日」となっているため、事業実施期間は長めに設定するようにすると、余裕を持って支給申請することができます。

助成金ありきの目標設定や取組となっていないか

助成金の受け取りという結果のみを追い求めて、無理のある目標設定や意味のない取組となっていないか注意する必要があります。働き方改革推進支援助成金は、あくまで企業における労働時間の設定の改善の促進を目的としているため、その主旨から外れていないか確認する必要があります。

まとめ

いかがでしたか?

本記事では働き方改革推進支援助成金について概要やポイント、申請時の注意点などについて解説してきました。

働き方改革推進支援助成金をうまく活用することで、業務内容の見直しや効率化ツールの導入により、業務の成果や効率を最大限向上させることができます。さらに、業務効率化が実現することで、従業員のモチベーションやパフォーマンスが向上し、企業の持続可能な事業運営を実現することが可能となるのです。

従業員の労働に関してお悩みの事業者に、お勧めしてみてはいかがでしょうか。

【まとめ記事】令和6年度の助成金・補助金について紹介します

税理士.ch 編集部

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