日本の生成AI利用率はわずか9.1%―使い方を知って差をつけよう―

株式会社ウェブタイガー 代表取締役
一般社団法人ウェブ解析士協会 SNSマネージャー養成講座 創設者
生成AI・ソーシャルメディア コンサルタント
田村 憲孝

2022年11月にChatGPTが公開されて以来、私のもとへも定期的に生成AIに関する研修や勉強会の開催依頼が届いています。一方で、2024年7月5日に総務省が発表した情報通信白書では、日本での生成AI利用率は9.1%とされています。中国(56.3%)・アメリカ(46.3%)・ドイツ(34.6%)などの国での利用状況と比較すると、文字通りケタ違いの利用率の低さです。

また、生成AIを使わない理由は「使い方がわからない」が最も多くなっています。

ある書籍に印象に残る言葉がありました。

「AIが◯◯を駆逐することは無いが、AIを使う◯◯はAIを使えない◯◯を駆逐するだろう」

一見、伏せ字が多くて意味がわかりにくい言葉です。でもこの「◯◯」の部分にあなたの職業を入れてみてください。たとえば、医師・弁護士・会計士、そして税理士など。。。今後はAIを使えないだけで不利になる世界が間違いなくやってくるのです。

情勢は理解している。でもやっぱり使い方がわからない。そうお考えの方も多いのではないでしょうか。そこで今回はできるだけハードルが低く、すぐに、簡単に、生成AIに触れられるようになるためのヒントを書いてみます。

何に使うか

文書の作成・データの分析・画像や動画の生成・プログラムの修正など、生成AIはあらゆるビジネスシーンで活用できます。しかし、難しいタスクから始めようとしても思ったような内容が出力されずに「AIなんか使えない」と判断されるケースに何度も遭遇しています。そこで、まずは身近な疑問を解決したい時や判断に迷った時の相談相手として生成AIを使ってみることをおすすめします。

たとえばこんな小さな困りごと。

「不動産業の経営者から税務についてよく聞かれる質問をいくつか想定してください。」
「税理士をやっています。消費税の納税額が高すぎるのでは?と聞かれたときに、上手に返答するにはどうしたらいいですか?相手はせっかちな性格なので端的に説明したいです。」など。

実際にひとつやってみましょう。
「顧客が期限までに書類を提出してくれません。気分を害さずに速やかに提出してもらうにはどう伝えたらいいでしょう?」

あまりに定型的な答えでおもしろくないなら、
「少し角度を変えてユニークな表現にしてみてください。」

距離感が近い顧客の場合はこういう伝え方もいいかもしれませんね。

などなど、表現のニュアンスもリクエストできます。とにかく、お仕事のことでもプライベートのことでも、趣味に関することでもなんでも聞いてみてください。出力された内容が求めている答えと違うなら「違うからこうして!」と依頼してみてください。

どのAIを使うか

生成AIと聞いていちばんに思い出すのはChatGPTではないでしょうか。当初はメールアドレスの登録などが必要で敷居が高い部分もあったのですが、今はどなたでも無料で利用できます。

GmailなどGoogleのアカウントをお持ちなら、Geminiを利用されるといいでしょう。Googleにログインした状態でこのリンクをクリックすると簡単にアクセスできます。

またExcelやWordなどを利用されているならMicrosoftのアカウントをお持ちのはずです。Microsoftのアカウントにログインした状態でこちらのリンクにアクセスすると、Copilotという生成AIを利用できます。

それぞれ、有料プランにするとさらに便利な機能が利用できます。でも最初は無料プランで十分です。まずは時代に取り残されないよう日常的に生成AIに触れるようにしてみてください。

田村 憲孝

株式会社ウェブタイガー 代表取締役
一般社団法人ウェブ解析士協会 SNSマネージャー養成講座 創設者
生成AI・ソーシャルメディア コンサルタント

不動産会社で営業職・営業管理職としての経験を積んだ後、2010年に独立し、現職に至る。 企業や自治体のSNS運用を、研修・講演・運用代行・広告運用を通じて支援。2023年からは、 ChatGPTなどの生成AIを活用したSNS運用支援を開始。 さらに、SNS以外の領域でも業務効率化を目的とした企業や各種団体への生成AI活用支援・研修を 提供している。

著書
『小さな会社・お店が知っておきたい SNSの上手な運用ルールとクレーム対応』同文舘出版
『世界一わかりやすい ChatGPTマスター養成講座』つた書房
『Instagramショップ 制作・運用の教科書』つた書房
『Facebook&Instagram&Twitter広告 成功のための実践テクニック』ソシムなど

ChatGPTをビジネスの現場で有効活用するための、基本的な操作方法からさまざまな 文書の作成手順までを、ビズアップ総研のeランニングサービス「e-JINZAI」の 「ChatGPTマスター講座」にてお伝えしています。

登録後送られる認証用メールをクリックすると、登録完了となります。

「税理士.ch」
メルマガ会員募集!!

会計人のための情報メディア「税理士.ch」。
事務所拡大・売上増の秘訣や、
事務所経営に役立つ選りすぐりの最新情報をお届けします。